実践的なアプローチで学ぶ、書籍「Python による機械学習入門」のまとめ

AI による機械学習はエンジニアにとって今後ますます重要なスキルとなり、社会的課題の解決、競争力の向上などにつながるが、初心者がスキルを習得する手段の 1 つに書籍での学習があり、入門書となる書籍「Python による機械学習入門」について紹介する。

実践的なアプローチで学ぶ、書籍「Python による機械学習入門」のまとめ

1.機械学習のプログラマの市場動向

現在、機械学習ができるプログラマの市場は非常に活発で、需要が高まっている。
特に機械学習を活用したビジネスの拡大や業務の自動化に伴い、官公庁や企業の業種を問わずに導入の検討に入っているところは多い。



また、機械学習を行わせるためのプログラムスキル以外に、ビジネス上の課題に対して大量のデータからクリーニングや前処理、可視化なども重要な作業の 1 つとなるデータサイエンティストとしての素養も必要になる。

加えて技術や提供されるサービス・ツール類の進化が早いため、常に最新技術を学び続けることが求められている。
大学や専門学校の講義でも取り上げられていることから競争も激しいため、より高いスキルを持つエンジニアほど市場のニーズが高い。

2.機械学習のプログラマになるためには

機械学習のプログラマになるためには、以下のようにプログラムができること以外に、統計学、微積分などの数学的知識を身につけることも必要になる。

しかし、Python には数学的知識が無くてもライブラリを用いて計算処理させることができるため、学習させるデータの前処理と算出された結果の正解率を見極められるようになることが先決である。

  1. プログラミングの基礎を学ぶ – Python などのプログラミング言語
  2. 数学的知識を身につける – 線形代数や統計学、微積分など
  3. 機械学習の理論を学ぶ – モデルの概念やアルゴリズムの仕組み、評価指標など
  4. 実践的な機械学習のスキルを身につける – データセットを扱ってモデルの開発や評価、チューニングの経験


また、これらのスキルを身につけるためには、書籍やオンラインコースを利用する方法がある。
オンラインコミュニティに参加して、他の人のコードを読んだり、意見交換をしたりすることも、スキルアップに役立つ。

3.書籍「Pythonによる機械学習入門」とは

書籍「Pythonによる機械学習入門」とは、人工知能の技術の内、機械学習について入門的知識から実践まで解説した書籍である。
プログラミング言語の Python とライブラリ「scikit-learn」を使って、実際のデータを用いた機械学習の手法を学ぶことができる。

書籍「Pythonによる機械学習入門」でイラストが掲載されている様子

書籍内で登場人物が会話方式で進むため、図表も多く取り入られている。

スッキリわかるPythonによる機械学習入門 (スッキリわかる入門シリーズ)


本体価格は税込 3,300 円で全 664 ページで構成されている。
第一刷発行は2020年10月16日である。

4.書籍「Pythonによる機械学習入門」の要点

書籍「Pythonによる機械学習入門」の要点としては、機械学習の基礎から応用までを Python の実装を通じて学ぶことができる内容となっている。

本書は次の章で構成されている

  • 第 0 章:Python 基本文法の復習
  • 第 1 章:AIと機械学習
  • 第 2 章:機械学習に必要な基礎統計学
  • 第 3 章:機械学習によるデータ分析の流れ
  • 第 4 章:機械学習の体験
  • 第 5 章:分類1:アヤメの判別
  • 第 6 章:回帰1:映画の興行収入の予測
  • 第 7 章:分類2:客船沈没事故での生存予測
  • 第 8 章:回帰2:住宅の平均価格の予測
  • 第 9 章:教師あり学習の総合演習
  • 第 10 章:より実践的な前処理
  • 第 11 章:さまざまな教師あり学習:回帰
  • 第 12 章:さまざまな教師あり学習:分類
  • 第 13 章:さまざまな予測性能評価
  • 第 14 章:教師なし学習1:次元の削減
  • 第 15 章:教師なし学習2:クラスタリング
  • 第 16 章:まだまだ広がる機械学習の世界

5.書籍「Pythonによる機械学習入門」の総評

書籍「Pythonによる機械学習入門」の総評としては、機械学習の概論と種類から始まり、興行収入予測など Python を使った実践的なサンプルが掲載されており、初心者から中級者に向けた書籍である。

ページ数も多く、学習に利用するデータやサンプルコードを公式サイトから無料でダウンロードすることができるので手を動かしながらの習得も可能である。



ただし、第 1 刷でコマンドや記載内容に誤記があり、第 2 刷以降で順次修正はされているが、公式サイトを見て購入した刷数に訂正が入っていないか確認する必要がある。

関連記事

コメントを残す