不登校の少女と老母の交流を描いた「西の魔女が死んだ」のあらすじとまとめ


[初回公開] 2008年08月06日

小説はストーリーを愉しむものだが、登場人物の生き様や発せられる言葉から学ぶこともあり、大人も読んで為になる不登校の少女と老母の交流を描いた「西の魔女が死んだ」のあらすじとまとめについて紹介する。

不登校の少女と老母の交流を描いた「西の魔女が死んだ」のあらすじとまとめ

1.「西の魔女が死んだ」とは

「西の魔女が死んだ」とは、梨木香歩著の不登校の少女と「西の魔女」と呼ばれた祖母の物語である。
少女の成長を描くとともに、老婆から学ぶことは現実社会を生きる学生や社会人にも心に刺さり、映画化もされている。



書籍の帯には「最後の 3 ページは涙があふれて、止まりません」とあるように感動作品である。

2.「西の魔女が死んだ」のあらすじ

中学生のまいは西の魔女が死んだことを知らされ、母親とともに家に向かう。

西の魔女は母親の母で、まいにとって祖母にあたる。
祖母の元に向かう道中、まいは西の魔女の元で過ごした 1 ヶ月を思い出す。

中学に進級したまいは周囲にうまく溶け込めず、早々に不登校になってしまう。
持病の喘息もあり、まいはしばらく祖母と暮らすことになる。

英国人の祖母はある日、まいに魔女を知っているかと聞いてくる。
ファンタジーの世界のように魔法を使う魔女ではなく、普通の人よりも知恵や知識が豊富な人で、まいの祖母もその 1 人であった。

まいは自分にも魔女の血が流れていることを知り、魔女になりたいと祖母に懇願する。
それに対して祖母は、精神力を鍛える必要があると教えてくれ、いくつかの決まり事を決めた上でそれに沿った生活が始まる。

まずは規則正しい生活を営みつつ、まいは諦めそうになっても継続することで意思の力が蓄えられていった。

ある日、飼育していた雄鶏が何者かによって殺されてしまう。
野犬かイタチの仕業だろうと、祖母は言う通り、鶏を囲む金網には薄茶色の毛が付着しているのを見つける。

祖母の家の近所にはゲンジという男が住んでおり、ゲンジの飼う犬の毛が金網に付着していた毛と気付いたまいは、祖母にそのことを伝えるものの、目に見えるものだけに囚われないようにと諭される。



ほどなくまいの父親の希望で引っ越して転校することを決める。
そんな折にゲンジが祖母の敷地に侵入しているのをまいが見つけ、さらに嫌悪感を示すまいにゲンジに失礼だと注意する祖母と対立してしまう。

二人の仲が修復しないまま、まいは祖母の元を離れて引っ越してしまい、今、亡くなった祖母の場所へ向かっている。

祖母の家について座っているまいのそばにゲンジがやってくる。
彼は銀龍草を手にしており、その花は亡くなった祖父が好きだった花でゲンジもまた、祖父母に恩がある人間だった。

銀龍草を飾るまいはガラスに西の魔女から東の魔女(まい)へ宛てたメッセージが書かれているのを見つけ、祖母の愛情を再確認する。

3.「西の魔女が死んだ」の販売価格とページ数

本体価格は文庫本で税抜 605 円、全 216 ページで構成されている。
第一刷発行は1994年04月19日に単行本で発売され、2001年に文庫本化されている。

西の魔女が死んだ

4.「西の魔女が死んだ」の感想

「西の魔女が死んだ」の感想としては、感動作品でありながら主人公のまいが祖母の元で生活(修行)する姿勢と考え方は現実社会で生きるために実践で役立つ。

その場の空気を悪くしない対応方法や、先入観に捕らわれないこと、そしてストレスを溜めない心の持ち方など参考になる点がある。

祖母のことを「魔女」と作中では呼ばれているが科学では解決しない、実際に生きてきたから習得できるいわゆる「お婆ちゃんの知恵袋」がそこにある。

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