ドライブレコーダーから SD カードを初期化するように音声が流れる原因と対応方法


[初回公開] 2019年09月25日

ドライブレコーダーの初期購入時に付属されている microSD カードは走行時間として 3 時間ほどしか録画できず短いため、保存できる録画時間を増やすためにデータ容量の大きい microSD カードに差し替えたことにより、ドラレコから頻繁に「SD カードが初期化されていません」と音声が流れる原因と対応方法について紹介する。

ドライブレコーダーから SD カードを初期化するように音声が流れる原因と対応方法

1.ドラレコから「初期化されていません」の音声が流れる様子

ドラレコから「初期化されていません」の音声が流れる様子としては、「SD カードが初期化されていません」とドラレコ本体から音声が流れ、ドラレコ本体が microSD カードを正常に認識していないため録画ができていない状態である。

ドラレコ動作中に運転している様子


一度「SD カードが初期化されていません」の音声が流れ、しばらくして microSD カードを再認識した場合は自動的に録画を開始するので後から映像を見返した場合は断続的な動画となっている。

音声が流れるタイミングは不定期だが、約 10 分から 30 分ごとに流れることが多い。
ドラレコは定期的に録画した映像を別の動画ファイルに置き換える動作を行うが、その置き換えのタイミングで microSD カードの読み書きに失敗していると考えられる。

2.ドラレコから「初期化されていません」と音声が流れる原因

ドラレコから「初期化されていません」の音声が流れる原因としては、「microSD カードの故障」と「microSD カードがドラレコに合っていない」の 2 点が挙げられる。

また、正しくドラレコ本体に microSD カードが挿し込まれておらず、本体が誤認識していることもある。

2-1.microSD カードが故障している

ドラレコから「初期化されていません」の音声が流れる原因の 1 つに microSD カードが故障していることが考えられる。
録画した映像は microSD カードに書き込まれるが、書き込む領域に何等かの破損があると書き込みエラーとなり、リセットするためにドラレコ本体から初期化の案内が流れる。

microSD カードは消耗品のため読み書きを繰り返していると正常に動作しなくなることがあるため、パソコンやスマホに差し込んでもデータの読み書きができなければ故障と判断することができる。

2-2.microSD カードがドラレコに適合していない

ドラレコから「初期化されていません」の音声が流れる原因の 1 つに microSD カードがドラレコに適合していないことが考えられる。
走行中は常に動画とマイクから集音した音声を microSD カードに書き込むため、データの読み書き速度の能力が低い microSD カードは処理が追い付かずにエラーになることがある。



また、microSD カードは精密機器のため温度と湿度によって性能が左右されるため、耐久度の低い製品はドラレコ利用時に正常動作しないことがある。

そのため、microSD カード購入時は性能(仕様)を確認して、ドラレコや防犯カメラのように屋外利用に適合していなければ性能の高い microSD カードに交換することになる。

3.ドラレコから「初期化されていません」が流れた時の対応方法

ドラレコから「初期化されていません」の音声が流れた時の対応方法としては、microSD カードを初期化するか新たに買い替えることになる。

3-1.microSD カードを挿し直す

ドラレコから「初期化されていません」と音声が流れる場合は microSD カードが挿し込まれていることはドラレコ本体が認識しているものの、データ領域にアクセスできない場合がある。

ドラレコに挿す microSD カードの向き


そのため、再度、ドラレコ本体から microSD カードを取り出して挿し直して正しい接触状態にすることで改善する場合がある。
microSD カードをドラレコ本体に挿す場合は向きが決められており、日産の純正ドラレコの場合は上図のように金色の端子が上を向いた状態で挿し込む必要がある。

3-2.microSD カードを初期化する

ドラレコが microSD カードに録画データを書き込めるようになるためには microSD カードに不要なデータがあったり、特殊なファイルシステムでフォーマットされていると適合しないため、カードの初期化が必要になる。

ドラレコで利用する microSD を初期化するためには、パソコンで行う方法とドラレコ本体で行う方法の 2 通りある。

パソコンで microSD を初期化する場合は、パソコンまたは USB 対応のカードリーダーに microSD カードを差し込むと自動的に外部記録メディアとして認識する。
そこで Windows であれば「PC」の画面を開いて認識した microSD を右クリックして「フォーマット」を選択すると自動的に初期化が実行される。

また、ドラレコ本体で microSD を初期化する場合は、ドラレコ本体に microSD カードを差し込み、操作画面より初期化を行うと数秒で終了する。

操作画面はディスプレイ搭載タイプやカーナビに操作メニューが表示されるタイプといったドラレコの製品仕様により異なるため取り扱い説明書を確認して実施する。

3-3.microSD カードを買い替える

ドラレコで利用する microSD を初期化しても改善しない、もしくはパソコンなど異なる端末でもデータの読み込みができない場合はカードの故障と判断して別の microSD の製品に買い替える。

ただし、microSD にも安価な物から高価な物があり、ドラレコに適合した製品できなければ正常に利用できないため、次の点に注意して製品を購入する必要がある。

4.ドラレコに適さない microSD カードとは

microSD カードにはドラレコに適さない製品があり、主にデータの読み書きの速度が遅く、高温利用に適さない製品はドラレコの利用には不向きである。

最近ではスマホやゲーム機に利用できる安価な microSD カードを家電量販店のワゴンセールで手軽に購入することができる。
データ容量が 32GB から 64GB の microSD でも 1,000 円以下で販売されており、データサイズは大容量だがドラレコの利用には向いていないことが多い。

家電量販店で安価に販売されている microSD


上図はアイオーデータの 980 円で販売されていたデータ容量が 32GB の microSD カードとなり、データ通信速度を示す class は 4(4MB/秒)となっている。

ドラレコに上図の micorSD カードを差し込んで起動したところ、すぐに録画が開始されたものの約 10 分おきに「SD カードが初期化されていません」と音声が流れ、ところどころ録画できているものの、継続的な録画はできておらず、ドラレコに適合していない点が確認された。

5.ドラレコに適した microSD(MLC と TLC)の見分け方

ドラレコに適した microSD(MLC と TLC)の見分け方は、製品の外装などに掲載されている耐久度の記載から判断する。
microSD カードの耐久度には「SLC」「MLC」「TLC」の 3 種類の規格が存在する。

耐久性能は SLC > MLC > TLC と左に記載の方ほど性能が高くなり、SLC が高性能である。
製品によっては「SLC」「MLC」「TLC」の表記が無いことも多く、一般的に安価な microSD は屋外利用に向いていない TLC であることが多い。

そのため、SLC と MLC は TLC より性能と耐久性に優れ、振動・高温でも動作するドラレコや屋外の防犯カメラでの利用に適している。

しかし、前述の通り製品パッケージには MLC や TLC の記載が無いものが多く、高いお金で購入したものの実は TLC だったということもある。

それを防ぐために MLC か TLC かを見分けたいが、この規格は内部構造によるものなので外から見るだけでは判断できない。
また、製品パッケージに「耐温度」や「耐衝撃」とあるものが MLC とも受け取れるがその確証は得るのは難しい。

そこでドラレコ用に利用する場合は MLC の記載があるものや、ネットの購入者レビューでドラレコに利用実績がある microSD を選択しておきたい。

加えて、microSD は消耗品のため、データの読み込みを繰り返すことで劣化していく。
そこでそれぞれの規格で同じ領域にデータを書き込んだ耐久度が次の通りである。

  • SLC の耐久回数 – 約 100,000 回
  • MLC の耐久回数 – 約 10,000 回
  • TLC の耐久回数 – 約 1,000 回


一定の書き込み回数に達するとそれ以降は書き込みに失敗してエラーが出ることがある。
製品パッケージに読み書きの回数として 10,000 回以上の記載があれば MLC または SLC であると判断することも可能である。

もし microSD カードの容量を確実に増やしたい場合は、ドラレコを購入したディーラーなどから注文する方が安全である。
ただし、容量は 16GB までと大きいサイズが無かったり、16GB の microSD でも 10,000 円以上するなど高額なことが多い。

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