日産「セレナ」のディーラー車検で必要な料金と内訳、修理箇所を紹介


[初回公開] 2021年02月17日

新車で購入した車は 3 年後に初めての車検となり、その後は 2 年ごとに車検を受ける必要があり、自賠責保険や重量税など必ず必要な諸経費の他に、車検手続きの代行や部品交換などまとまった費用が必要となるが、ディーラーの方が安く済む場合があるため必要な料金と内訳について紹介する。

日産「セレナ」のディーラー車検で必要な料金と内訳、修理箇所を紹介

1.車検とは

車検とは、家庭や社用車で利用する一般的な四輪自動車に加え、排気量が 250cc を超える自動二輪車が車道を走行するために安全基準を満たしているか検査して認定許可を受ける義務のことである。
新車は購入から 3 年後に車検を受ける時期を迎え、以後は 2 年ごとに車検を受けなければならない。

車検とは


また、車検と同時に「自賠責保険」と車体の大きさに応じた「重量税」の徴収も同時に行われるため車検時には多額な費用がかかるイメージが持たれやすい。

加えて、車検では自動車または二輪車が安全基準を満たしているかの検査と、自賠責保険など必要な税金を支払う他に、毎年 5 月に自宅に郵送される自動車税の納税証明書も必要になる場合がある。

車検にて問題無いことが証明されると次の車検まで有効期限がある「車検証」とフロントガラスに貼る「車検証明シール」が発行される。

2.車検を受けることができる場所

車検を受けることができる場所は、一般的に自動車の整備を行うディーラーや個人で経営されている自動車工場、車検専門店である。
「ユーザー車検」と呼ばれる自動車の所有者自らが各地域の運輸局に持ち込んで車検証更新の手続きと検査を行うことも可能である。

ディーラーや自動車整備工場は車検に必要な点検や部品交換を行った後に、最終的には地域の運輸局に車検証の更新を行う。
そのため、ディーラーや車検専門店で行う車検とはユーザー車検を代行依頼しているものであり、支払う金額に「検査料」と「車検手続き代行費用」が別途必要になってくる。

3.日産「セレナ」のディーラー車検の費用と内訳

ディーラー車検の費用と内訳の例として、日産「セレナ」をディーラーで車検を受けた場合は 2021 年時点で下図のように自賠責保険など法定費用が 67,390 円に加えて点検費用が 30,240 円となり合計で 97,630 円となっている。

ディーラーから送られた車検費用の内訳


また、「自賠責保険」と「重量税」は年によって変動することがあり、2024年12月時点では下図のようになっている。

2024年時点の「自賠責保険」と「重量税」の金額

自動車整備工場などで行う車検に比べてディーラー車検の方が高いと言われる背景には、車検に必要な経費以外に代車を利用したり、故障前の予防措置として先行して交換される部品費用と工賃が上乗せされる点が挙げられる。

しかし昨今では車検を通すための必要最低限の部品交換しか行わず、それ意外は作業前に所有者に交換の有無を確認してから作業に取り掛かるディーラーが多いため、提案された交換項目を全て断れば、諸経費だけで車検が済む。

上図は車検案内時の見積であるため、部品交換が必要な場合はこれに上乗せされる。
セレナの場合は実際の車検の内訳は次のようになり、こちらで依頼した交換部品を含めても合計で 74,500 円で済んだ。

  1. 車検に必要な経費
    • 自賠責保険:21,550 円
    • 重量税:20,000 円
    • 印紙代:1,000 円
    • 代行手数料:9,900 円
    • ブレーキフルード交換:4,100 円
    • エンジン冷却水追加:1,760 円
  2. 必要に応じて交換した項目
    • 撥水洗車:3,850 円
    • オイル交換
    • オイルエレメント交換
    • ワイパーゴム交換(フロント・リア)

また、走行距離が多くなると交換が必要な箇所が増えてくる。
例えばバッテリーであったり、発電機ベルト、ブレーキパッドを交換すると下図の技術料と部品料が必要になる。

消耗品を交換した場合の金額

4.ディーラー車検で長期的に節約する方法

費用が高いと言われるディーラー車検だが、ディーラー車検の方が車検専門店よりも長期的に見ると節約して安く済ませられることがある。
それは、ディーラーで車を購入したときや、車検時にディーラーが提供するメンテナンスオプションに加入することである。

メンテナンスオプションとは、メーカーによって多少の内容の違いはあるものの、ほとんどが半年に 1 度に行うことができる定期点検とオイル交換の工賃が無料になるサービスである。

日産の場合は車検以外の 1 回の点検検査で数千円以上かかるが、メンテナンスオプションに加入していると車検までの数回の点検費用とオイル交換の工賃が無料になることを考慮すると車検専門店よりもディーラー車検の方が長期的に見ると安くなる。



また、ディーラーの定期点検ではブレーキパッドの減り具合を点検するためにタイヤを脱着する。
その際に夏用タイヤまたは冬用タイヤへの交換を依頼すれば交換費用も無料で行うことが可能である。

そのため、オイル交換の技術料とタイヤ交換費用をメンテナンスパックで補うとそれぞれ年2回ずつ行うと想定すると年間 20,000 円ほどの節約になる。

5.ディーラー車検のメリット

ディーラー車検のメリットとしては、メンテナンスオプションに加入しておくことで半年に 1 度程度で実施するオイル交換やタイヤ交換の費用を無料にすることができる。
タイヤ交換時はタイヤの劣化がないかや空気漏れしてないかなど車検以外の点も点検してくれるので走行していて急なトラブルに見舞われる確率が各段に減らすことができる。

また、定期的に点検しておくことで早期の異常発見率が高まり、悪化して修理費用が多額になることを避けることもできる。

メリットの多いディーラー車検だが、日頃から付き合いが無く、いきなり車検に持ち込むと点検検査費用や代車代が上乗せされる可能性があるので日頃からディーラーとの付き合いは続けておきたい。



ディーラーとの日頃の付き合いは車検だけでなく、代車費用が無料になったり、車の気になる点もオプション費用内で対応してくれることも多い。

実際に定期点検時に次の項目を無料で対応してもらったことがあり、ディーラーとの付き合いが功を奏すことも少なくない。

  • フロントガラスの油膜が市販品では落ちず、業者用の洗剤で落としてもらい、視界がクリアになった。
  • 車体のワックスが残っているのを業者用洗剤で落としてもらい、車体が綺麗になった。
  • 走行時に社内パーツが振動で音が鳴るのをネジの締め直しで静かになった。
  • ヘッドランプカバーの日光による黄ばみをコンパウンドで落としてもらい、車体が綺麗になった。
  • スライドドアの開閉不具合をオイルを塗ることでスムーズに動作するようになった。

6.年数経過で交換や修理が必要な箇所

車は年数が経過したり、走行距離が多くなると各所が消耗して部品交換が必要になっている。
そのため、普段の利用では支障が無くても車検でクリアするための条件を満たしていないと部品交換となるため走行距離が多いほど部品交換で費用が高くなる傾向がある。

走行距離に比例して交換が必要になってくる部品が次の通りである。

6-1.バッテリー

バッテリーはエンジンが駆動していなくてもドアロックの開閉やエンジンスタートで利用されるため、バッテリーに不具合があるとエンジンをかけることができない。
日産「セレナ」を始め、最近の車種はメインバッテリーとサブバッテリーの2つがあるため、交換となるとバッテリーが1つの車に比べると費用が2倍必要になる。

利用頻度にも左右されるが大よそ 60,000Km から 80,000km で交換となる。

6-2.ブレーキパッド

ブレーキパッドは走行している車が停止するために必要な部品である。
ブレーキをつかうたびに消費し、残量が 2mm ~4mm が交換時期となる。
残業が無くなり摩耗した状態だとローターを傷つけ、走行が困難になるので残量が少なくなった時点で交換が必要となる。

ブレーキを利用する頻度に左右されるが、大よそ 70,000km ほどで交換となる。

6-3.発電機のベルト

車のエンジンをかけるときはバッテリーの電力を利用するが、バッテリーは走行時にエンジンから発電機ベルト(オルタネーターベルト)を介して充電する。
バッテリーが十分に電力が保てていないとエンジンの始動以外に、アイドリングストップ時にヘッドランプが暗くなったりエアコンの動作不良を起こす原因となる。

発電機ベルト(オルタネーターベルト)は大よそ 80,000km で交換となる。

6-4.キーレスコントローラーの電池

最近の車はキーレスコントローラーが一般的だが、キーから電波を出すだめに電池が内蔵されている。
自分で電池を購入して交換が十分可能だが、ディーラーによっては点検または車検時に交換する場合がある。

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