[初回公開] 2021年03月26日
今も昔も携帯電話の機種変更で苦労するのが住所録などデータの移動で、ガラケの時代に比べるとスマホのデータの引っ越しは非常に簡単になっており、携帯ショップでは有料でサポートしてくれるが、自分で新しいスマホにデータを移動する手段の中で microSD カードとデータコピーアプリを利用した方法を紹介する。

このページの目次
1.スマホの機種変更で移行可能なデータとは
スマホの機種変更で移行可能なデータには、スマホで撮影した写真や動画といった他の端末でも利用可能な「汎用性のあるデータ」と住所録やメールの送受信の内容といったアプリに依存する「アプリ専用データ」の 2 種類に分類される。

「汎用性のあるデータ」として取り扱われる写真などファイル単体になっているデータは外部記憶媒体の microSD カードに保存して、それを新しいスマホに挿し込むだけで引き続き利用できる。
また、「アプリ専用データ」となる住所録など各アプリに保存されているデータはインターネット通信で一度サーバ(クラウド)に保存して新しいスマホでダウンロードするか、後述するデータコピーアプリでバックアップしてから新しいスマホに移動させる方法がある。
尚、LINE や X(旧:Twitter)などアカウント登録してログインが必要なアプリについては、新しいスマホでログインするだけで引き続き利用できるので機種変更時に特別な操作は必要無い。
ただし、パスワードを忘れてしまっている場合は古いスマホからでないとパスワード変更できないため、機種変更前に予めパスワードをメモしておくとよい。
2.一般的なスマホのデータを移し替える手段
一般的なスマホのデータを移し替える手段としては、バックアップ機能を利用する「アプリの機能を利用」する場合の他、アプリの機能で機種変更用に一次的にデータ保存してくれる「クラウドの利用」、そして USB メモリのように外部記憶媒体を利用して物理的にデータを移動させる「microSD カードの利用」の 3 点が挙げられる。
2-1.アプリの機能を利用する
機種変更でデータ移行する際に、アプリの機能を利用する場合はアプリにバックアップと、新しいスマホ側でバックアップしたデータを復元させる機能が備わっている必要がある。
ドコモが提供しているスマホの場合はデータコピーアプリがあるため、住所録やメール、スケジュールなど一括してバックアップして復元が可能となり、その流れは後述する。
2-2.クラウドを利用する
スマホの機種変更はよく行われることなので、スマホのアプリ提供者も機種変更を想定してデータのバックアップをサーバ(クラウド)に一次保存して、新しいスマホで復元できる機能を提供している。
操作方法はアプリによって異なるが、一般的にはアプリの設定画面で機種変更またはバックアップの項目から画面に沿って操作すると新しい機種へのデータ移行が完了する。
その際、利用者を特定するためにバックアップ用の認証コードや、Google アカウントを利用することがある。
2-3.microSD カードを利用する
スマホで撮影した写真や動画はスマホに挿してストレージ領域を拡張することができる microSD カードを利用するのが一般的である。
機種変更前の古いスマホで写真などのデータを microSD カードに移動させ、新しいスマホにデータが入った microSD カードを挿すだけで自動的に認識して引き続き利用することが可能である。
3.データコピーアプリとは
データコピーアプリとは、携帯キャリアのドコモが提供しているデータ移行専用のアプリで、簡単にデータのバックアップと新しい機種でデータの復元を行うことができる。

データコピーアプリを利用する時は機種変更の時だけでなく、日頃からデータのバックアップを取ることでスマホ本体が故障したり、本体ごと紛失しても大切なデータが無くなるリスクを減らすことができる。
尚、次の 8 種類のデータをデータコピーアプリでバックアップ、及び復元することができる。
ただし、一部のデータにおいてはスマホの OS やバージョンなど条件によりバックアップできない場合がある。
- 電話帳
- +メッセージ
- スケジュール/メモ
- 画像/動画
- 音楽
- メール
- ブックマーク
- 通話履歴
また、バックアップするためにはストレージの空き容量が利用中のデータ量と同程度必要となるため、大容量の microSD カードを必要とする場合がある。
4.データコピーに必要なもの
アプリ「データコピー」を利用して機種変更した新しいスマホにデータを移行するために必要なものとしては、データコピーアプリの他に microSD カードが必要になる。
データ移行時はバックアップしたデータを一度 microSD カードに保存して、その microSD カードを新しいスマホに差し替える。
そのため、 Google や Apple アカウントようにログインによるデータ連携ではなく、物理的なデータ移行となるため通信できない環境でも移動が可能である。
microSD カードの容量は特に問わないが、バックアップする画像や動画のファイルの数が多いとその分だけ必要となる空き容量も大きくなるので、本体の「設定 -> ストレージ」よりアプリ以外のデータ利用量を確認してから利用する microSD カードを選択するとよい。
5.データコピーで新しいスマホにデータを移動させる方法
データコピーアプリで新しいスマホにデータを移動させる方法としては、「バックアップ」と「復元」の 2 つの操作で完了する。
まず古いスマホで「バックアップ」を行い、microSD カードを差し替えた後に新しいスマホで「復元」する。
そのため、古い機種と新しい機種の両方にデータコピーアプリをインストールしておく必要がある。
5-1.アプリでデータをバックアップする
古いスマホでデータをバックアップするために microSD カードを挿した状態でアプリ「データコピー」を起動する。
アプリが起動すると下図のように「データ移行」と「バックアップ&復元」のボタンが表示されるため、「バックアップ&復元」をタップする。

次に「バックアップ」と「復元」などいくつかのボタンが表示されるため、「バックアップ」を選択する。

「バックアップ」を選択すると電話帳やスケジュールなどバックアップしたい種類が表示されるため、バックアップしたい対象を選択してからボタン「バックアップを開始」をタップする。

バックアップが開始されると上図のように順次 microSD カードに書き込まれるため micoroSD カードは抜かないようにと、スマホの電源が落ちないようにバッテリー残量には注意をする。
バックアップする対象のデータサイズにもよるが、64GB のストレージであれば 30 分から 90 分ほど見込んでおいたほうがよい。

バックアップが終了すると完了画面が表示されるので、この画面が表示されればアプリを閉じてよい。
5-2.microSD カードを新しいスマホへ差し替える
バックアップしたデータは microSD カードに保存されるため、古いスマホからカードを取り出して新しいスマホに挿し込む。
microSD カードを挿す場所はスマホによって異なるが、一般的にはスマホ本体の側面に挿し込み口があり、SIM カードと一緒に挿し込むアダプタに取り付ける。

アダプタに microSD カードや SIM カードに装着する場合は部品が小さいため落下による紛失に気を付けるとともに、金属端子部分を指で直接触れるとサビの原因になるので、できるだけプラスティック部分にのみ触れるようにして装着するとよい。
5-3.新しい機種にデータを復元する
バックアップデータを保存した microSD カードを新しいスマホに差し込んだ後は、新しいスマホ側でアプリ「データコピー」を起動する。
アプリ起動直後の「バックアップ&復元」のボタンをタップするところまでは前述と一緒だが、「バックアップ」と「復元」が表示される画面では「復元」を選択して実行する。
復元時はバックアップの時と異なり、5 分程度で終了する。
最後に、電話帳や画像などが新しい機種で表示されることを確認し、問題無く表示されればデータ移行の完了となる。
6.ガラケからスマホへのデータ移行する方法
一般的にガラケ(フィーチャーフォン)と呼ばれる、ドコモであれば第 3 世代移動通信方式(3G)の「FOMA」や携帯電話からインターネットやメールを利用できるサービス「iモード」があり、バッテリーの持ちが良い点と、機能が制限されてセキュリティ面で安全であることから今でも高齢者や企業の社用電話として利用されていることが多い。
しかし、ソフトバンクの 3G サービスは2024年4月15日(月)に終了され、ドコモのガラケは2026年3月31日(火)に終了となり利用できなくなる。
そのためサービス終了までにスマホに機種とプラン変更を行う必要があり、同時にガラケに入っている住所録などデータ移行も必要となる。
ガラケからスマホに機種変更した際のデータ移行についてもドコモであれば前述の「データコピーアプリ」を利用することで引き続きガラケのデータをスマホでも利用できる。

ガラケにはアプリをインストールする機能がないため、アドレス帳やメールなど個別に機能を開いて設定画面から画面操作に従ってバックアップを行う。
この時、バックアップは microSD カードを利用するため、予めガラケには microSD カードを挿しておく必要がある。
microSD カードに住所録やメールのバックアップが終了したらガラケから microSD カードを取り出し、データ移行先となるスマホに差し込む。
次いでスマホを起動してドコモのデータコピーアプリをを起動すると下図のように「データ移行」と「バックアップ&復元」が表示されるので、「バックアップ&復元」をタップする。

「バックアップ&復元」をタップすると下図の画面が表示されるため、「復元」をタップする。
復元に際しては復元可能な一覧が出てくるので、復元させたいデータにチェックを入れ、画面に沿ってタップするとスマホアプリ内の各アプリにデータが移行される。

復元が終了した後は、スマホの住所帳やメールのアプリを起動し、データ移行が完了しているか確認する。
ガラケによってはブラウザのブックマークやメモ帳を移行することもできるのでスマホで引き続き利用できるデータも多いため、ガラケ側で利用している機能があれば一通り確認して、データ移行可能であればバックアップしておくとよい。
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