スマートフォンに USB メモリを挿してデータを移動して利用する方法


[初回公開] 2017年04月10日

スマートフォンとパソコン間のデータ移動は USB ケーブルで直接行ったり、microSD カードでやり取りされることが多いが、USB ケーブルや microSD カードのスロットが無い場合にスマホに 端子が Type-A の USB メモリを挿してデータを移動する方法について紹介する。

スマートフォンに USB メモリを挿してデータを移動して利用する方法

1.スマートフォンで USB メモリを使うメリット

スマートフォンで USB メモリを使うメリットとしては、客先や出先でパソコンが無い場合や、USB ケーブルが無い場合に急遽データ移動させたい場合の応急処置として対応できる。
特にリモートワークや作業があるのが事前に把握している場合はパソコンやケーブル類などを予め持参することはできるが、打ち合わせや現地調査でスマホでダウンロードしたデータを相手やサーバに保存したい場合がある。

スマートフォンに USB メモリを挿してデータを移動して利用する方法


また、自宅にパソコンが無い家庭ではスマホ内の写真や動画をクラウド上ではなく手元にバックアップとして保存しておきたい場合は USB メモリや外付けの SSD にスマホから直接保存することが可能である。

その他、スマホ上でマウスやキーボードを利用したい場合も USB で接続することで指以外で操作することもできる。

2.スマートフォンに USB メモリを挿すために必要な物

スマートフォンに USB メモリを挿すために必要な物としては、スマホ側と USB メモリ側の端子の形状が異なるので変換するアダプタが必要になる。
最近のスマホの USB の端子は Type-C と呼ばれる角がない平たい形状が多い。

数年前の機種になると microUSB と呼ばれる上下の向きが決まった端子形状だったが、最近では利用が減っている。

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スマートフォンやタブレットに搭載されている USB 端子は Type-C で挿し込めるようになっており、電子機器の通称では「メス」と呼ばれる。
対して USB ケーブルや USB メモリのように端子が突出して挿し込める形状は「オス」と呼ばれている。

そのため、利用する変換アダプタはスマホ側に挿す方がオス、USB メモリなどを挿す側がメスである点に注意が必要である。
変換アダプタは家電量販店やインターネットで購入することができ、1 つあたり 400 円ほどで販売されている。

また、昔のパソコンと違いマウスやキーボードを利用する場合にドライバのインストールが不要なので、変換アダプタを介して接続するとスマホ側で自動的に認識して利用できるようになるのが利点である。

3.スマートフォンに USB メモリを挿してデータを移動して利用する方法

スマートフォンに USB メモリを挿してデータを移動して利用する方法としては、USB の変換アダプタを利用してスマホと USB メモリを接続した後に、スマホ側で USB メモリを認識させるために開発者モードを起動する必要がある。

USB 変換アダプタを使うと、マウスやキーボードであればすぐに認識して利用できるのだが、スマートフォンの場合はデータ漏洩防止のセキュリティのためすぐに利用できないようになっている。
開発者モードの開始から、データを移動させて終了するまでの一連の流れが次の通りである。



尚、利用する端末は SONY の SO-04E で、Android OS のバージョンは 4.2.2 である。
バージョンは古いが、新しい Android OS でも操作手順は同様となっている。

3-1.Android で開発者モードを開始する

まず最初に Android で開発者モードを開始する。
開発者モードとは、Android のアプリ開発者向けのテスト機能等が利用できるようになっている。

一般的に利用すると動作しないなどの悪影響もあるので通常は利用できないように非表示にされているが、このモードにしなければ USB メモリを挿しても認識しない。
開発者モードにするためには、「設定 -> 端末番号」に移動し、下図の画面下部にある「ビルド番号」を 7 回タップする。

「ビルド番号」を 7 回タップ


3-2.開発者オプションを開く

「ビルド番号」を 7 回タップすると開発者モードになり、「設定」の各種項目の中に新たに「開発者オプション」が追加される。
そのため、次にボタン「開発者オプション」をタップする。

ボタン「開発者オプション」をタップ

3-3.USB デバッグを有効化する

ボタン「開発者オプション」をタップすると下図のようにスマホアプリ開発者向けの機能が利用できるようになる。
ここで USB メモリを利用するために「USB デバッグ」にチェックを入れる

「USB デバッグ」にチェック


3-4.USB メモリをスマホに挿す

スマホを開発者モードにして USB デバッグが利用できる状態になったところで、スマホに USB メモリを挿す。
USB メモリとスマホ側で USB の端子の形状が異なるので、前述の USB 変換アダプタを利用する。

USB メモリを挿すとスマホが自動的に認識して、ステータスバーに USB のマークが表示される。

3-5.USB メモリ内のデータを選択する

スマホが USB メモリを認識した時点で、デバイス間で自由にデータの移動が可能になる。
Windows などパソコンであればフォルダを開いてデータをドラッグしたり、コピー&ペーストすることでデータ移動が可能だが、スマートフォンやタブレットの場合は、アプリ「フォルダ」などファイル一覧を操作するアプリを利用する。

ファイル操作アプリでデータを選択する


今回は無料でインストールできる「ASTRO ファイルマネージャ」を利用してスマホから USB メモリにデータを移動させる。
「ASTRO ファイルマネージャ」や「フォルダ」などスマホ内のファイルを操作するアプリを起動するとフォルダの一覧が表示されるため、データ操作したい場所に移動し、対象のファイルをタップしてメニューを開いて「コピー」を選択する。

アプリによってはファイルを長押しするとメニューが表示される場合もある。

3-6.スマホと USB メモリ間でデータを移動する

移動させたいスマホ内の写真や動画ファイルを選択して「コピー」をタップした後に、USB メモリのフォルダに移動して「貼り付け(ペースト)」することでデータ移動が完了する。

ファイル操作アプリでデータを移動させる

USB メモリのフォルダに移動する場合は「/mnt/storage」を選択する。
ファイル操作アプリの上の階層まで移動して mnt を選択するか、選択中のデバイスの切り替えを行う。
各デバイスのフォルダ階層は次の通りである。

  • /mnt/storage – USB メモリや SD カードなど外部ストレージのデータ保存場所
  • sdcard0 – スマホ本体のデータ保存場所
  • usbdisk – USB メモリのデータ保存場所


3-7.USB メモリの接続を解除する

データの移動が終了した後は、スマホから USB メモリを抜くために接続を解除する。
解除せずに USB メモリを抜いても問題無いことがあるが、故障やスマホの動作が不安定になる可能性があるため手間でも解除操作を行うことをお勧めする。

「USB ストレージのマウント解除」をタップ

USB メモリの接続を解除するためにはスマホの「設定 -> ストレージ」を開き、「USB ストレージのマウント解除」をタップする。
ここで注意が必要なのは、ストレージの項目には「SD カード内のデータを削除」など SD カード関連の項目もあるため、間違って触らないようにする。

マウントの解除が終われば、USB メモリをアダプタから抜く。

3-8.Android の開発モードを終了する

最後に、スマホを開発者モードを終了する。
開発者モードのままだと、うっかりタップして設定を変えてしまう恐れがあるので、こちらも一手間かかるが解除操作することをお勧めする。



スマホの「設定 -> アプリ」を選択して、インストール中の全てのアプリ一覧の中から「設定」を選択する。
アプリ一覧から「設定」をタップすると下図のように操作画面が表示されるので、ボタン「データ削除」を選択することで 「開発者モード」が解除される。

ボタン「データ削除」を選択

この一連の流れで出先などパソコンが無く、スマホと USB メモリしかない状況下でもデータの移動が可能になる。

注意点として、USB メモリのファイルシステムが NTFS では「空または不明」と表示されてスマホが認識できない。
必ずスマホに挿す USB メモリは「FAT32」でクイックフォーマットして使うようにしなければならない。

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