スマホやタブレットは外出先でバッテリー切れが発生しても充電できるようにモバイルバッテリーが販売されているが、最近ではビジネスシーンや大学の講義でノートパソコンを利用することも多くなり、出先でノートパソコンのバッテリーが少なくなった場合に高出力モバイルバッテリーを利用して充電する方法を紹介する。
このページの目次
1.外出先でもノートパソコンの利用シーンが増えた理由
外出先でもノートパソコンの利用シーンが増えた理由としては、「HDMI の普及」と「オンライン会議の普及」が挙げられる。
「HDMI の普及」とは、ノートパソコンの関連機器として外付けのディスプレイがあるが、従来であればシリアル端子ケーブルでパソコンとディスプレイをつなげていたが、最近では HDMI 端子が一般的になり、家庭用パソコンや安価なディスプレイが簡単に手に入るようになった。
そのため、客先で会議やプレゼンを行う場合に情報共有用に外部ディスプレイを利用する機会が増え、ノートパソコンを外出先に持ち出すことが増えている。
また、「オンライン会議の普及」はコロナ禍で対面で会議や商談を行うスタイルからインターネット上でテレビ会議を行うスタイルが一般的になっている。
客先に出向かずとも会議ができるため、自社内だけでなく車など移動中でも会議ができるためビジネスシーンにおいては時間の有効活用化としてよく利用されている。
加えて、今ではパソコンが利用できるのが当たり前の社会になっているため、IT リテラシー教育のため大学ではパソコンを学生に購入させる学校が一般的である。
大学でも情報系の講義が取り入れられていたり、課題提出をオンラインで行われているが、学校にいる間にノートパソコンのバッテリーが切れることがあり、スマホやタブレットのようにノートパソコン対応のモバイルバッテリーの需要が高まっている。
2.ノートパソコンがバッテリー内蔵になった背景
以前のノートパソコンはバッテリーが取り外せるようになっており、充電済の予備バッテリーを用意しておくことで外出先でバッテリー切れになっても、予備バッテリーに付け替えることで継続して利用することができていた。
しかし最近ではバッテリーがノートパソコン本体から取り外すことが出来ないものが多い。
その背景には、ノートパソコンの「軽量化」と「持ち運びやすさ」が重視されているからである。
最近のノートパソコンは A4 サイズ程度で非常に軽く、カバンに入れて持ち運ぶことを想定して各社メーカーが製造しているため、バッテリーも小型化されるとともに、バッテリーの取り外しの機構を入れることで重量と本体が厚くなるため内蔵型となっている。
ノートパソコンの利用も前述した通り、外付けのディスプレイに映して利用することが多くなったため、ノートパソコンの画面が小さくてもビジネスシーンに取り入れられることが増えている。
3.ノートパソコンを充電する方法
小型化、薄型化で持ち運びしやすくなったノートパソコンだが、外出先でバッテリー切れになり困る点は今も変わりない。
そこでノートパソコンを充電する方法として、次の通りである。
3-1.AC アダプタでコンセントから給電する
ノートパソコンを充電・給電するためには社内、自宅問わず、従来通り AC アダプタでコンセントから電力を供給するのが 1 つである。
最近では新幹線の席にもコンセントが用意されていたり、車のシガーソケットに 85W 出力可能なコンセントを取り付けられるなど充電できる場所が増えている。
ただし、客先の会議や商談中に客先の資産となる電気を拝借するのは失礼にあたることがあるため、ノートパソコンのバッテリーはフル充電か、次のモバイルバッテリーを利用するとよい。
3-2.高出力モバイルバッテリーで充電する
最近のノートパソコンは USB の Type-C の端子で充電できる製品が多く、スマホやタブレットと同じようにモバイルバッテリーで充電することが可能である。
しかし、スマホの充電に必要な電力(ワット数)は 20W、タブレットで 45W に対して、ノートパソコンは 65W 必要となる。
そのため、スマホ用の数千円のモバイルバッテリーではノートパソコンを充電するための電力が足らず、充電できない。
そこで、ノートパソコンの充電にも対応できる高出力モバイルバッテリーを利用する。
4.ノートパソコンが充電できる高出力モバイルバッテリーとは
ノートパソコンが充電できる高出力モバイルバッテリーとは、数千円程度の安価で軽量なモバイルバッテリーではなく、しっかりとしたバッテリーである。
スマホ用のモバイルバッテリーの出力は 20W から 45W 程度だが、ノートパソコンにも対応したモバイルバッテリーは 65W の出力が必要になる。
そのため、各社メーカーもあまり製造していないが、パソコン関連機器を製造販売する Anker からノートパソコンも充電できる高出力モバイルバッテリーが販売されており、Anker 537 Power Bank の仕様等が次の通りである。
製品のサイズは 約160 x 85 x 26.5 mmとスマホにしか対応していないモバイルバッテリーに比べると大きく、重量も約 500g と 500ml のペットボトル 1 本分の重さとなる。
内容物は次の通りで、一般的なモバイルバッテリーと一緒だが、同梱されているケーブルの両端がどちらも USB Type-C なので、社内や自宅のコンセントから充電したい場合は USB Type-C 用のコンセントアダプタが別途必要になる。
- モバイルバッテリー本体
- USB Type-C & USB Type-C ケーブル (0.6m)
- 取扱説明書
- キャリングポーチ
販売価格は家電量販店で税込 11,000 円ほどとスマホ・タブレット用に比べると高出力であるため高額となっている。
高出力モバイルバッテリー Anker 537 Power Bank のインターフェイスは上図のように側面に 3 つの USB ポートが用意されている。
いずれのポートも電力をモバイルバッテリーから出力するものとなっており、「OUT」の文字が印字されている。
左端が USB Type-A、右側に USB Type-C が 2 つあり、同時に 3 つの機種に電力が供給できる。
モバイルバッテリー自身を充電したい場合は、3 つのポートの右端の USB Type-C の「IN」の文字が印字されているポートから行う。
USB Type-C での充電なので、スマホで利用している充電ケーブルや、ノートパソコンを介して充電することも可能である。
Anker 537 Power Bank のバッテリー残量を確認する場合は、本体にある円形のボタンを押すと上図のようにボタン円周上の LED が点灯する。
全ての LED が店頭していればバッテリー残量は十分であるが、利用するたびに残量が減ってくると、点灯する LED の数も減ってくる。
半分以上のバッテリー残量がある中で充電するとバッテリーの劣化が進むので、モバイルバッテリー利用時はバッテリーが空にするか、残量 20% 以下になってから充電するようにすると劣化せずに長期的に利用することができる。
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