[初回公開] 2011年05月27日
以前はテレビ放送やビデオカメラで録画した映像は VHS などビデオテープに保存することが主流で未だに家庭内に保管されている人は少なくないが、ビデオデッキの生産終了に伴い再生プレイヤーを入手する機会が減っている中で、映像を動画ファイルに変換してパソコンやスマホで再生できるようにする方法を紹介する。
このページの目次
1.ビデオテープの映像を動画ファイルにする必要性
ビデオテープの映像を動画ファイルにする必要性としては、再生に必要な「ビデオデッキの入手が困難」な点と「ビデオテープの劣化」の 2 点が挙げれる。
また、再生するごとに汚れるビデオデッキ内のヘッドを綺麗にするビデオクリーナーなどビデオ関連の製品が生産を終了していることからいつまでもビデオテープが再生できる環境では無くなってきている状況である。
そのため、ビデオテープの映像が綺麗に再生できる内にデータ化することで、映像にノイズが入るなど劣化させることなく長期保存することができる。
1-1.ビデオデッキの入手が困難化
ビデオテープに保存されている映像を再生するためにはビデオデッキが必要になるが、そのデッキの生産を終了しているメーカーが多いことと、生産されていても家電量販店などで取り扱っていないため、入手が困難になってきている。
また、ビデオデッキを購入して保存していても時間が経過するとヘッドが汚れるなどして、綺麗な映像でビデオテープを再生できなくなる。
1-2.ビデオテープの劣化
ビデオテープも本などと同じで空気に触れていると劣化するため、再生時の映像にノイズが入るようになっている。
また、温度や湿度にも左右され、適切に保存していても 20 年から 30 年ほどの寿命と言われている。
2.ビデオテープの映像を動画ファイルに変換する方法
ビデオテープの映像を動画ファイルに変換する方法は、ビデオデッキをパソコンに接続してパソコン上で再生させ、その映像をキャプチャ(録画)する。
2-1.ビデオをデータ化するのに必要なもの
ビデオテープの映像をデータ化するのに必要なものとしては、次のビデオデッキを始め次の通りである。
ビデオデッキとパソコンを接続するケーブルには GV-USB2 を利用し、パソコンでキャプチャ(録画)するソフトウェアには LightCapture を利用している。
- ビデオデッキ – ビデオテープの再生
- ビデオテープ – 動画ファイルにする元の映像
- パソコン – 映像の再生と録画
- キャプチャケーブル – ビデオデッキとパソコンを接続
- キャプチャソフト – パソコンで再生する映像を動画ファイル化
キャプチャケーブルには GV-USB2 を利用し、この製品はほぼケーブルで構成されている。
ケーブルの片方はパソコンに接続するための USB 端子となっており、その反対側はビデオデッキやテレビに接続する S 端子と赤黄白の AV 端子となっている。
GV-USB2 は店頭では 3,200 円前後、インターネットでは 4,700 円前後で販売されており、仕様は次の通りである。
項目 | 仕様 |
---|---|
対応 OS | Windows 10/8.1/8/7/Vista/XP(SP2以降) |
入出力端子 | S ビデオ入力端子(ミニDIN 4ピン)× 1、AV 入力端子× 1、USB 2.0 × 1 |
サイズ/重量 | 約18.2(W) × 57.4(D)×13.0(H)mm(ケーブル部除く) / 約50g / ケーブル長:パソコン接続側(約50cm) / ビデオ入力側(約15cm) |
内容物 | ・GV-USB2 本体× 1 ・サポートソフト CD-ROM × 1 ・取扱説明書 × 1 |
2-2.GV-USB2 のドライバをインストール
ビデオテープの映像を動画ファイル化するために、まず最初にパソコンに GV-USB2 がつなげて認識するようにドライバをインストールする。
ドライバは GV-USB2 に同梱されている CD-ROM をパソコンにセットするだけでよい。
また、ドライバをインストールすると同時にキャプチャソフトの LightCapture も一緒にインストールされる。
2-3.GV-USB2 でビデオテープとパソコンを接続
次に、GV-USB2 をビデオテープとパソコンに接続する。
パソコン側には GV-USB2 の USB 端子を挿し、ビデオデッキ側には AV 端子と同じ色の箇所にプラグを挿し込む。
2-4.LightCapture を起動する
ビデオデッキで再生した映像はパソコンに送られるが、その映像を映して保存するソフトとして LightCapture を利用するためこのソフトを起動する。
2-5.ビデオテープを再生してキャプチャする
最後に LightCapture を起動した状態でビデオデッキを再生するとパソコンの LightCapture ウィンドウ内でビデオテープの内容が再生される。
LightCapture を起動した様子が上図となり、GV-USB2 をパソコンに接続していない状態で LightCapture を起動すると「GV-USB2 が認識しません」と警告表示が出る。
そのため、警告表示が出た際はキャプチャケーブルの接続に間違いがあったり、接触不良がないかを確認する。
尚、GV-USB2 がパソコンと接続した状態であれば、ビデオデッキを再生していない停止状態やデッキの電源が入っていない状態でも LightCapture を起動することができる。
映像が流れている状態で画面下部のボタン「録画」をクリックすると動画ファイルに保存を開始する。
ビデオテープの映像が終了すればボタン「停止」をクリックすることで動画ファイルへの変換が終了する。
3.動画ファイル変換時の注意点
動画ファイル変換時の注意点としては、「動画形式」と「動画サイズ」の 2 点が挙げられる。
ビデオテープから変換した動画ファイルの形式(フォーマット)が下図のように MPEG2 固定となっている。
そのため、パソコンで取り込んだ動画ファイルを DVD に保存した後は多くの再生プレイヤーで再生が可能だが、スマートフォンや一部の再生プレイヤーでは MPEG2 のままだと再生できない場合があり、その場合は別途、MP4 など違うフォーマットに変換し直す手間が必要となる。
また、LightCapture の仕様で動画サイズは 720 × 480px の固定となっているため、高解像度のパソコンのディスプレイやテレビで動画ファイルを再生すると間延びして画質が荒くなり鮮明な映像で視聴できない。
さらにキャプチャ時はアスペクト比 4:3 固定のため、デジタル放送以前のアナログテレビで録画したビデオテープやプロモーションビデオ向きとなり、デジタル放送が開始された以降の 16:9 の比率となるワイド対応で録画したものは横から押しつぶされた形となり、やや縦長な動画になってしまう。
しかし、より高画質で保存したい場合や、スマートフォン用に保存したいなど細かな調整をして動画ファイル化したい場合は付属のキャプチャソフトである LightCapture ではなく、他の無料で配布されているキャプチャソフトに変えて動画ファイルとして取り込むことができる。
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