[初回公開] 2008年02月19日
2011年にテレビで用いられていたアナログ放送が終了してデジタル放送に切り替わり、現在では地上デジタル放送に対応したテレビやレコーダーしか販売されていないが、デジタル放送には B-CAS カードが必要となり、譲渡する場合など返却もしくは破棄となるため処分方法について紹介する。

このページの目次
1.アナログ放送からデジタル放送への移り変わり
昭和の時代から平成にかけて長らく利用されてきたテレビのアナログ方法は 2011 年に終了してデジタル方法に切り替わった。
アナログ放送が終了する数年前からアナウンスされるとともに、移行期間として先行してデジタル放送に対応したテレビやレコーダーの販売が開始した。
テレビはアナログ放送でもデジタル放送でもアンテナケーブルが必要となるが、デジタル放送に限ってはデジタル放送の受信に必要な B-CAS カードがテレビ本体に装填されている必要がある。
また、アナログ放送が終了する当時の地デジ対応 HDD-DVDレコーダーは保存容量が 250GB のもので 60,000円 前後で販売されており、ビデオデッキと違い番組を本体内に保存する新しいスタイルになっただけでなく、レコーダーも B-CAS カードが同梱されていたのも新しい取り組みである。
2.B-CAS カードとは
B-CAS(ビーキャス)カードとはテレビや番組録画レコーダーなどデジタル放送の受信チューナーが内蔵された機器に同梱されているカードである。
BS 放送と 110 度 CS 放送、地上デジタル対応受信機には赤色カード、地上デジタル専用受信機には青色カードといった B-CAS カード内でも種類が存在する。
一般的には BS・CS 対応機器が多いため、赤色の B-CAS カードが同梱されていることが多い。

B-CAS(BS Conditional Access Systems)カードは、ビーエス・コンディショナルアクセスシステムズ社が提供しているもので、テレビやレコーダーの購入時に同梱されているものの、貸与という扱いになっている。
B-CAS カードは取扱説明書などと一緒に入っており、カードを台紙から外した時点で契約約款に同意したものと見なされる。
しかし、テレビの視聴や録画レコーダーで番組録画するためには B-CAS カードが挿さっていなければ放送を受信できないため、契約約款の同意は半ば強制的である。
尚、B-CAS カードを未挿入で番組視聴しようとすると「このネットワークにはテレビサービスはありません。」と表示されて番組の視聴はできないようになっている。

また、2009年秋頃から mini B-CAS カードの運用が始まり、2024年時点でもテレビや番組録画レコーダーを購入すると上図のように B-CAS カードが小型化されたバージョンが同梱されている。
3.B-CAS カードの登録の連絡方法
B-CAS カードには登録通知用のハガキも同梱されていることがある。
これは B-CAS カード所有者への連絡等を目的にビーエス・コンディショナルアクセスシステムズ社が管理するとともに NHK や WOWOW など CS デジタル放送事業者と情報共有されるものである。
実際の利用においてはユーザ登録しなくても各機器に B-CAS カードを挿せば利用できるとともに、2011年4月以降は B-CASカードの台紙に付いているユーザー登録はがきでのユーザー登録は不要になった。
4.B-CAS カードの処分方法
B-CAS カードを破棄またはテレビを譲渡する場合の B-CAS カードの取り扱いは、B-CAS 社のカスタマーセンターに連絡してカード返却の手続きをするか、利用者自身でカードをハサミなどで切断して破棄する。
自身で破棄する場合は B-CAS 社への連絡は不要であるが、誤って破棄したり破損させた場合は連絡して有償での再発行となる。

注意点として、地上デジタル放送の他に BS・CS 放送も同時に利用している場合は B-CAS カードの番号変更手続きが必要となるため、破棄する前に契約中の BS・CS の窓口やウェブサイトから新しい B-CAS カードの番号を入力して切り替えてから破棄する必要がある。
4-1.B-CAS カードを返却する
テレビや番組録画レコーダーに同梱されている B-CAS カードをユーザ登録している状態で本体を譲渡したり廃棄する場合は、B-CAS 社のカスタマーセンターに連絡してカード返却の手続きをする。
しかし、最近では返却手続きせずとも後述の廃棄方法での処分が一般的となっている。
4-2.B-CAS カードを切断して廃棄する
デジタル放送の受信が可能なテレビやレコーダーを廃棄する場合は、B-CAS カードの金属面をハサミやニッパーで切断して廃棄する。
カードを装填して使えなくすればよいため、ペンチで金属部分を折り曲げるなどでもよい。
5.消えゆく B-CAS カード
2018年12月に始まった 4K・8K 放送に対応する CAS テレビ番組を録画するレコーダーは B-CAS カードの代わりに ACAS チップが本体に内蔵されており B-CAS カードが同梱されていないことが増えてきている。
ACAS 内蔵のテレビやレコーダーで有料放送を視聴・録画するには、ACAS での放送局との契約が必要となる。
ACAS 内蔵の機器を破棄する場合は B-CAS カードを自身で破棄するのに対して、事前に ACAS 番号の変更または解除が必要になるので注意が必要である。
また、NHK の受信機変更連絡、WOWOW や BSスカパー!など B-CAS カードで契約中で変更が必要な場合は、契約中の放送局に問い合わせた上で、所有中の B-CAS 番号から ACAS チップ番号へ変更手続きを行わなければならない。
CS デジタル放送の視聴に必要な C-CAS(シーキャス)カードから B-CAS や ACAS に切り替える場合も各放送局への手続きが必要になるので、各放送局のウェブサイトで手続きを確認する。
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