[初回公開] 2020年01月02日
ストレージをハードディスク(HDD)から SSD に換装するとパソコンの処理速度を上げることができるが個人では対応が難しいと感じる人が多い中、部品(ハードウェア)の付け替えと OS やソフトウェアを再インストールすることなくそのまま SSD にコピーする方法について紹介する。

このページの目次
1.HDD から SSD に交換するメリット
HDD(Hard Disk Drive)から SSD(Solid State Drive)に交換するメリットとしては、故障率の低さとデータの読み書きの高速化が挙げられる。
HDD は回転する円盤に磁気でデータを読み書きしており、磁気ヘッドと呼ばれる音楽レコードの針のような部品が用いられているがこれが強い振動や長時間利用の劣化で故障しやすい。
対して SSD は USB メモリーと同じように内蔵しているメモリーチップに電気信号でデータの読み書きしているため、振動に強く故障率が低い。
また、HDD は磁気ヘッドが移動する分、データの読み書きに時間がかかるが、SSD は物理的な移動時間が無いため高速処理が可能になっている。
2.HDD から SSD に換装するために必要な物
HDD から SSD に換装するために必要な物としては、SSD を含む次の 3 点があれば数時間もあれば作業が完了する。
- SSD
- 2.5 インチ対応の外付けケース
- OS コピーソフトウェア
SSD は単体では家電量販店等では販売されていないため、インターネットからパソコンパーツを取り扱っている店舗で購入する。
後ほど OS を含めて HDD のデータをそのまま SSD にコピーするため、ストレージの容量は HDD よりも大きいサイズを選択したほうがよい。
また、SSD をパソコンに挿し込む端子の形状も確認しておく必要がある。
最近では SATA と呼ばれる板状の端子が主流になっているが、利用中のパソコンの HDD を取り外してピン状(シリアル)になっていれば SSD 購入時に注意が必要である。
次に HDD のデータを SSD にコピーするためにストレージ用の外付けケースを用意する。
SATA に対応した USB ケーブルがあればよいが、外付けケースのほうが取り外した HDD の保管を兼ねてケーブル込みで揃うのでよい。
最後に OS コピーソフトウェアは HDD から SSD に OS と個人のデータファイル全てを SSD にコピーすることができ、SSD または外付けケースに付属されていることが多いため改めて購入する必要は少ない。
3.HDD から SSD に換装してデータをコピーする方法
HDD から SSD に換装してデータをコピーする方法としては、外付けケースに SSD を挿し込んだ状態で HDD から SSD にデータをコピーする。
データコピーが終了すれば実際に HDD と SSD を取り換えるだけで、電源を入れると今まで通りパソコンを利用することができる。
具体的な換装の流れは次の通りである。
3-1.SSD を外付けケースに装着する
まず最初に SSD を下図のように外付けケースに装着する。
最近のケースはネジ止めといった工具が不要となっており、手でケースの蓋の開閉から SSD や HDD の部品の脱着が可能になっていることが多い。

3-2.SSD を外付けの記録メディアとしてパソコンに接続する
SSD が入ったケースに付属の USB ケーブルを使ってパソコンに接続すると USB メモリや外付けディスクのように記録メディア(外部ストレージ)としてデータの読み書きができるようになる。
しかし、フォーマットされていない SSD や HDD の場合は下図のようにパソコンに接続しても何も表示されない。
そのため、パソコンが認識できるように初期化(フォーマット)とパーティションの設定の必要がある。

3-3.SSD のパーティションの設定とフォーマットを実行
パソコンに接続した SSD を OS に認識させるためにパーティションの設定とフォーマットを実行する必要があり、まずは「スタートメニュー -> Windows管理ツール -> コンピュータの管理」を選択してウィンドウ「コンピュータの管理」を開く。
コンピュータの管理のウィンドウが開けば左のツリーから「記憶域 -> ディスクの管理」を選択すると OS が入っている「ディスク 0」とは別に「ディスク 1 不明」と表示されているのがわかる。

「ディスクの管理」を選択すると同時に下図の「ディスクの初期化」のウィンドウも表示されるので MBR(マスターブートレコード)にチェックが入った状態でボタン「OK」をクリックする。

ディスクの初期化が終了すると「ディスク 1 不明」から「ディスク 1 ベーシック」に変わっているのが確認できる。
しかし、この状態ではまだ外部ストレージとして使えないため、OS がデータが書き込めるようにボリュームの設定を行う。
「ディスク 1 ベーシック」の箇所にマウスカーソルを合わせ、右クリックしてメニューを表示する。

メニュー内の「新しいシンプルボリューム」をクリックすると、「シンプルボリュームウィザードの開始」が表示される。

ボリューム作成のためにいくつか設定を行うが、まずはボリュームサイズを設定する。
接続している SSD の領域が自動的に表示されるので、複数に書き込み領域を分ける必要が無ければこのままボタン「次へ」をクリックする。

次に OS が外部ストレージとして認識した際に表示するドライブ名を指定する。
ドライブ名はパソコン内臓の HDD は C ドライブとなっているようにアルファベット 1 文字で設定することとなり、利用していないアルファベットを指定してボタン「次へ」をクリックする。
こちらも特に指定が無ければ自動で設定されているものを利用する。

最後に「このボリュームを次の設定でフォーマットする」にチェックを入れてファイルシステム等を確認した上でボタン「次へ」をクリックする。

ここまでの設定でフォーマットする準備が整ったのでボタン「完了」をクリックするとフォーマットが実行される、。

フォーマットが完了すると「ディスクの管理」の画面で SSD が『未割り当て』だったのものが『ボリューム』に変わり、ストレージサイズも表示されるようになる。

ドライブ一覧を見てもさきほどは表示されなかった SSD が E ドライブとして追加されているのが確認でき、データの読み書きができるようになる。

3-4.コピーソフトを使って HDD の OS データを外付けの記憶メディアにコピーする
パソコンに SSD を外部ストレージとして認識されるようになれば、コピーソフトを使って HDD の OS データを外付けの記憶メディアにコピーする。
今回は外付けの 2.5 インチケースにコピーソフトとして付属されていた「HD 革命」を利用する。
尚、この外付けケースでは「HD 革命」のシリアルがケースに貼られており、このシリアルを使って「HD革命」をダウンロードする。
この時にインストール時に利用するシリアルが表示されるので、「HD 革命」が利用できるまでには計 2 つのシリアルが必要になる。
「HD 革命」をインストールした後は OS の再起動が必要になり、再起動後はパソコン内のデータを確認するために 15 分ほど処理に時間を要す。

「HD 革命」を起動すると、上図のように操作するメニュー画面が表示される。
画面左上にあるボタン「ハードディスクのコピー」をクリックすると、次にコピー元のディスクとコピー先のディスクを選択する画面が表示される。

左欄のコピー元ハードディスクは利用中のドライブとなるので「ハードディスク 0」にチェックを入れると、下図のように右欄のコピー先のディスクに「ハードディスク E」が自動的に入力される。

最後ににボタン「次へ」をクリックすると HDD から SSD へ OS のコピーが開始される。
この時、OS だけでなくインストールしたソフトウェアや個人で保存した画像や動画、デスクトップのアイコンの位置など全ての情報が SSD にコピーされる。
3-5.外付けケースから SSD を取り出す
HDD から SSD への OS のデータコピーが終了すれば、外付けケースとパソコン間の USB ケーブルを抜いて通信されないようにする。
そしてパソコンにある HDD と SSD と取り換えるために外付けケースから SSD と取り出す。
3-6.パソコンの HDD を SSD と交換する
パソコンの HDD を SSD と交換するためにはパソコンの電源をシャットダウンして、HDD が止まっている状態にする。
次にパソコンの蓋を工具を使って開け、HDD を取り出す。
ノートパソコンの場合は下図のように本体の裏から取り出せるようになっており、HDD 自体もネジ留めされている。

取り出した HDD を見てみると、振動による HDD の故障を防ぐために振動防止のゴム製のガイドパーツが付いていることがあるため、こちらも工具を使って HDD から外す。
直接 HDD が本体に装着されている場合は

HDD から外したガイドパーツを次は SSD に装着し、ノートパソコンに取り付ける。
最後にノートパソコンの背面パネル等を元通りにして電源ボタンを押してパソコンが起動することを確認する。

「HD 革命」による OS のコピーと SSD の装着に問題が無ければ HDD の時と同じように Windows の起動画面の後にログイン画面が表示される。
HDD の時は Windows までの起動に数分かかっていたものが、SSD により数十秒で表示されるのが確認できる。
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