[初回公開] 2007年12月05日
パソコンを利用した業務でリスクとしてよく挙げられるのがパソコンの故障で、メモリや電源回りであれば部品交換で済むがハードディスクや SSD といったデータの記憶媒体が故障すると保存していた全てのデータを失ってしまい損失が大きいため、記憶媒体の予備パーツを持つ必要性と予備パーツ(バルク品)を外付けストレージして有効活用する方法を紹介する。
このページの目次
1.バルク品とは
バルク品とは、簡易包装で安価に販売されている商品のことである。
主にパソコンパーツに対して総称されることが多く、パソコン専門店やインターネットでの購入することができる。
注意点としては家電量販店で販売されている製品のようにメーカー保証や取扱説明書がないが、粗悪品という意味ではないので安心して利用できる。
特にメモリはパソコンのスペックアップに利用され、ハードディスクや SSD といったストレージは予備として持っておくと故障時に困ることが無くなる。
2.ハードディスクと SSD の予備パーツ(バルク品)を持つメリット
パソコンを利用した業務の場合、故障時に備えて予備のパソコンをもう 1 台用意しておくと業務停滞のリスクを回避できるが、コストの面から予備のパソコンも用意している企業や自治体は実際のところ少ない。
しかし、いざパソコンが故障すると修理から返ってくるまでに日数を要してしまうため、故障率が高く、消耗品であるストレージは予備パーツを持っておくと付け替えるだけで業務が停滞する期間が短くなるメリットがある。
また、ストレージだけ予備として持っておくとパソコンごと予備として持つのに比べると非常に安価であるとともに、数年から 10 年以上先でも利用できるので経済的にもやさしい。
加えてストレージの予備パーツは外付けストレージとしても利用できることから、日常的のバックアップにも活用できる。
3.ハードディスクと SSD の予備パーツ(バルク品)を購入する方法
ハードディスクや SSD の予備パーツ(バルク品)は、単体では家電量販店では販売されていないが、パソコンショップなど専門店であれば購入することができる。
最近ではインターネットで購入することもできるので比較的入手しやすい。
ハードディスクと SSD ともにサイズが決まっており、デスクトップであれば 3.5 インチ、ノートパソコンであれば 2.5 インチと決まっている。
薄型のノートパソコンでは M.2 と呼ばれるマザーボード上のスロットに直接差し込むタイプもあるため、所有しているパソコンがどのようなストレージかは把握しておく必要がある。
バルク品はパソコン本体に接続する端子がむき出しの状態だが、差し替えればすぐに利用できるようになっている。
また、ハードディスクや SSD を USB ケーブルで外付けストレージとして利用できるケースも販売されており、予備パーツを保護して保管するのにも適しているので同時に用意しておくとよい。
4.ハードディスクと SSD の予備パーツ(バルク品)を外付けストレージにする方法
ハードディスクと SSD の予備パーツ(バルク品)を外付けストレージにする方法としては、外付け用のケースに予備パーツを入れた後、パソコンに USB ケーブルで挿した時に USB メモリのように外部ストレージとして認識するように初期化(フォーマット)する必要がある。
4-1.外付け専用ケースにハードディスクまたは SSD を取り付ける
ます最初に購入したハードディスクや SSD のケースに予備パーツを取り付ける。
一般的にはケースの蓋の開閉や SSD をケースに取り付ける際は工具を不要で手作業で行うことが多い。
しかしハードディスクは衝撃や揺れに弱いため、ケースに取り付ける際に衝撃吸収用の保護部品にネジ止めが必要な場合がある。
4-2.外付けストレージを USB ケーブルでパソコンに接続する
次に、ハードディスクや SSD が入った外付けストレージをケースに付属されている USB ケーブルでパソコンに接続する。
USB メモリなどであればパソコンに挿した時点で下図のように「リムーバブル記憶領域があるデバイス」として自動的に認識される。
しかし、購入したばかりのバルク品は初期化を行っていないためパソコンが認識しないため、次のの操作を行う。
4-3.「コンピュータの管理」で認識されているか確認する
USB ケーブルで外付けストレージをパソコンに接続した状態で、デスクトップ左下の Windows マークを右クリックして「コンピュータの管理」を表示する。
「コンピュータの管理」が表示されれば、左メニューより「記憶域 -> ディスクの管理」を選択すると現在 Windows OS が認識している記憶媒体の一覧が表示され、今回新しく接続したハードディスクが下図のように「未割り当て」で表示されるのがわかる。
もし「コンピュータの管理」で表示されていなければ、同じくデスクトップ左下の Windows マークを右クリックして「デバイスマネージャー」を選択する。
その中でディスクドライブを参照して上図のように購入したバルク品の名称が表示されていなければ USB ケーブルとパソコン間の接触が問題ないかや、ハードディスクや SSD がケースにしっかり挿し込まれているかを確認する。
4-4.パーティションを作成して記憶できる領域を作る
次に「コンピュータの管理」で表示したディスクの管理の画面より、「未割り当て」の部分を右クリックすると下図のようにメニューが表示される。
ここで「新しいパーティション」を選択してウィンドウ「新しいパーティション ウィザードの開始」を表示させる。
ウィンドウ「新しいパーティション ウィザードの開始」を表示されれば、ウィザード画面に沿ってパーティションを作成していく。
最初の画面ではボタン「次へ」をクリックする。
次にパーティションの種類を選択する画面が表示されるため、「拡張パーティション」にチェックを入れてボタン「次へ」をクリックする。
パーティションのサイズを設定する画面が表示されれば、外付けストレージとして利用する最大データサイズを指定することができる。
今回は購入したハードディスクの最大容量まで利用するため、画面に表示されている数値のままボタン「次へ」をクリックする。
パーティションの種類とサイズの指定が終わったところで、パーティション作成のウィザードの完了画面が表示されるので、完了画面内のボタン「完了」をクリックする。
ボタン「完了」をクリックするとウィザード画面が消えて、元の「コンピュータの管理」で「未割り当て」となっていた箇所が「空き領域」となり論理ドライブとしてパソコンが認識できるようになる。
4-5.新しい記憶領域のドライブ名を設定して初期化(フォーマット)する
「未割り当て」となっていた箇所が「空き領域」となり論理ドライブとしてパソコンが認識できるようになると下図のように「新しい論理ドライブ」と表示が変わる。
この状態は外付けストレージにデータが保存できる仕切りはできたものの、まだパソコンがデータの読み書きができる状態ではないため引き続き設定を行う。
「未割り当て」から「空き領域」になった箇所を右クリックして表示されるメニューより「新しい論理ドライブ」を選択する。
「新しい論理ドライブ」をクリックすると先ほどと同じくウィンドウ「新しいパーティション ウィザードの開始」が表示されるので、ボタン「次へ」クリックして設定を進める。
ボタン「次へ」クリックするとパーティションの種類を選択する画面が表示されるが、先ほどと異なり今回は「論理ドライブ」しか選択できない状態なのでそのままボタン「次へ」をクリックする。
次に表示されるパーティションのサイズの設定画面においても数値は変えずにそのままボタン「次へ」をクリックする。
ボタン「次へ」をクリックすると「未割り当て」の時と違い、ドライブ文字またはパスの割り当てを設定する画面が表示される。
ドライブ文字とは外付けストレージをパソコンに挿した時のドライブのアルファベット文字である。
例えば Windows OS がインストールされている記憶媒体は C ドライブとなっており、USB メモリを指すと E や F のドライブ名になることが多い。
ドライブ文字は任意で変更することも可能だが、ここでは画面で選択されているアルファベット文字をそのまま使うこととし、ボタン「次へ」をクリックして進める。
次に下図のようにパーティションのフォーマットを選択する画面が表示される。
フォーマットにより Windows OS が外付けストレージにデータの読み書きができるようになり、そのためにフォーマットの形式を選択する。
ファイルシステムは FAT32 と NTFS とあり、FAT32 は古い OS で採用されているもので最大 4GB までしか利用できない。
そのため、ファイルシステムを含めて次のように選択してボタン「次へ」をクリックする。
- ファイルシステム – NTFS
- アロケーションユニットサイズ – 既定値
- ボリュームラベル – ボリューム
ファイルシステムの指定が終わると下図のように完了画面が表示されるので、ボタン「完了」をクリックする。
ボタン「完了」をクリックする外付けストレージのフォーマットが開始されるため、終了するまでそのまま待機する。
フォーマットが終われば新しいパーティションウィザードの完了画面が再び表示される。
フォーマットが完了した後に「コンピュータの管理」で状態を確認すると、ドライブ名とファイルシステムが表示されるようになる。
この状態でようやくパソコンから外付けストレージへデータの読み書きできるようになる。
以後はパソコンから外付けストレージを抜き差ししても問題無く、外付けストレージをパソコンに差し込めば自動的に外部記憶メディアとして認識してすぐに利用できる。
5.外付けストレージからパソコンのストレージにする方法
以上でバルク品などストレージの予備パーツを外付けストレージとして利用できるようになった。
外付けストレージとして日頃のデータをバックアップしたり、データの移動で利用しつつも、もしパソコン側のハードディスクや SSD が故障した場合は本来の目的である予備パーツとして利用することももちろん可能である。
その場合は、外付けストレージに保存していたデータを DVD や USB メモリなど他の記憶媒体にデータをバックアップし、パソコン側の故障したハードディスクや SSD と交換する。
予備パーツに交換しただけでは OS が入っていないのでパソコンの電源を入れても OS が起動しない。
そのため、予備パーツに交換した後はリカバリメディアや OS のインストールデータを利用して OS のインストール作業が必要となる。
リカバリメディアや OS のインストールデータもパソコンが故障する前から用意しておくが、最近では USB メモリにリカバリ用データとして用意することが多くなっている。
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