外付けストレージの据え置き型とポータブル型との使い分け方


[初回公開] 2008年09月24日

パソコンやスマホのデータは内部のハードディスクなどストレージ領域に保存され、故障や機器交換によるデータの損失を防ぐために日頃のバックアップが重要になってくるが、バックアップ用の外付けストレージにも種類があり、据え置き型とポータブル型との使い分け方について紹介する。

外付けストレージの据え置き型とポータブル型との使い分け方

1.ストレージとは

ストレージ(storage)とはパソコンやスマホなどデータを取り扱う電子機器で各種データを長期保管するためのハードウェアである。
昔は記憶装置というとハードディスクのことを指していたが、USB メモリのように半導体で構成された大容量で高速に読み書きできる SSD(Solid State Drive)が市場に出回るようになってきている。

そのため、記憶装置のことをハードディスクと SSD と両方を指す場合が多いことからストレージと呼ぶようになっている。

尚、ハードディスクはディスクが常に回転して、磁気によるデータの読み書きを行う。
ディスクディスクにはレコードの針のようにヘッドと呼ばれるパーツがあり、これがディスク(円盤)にあるデータの操作を行うが、高速で回転していることから衝撃に弱く、ディスクの回転数が低いとデータの読み書きも遅くなる特性がある。

対して SSD は電気信号でデータの読み書きを行うため高速だが、ハードディスクに比べると高価であるとともに、データの読み書きができる回数が無限ではない特徴がある。

2.据え置き型とポータブル型の違い

外付けストレージの据え置き型とポータブル型の違いは、「耐久性」と「利便性」が挙げられる。
「耐久性」とはデータの損失を防止するためのバックアップであるためえることが製品に求められ、据え置き型のストレージがこれに当てはまる。
据え置き型であるためデスクトップパソコンのように常に同じ場所においてあまり動き回さないことが多いため、ハードディスクで構成されていることが多い。

また、「利便性」とはどのパソコンでもいつでも利用できるといった、場所や時間に捉われず大容量のデータを読み書きすることを想定して製造されたポータブル型が当てはまる。
一次的なデータの保存場所の役割が強く、軽量であることからメモリタイプで構成されていることが多い。

3.据え置き型がお勧めな場合

据え置き型の外付けストレージがお勧めな場合は、設置している場所をあまり動かさずにデータを長期保存したい時に適している。
外付けストレージ用の電源ケーブルがあり別途コンセントに挿す必要があるが、パソコンなど電子機器から電力を受けるタイプに比べると安定して電力供給されるためデータの読み書きの精度が高くなる。

また、NAS(Network Attached Storage)が機能が搭載されているものが多く、LAN ケーブルにつないでネットワーク内に入れると複数台のパソコンから同時に利用することもできる。

3-1. BUFFALO の HD-ES640U をレビュー

HD-ES640U は BUFFALO が製造販売するハードディスク内蔵の据え置き型の外付けストレージである。
付属の USB ケーブルでパソコンに接続でき、Windows OS と Mac OS の両方で利用できる。

BUFFALO の HD-ES640U の外観

工場出荷時のハードディスクは FAT32 形式でフォーマットされているので Windows と Mac ともに利用できるが、1 つのファイルが 4GB 以上の場合は利用できないため Windows で NTFS 形式にフォーマットしなおしても利用できる。

データの読み書きは USB ポートのバージョンにより左右されるが内蔵のハードディスクと同程度の速度で読み書きができる。

4.ポータブル型がお勧めな場合

ポータブル型の外付けストレージがお勧めな場合は、ノートパソコンや USB ポートが付いたゲーム機本体やテレビに接続して利用する置き場所を取らない時に適している。
外付けストレージ用の電源ケーブルがなく、USB ケーブルでデータ通信と電力供給が行われて付属品が不要のため外出先でもカバン等に入れて持ち運びやすい。

また、最近ではハードディスクから高速でデータを読み書きする SSD を採用している製品が多いためハードディスクタイプよりも軽量で静音である。

4-1. BUFFALO の HD-PX500U2-WH をレビュー

HD-PX500U2-WH は BUFFALO が製造販売する 2.5 インチのハードディスク内蔵の据え置き型の外付けストレージである。
持ち運びを想定して製造されているため、外付けストレージとパソコンを接続する USB ケーブルは外付けストレージ本体内に収納できるようになっており、カバンに入れてもかさばらず外出時に重宝する。

BUFFALO の HD-PX500U2-WH の外観

また、ハードディスクなので衝撃に弱いのがデメリットだが、縦揺れや横揺れでも衝撃を緩和するように設計されており、ケースはプラスチック製ながらも強度がある。

エレコム USB3.1(Gen1) 対応 外付けハードディスク 2.0TB(ブラック)ELD-ETVシリーズ ELD-ETV020UBK

加えて、購入時から本製品の中にブラウザ(Firefox)やメーラー(Thunderbird)の他、データの暗号化ソフトなどが入っているため自分のパソコンが無く、ネットカフェなど他人のパソコンでもこれだけを持っていれば業務することができる。

5.外付けストレージの使い分けのまとめ

外付けストレージの据え置き型とポータブル型の使い分けのまとめとしては、データの長期保存を目的とするならば据え置き型を選び、一時的なデータ保管に使うのであればポータブル型を選ぶと良い。

ポータブル型も耐衝撃性の高さを強調している製品はあるが、ハードディスクの場合は電源がオフでもヘッドなど稼働部分が揺れるので持ち運んでいる間も疲労を起こしやすい。

また、メモリタイプの SSD は据え置き型とポータブル型を問わずに利用できる特徴があるが、ハードディスクに比べると高価であるのとデータを読み書きするたびに消耗していずれかは使えなくなるのでデータを保管したい期間で選択するとよい。

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