Hohem のジンバル「iSteady X2」の初期設定と基本的な使い方


[初回公開] 2021年12月20日

スマホやデジカメで歩きながら動画撮影すると体が動く反動で映像も上下左右にブレてしまうが、そのブレを抑えて滑らかな映像に残すことができるジンバル「iSteady X2」の初期設定の方法と基本的な使い方について紹介する。

hohem のジンバル「iSteady X2」の初期設定と基本的な使い方

1.hohem のジンバル「iSteady X2」とは

hohem の「iSteady X2」とは 2021 年 07 月 26 日に発売された動画撮影時にレンズが常に一定方向を向くように軸が回転するジンバルである。
スマートフォン専用に設計され、バッテリー内蔵の安価な製品となっている。



販売価格は税抜 10,000 円を切り、一般的に数万円で販売されているジンバルと比べると安価だがパン(水平)、チルト(垂直)、ロール(回転)の 3 軸の回転によりジンバルを持つ手が激しく動いてもスマホのレンズが一定を向くようになっている。

iSteady X2 にスマホを装着した様子

ジンバルにスマホ本体を装着した様子が上図となり、撮影時はジンバルを手に持って移動する。
3 つの軸はジンバル本体に内蔵されているバッテリーによるモーター制御となっており、稼働時間は約 10 時間と外出先での長時間録画にも対応できる。

2.hohem とは

iSteady X2 を製造販売する hohem とは中国南部広東省に本社に置く企業である。
ジンバル製品を独自に研究開発している。

3.iSteady X2 の機能

iSteady X2 はジンバルとしてカメラ撮影時の動画のブレや揺れを抑える機能の他、リモコンを使った遠隔操作が可能になっている。
その他、スマホ専用アプリと連携することで顔を認識してレンズが追尾するように動くなどを行うことができる。

特に次の 2 点が iSteady X2 の特徴として挙げられている。

  • ハンドルの動きに追従したり完全ロックするなどモード設定が可能 – iSteady X2 のハンドル(本体)を持つ手が向く方向が変わるとその動きに追従して滑らかにカメラを方向転換させる(パン&チルトフォローモード)の他、ロールモーターとパンモーターは、動きに従わずに完全にロックしてカメラが常に一定方向を向く(オールロックモード)など、撮影したい動画に合わせてジンバルの設定を行うことが可能。
  • 離れていても方向転換できるリモコン付き – iSteady X2 はハンドル本体以外に Bluetooth で遠隔操作できるリモコンが付属しており、ハンドルを手に持たずとも撮影することが可能である。
    リモコンを使ってカメラの向きを変えたり、ビデオ撮影の開始と終了を操作することができる。

4.iSteady X2 の仕様

iSteady X2 の仕様は下記の通りである。

項目 仕様
Bluetooth version 4.0
重量 259g
サイズ(折りたたみ時 179 x 79 x 39 mm
バッテリー容量 2,800mAH
稼働時間 約 10 時間
充電ポート USB Type-C
稼働範囲 Pan 320°
Tilt -30°~+30°
Roll 320°


5.iSteady X2 の内容物

iSteady X2 の内容物は次の通りである。

iSteady X2 のパッケージと内容物一覧
  • iSteady X2 本体 x 1
  • 三脚 x 1
  • ポーチ x 1
  • リモコン x 1
  • USB-C 充電ケーブル x 1
  • ストラップ x 1
  • 取扱説明書 x 1

6.iSteady X2 の初期設定

iSteady X2 の初期設定としては、専用のスマホアプリを利用してアクティベーション(有効化)させる必要がある。
アクティベーションしていない状態でジンバル本体の右側にあるボタンを長押しして電源をオンにすると、LED ランプが緑色と赤色に点滅を繰り返してアクティベーションの待機状態となる。

専用のアプリは Goole Play または Apple Store より「Hohem Pro」を検索してインストールする。
アプリのインストールが終わり起動させると、下図のように利用に関する規約とプライバシーポリシーが表示されるためボタン「同意して続行」をタップする。

アプリ利用の同意画面

次にアプリ「Hohem Pro」がスマホ内のカメラやメディアが利用できるように権限を許可する。

アプリの権限設定


iSteady の旧製品では hohem の会員登録が必要だったが、現在はログイン不要でジンバル本体のアクティベートが可能になっている。
もし Bluetooth がオフになっていれば、下図のように Bluetooth をオンにするように通知される。

Bluetooth のオン通知

スマホとジンバルとが Bluetooth で通信できるようになれば、ペアリングする iSteady X2 を選択する。
iSteady X2 は「SX2-******」で表記される。

ペアリングする iSteady X2 の選択

ペアリングする端末を選択すれば、ボタン「接続」をタップする。

iSteady X2 とのペアリング

次いで、アクティベートするために下図が表示されるため、ボタン「アクティブ化」をタップする。

iSteady X2 のアクティベート

アクティベートが無事に終了すれば完了画面が表示され、ジンバル本体のボタンで操作できるようになる。

iSteady X2 のアクティブ化完了

アクティブ化の後は、ジンバル本体にスマホを装着してハンドル右側にある電源ボタンを長押しすると電源が入り、LED が緑点灯すればカメラの位置を補正して撮影できる状態になる。

また、一度アクティベートすればアプリを起動しなくても、スマホ本体をジンバルに装着するだけで一定方向をレンズが向くように滑らかにロールするようになる。
そのため標準のカメラアプリでの撮影も可能である。

7.iSteady X2 の基本的な使い方

iSteady X2 の基本的な使い方としては、「パン&チルトフォロー」と「オールロック」の 2 つが挙げられる。
パン&チルトフォローとは、iSteady X2 の電源をいれた直後がこのモードになっており、ハンドルを上下左右に回転させるとハンドルの動きに追従する。
例えば道を歩いていて、左折または右折してハンドルの向きが直角に曲がると、カメラのレンズが向いている方向もゆっくりと追従して進行方向を向くようになる。

また、オールロックはパン&チルトフォローモードとは反対に、ハンドルを動かしても一定方向を向いたままになる。
曲がりくねった道を歩行していても、常に同じ方向の景色を撮影したい場合に利用される。

これらのモードの切り替えは下図のようにジンバル本体にボタン類があり、4 のシャッターボタンを押しながら 1 の電源ボタンを押すごとに選択される。

iSteady X2 のボタン配置図


実際の様子は下図となり、中央の大きな円形のレバーで選択しているモードに関わらずスマホのレンズの向きを変えることができる。

iSteady X2 の実物のボタン配置

8.iSteady X2 の総評

iSteady X2 の総評としては、10,000 円を切る安価なジンバルながらよく動き、腕を激しく動かしてもレンズの位置を保つので歩きながらでもプロが撮影したように滑らかな映像として残すことができる。

また、ジンバル本体の下部には付属の三脚で自立させることができるが、デジカメやビデオカメラ用の三脚にも取り付けることができるため、運動会や学校の発表会などスマホで撮影するときにも重宝する。
特に、リモコンやジンバル本体の操作でレンジの向きを自然に変えることができ、ズームイン・ズームアウトもスムーズなので手で操作するよりも被写体への近寄りがスムーズに撮影できる。

Hohem iSteady X2 スマホジンバルリモコン付き 折りたたみ3軸スタビライザー

iSteady X2 の紹介記事やレビューでは hohem の会員登録をデメリットに挙げられることがあるが、特に会員登録することなく利用できるのでは iSteady シリーズの旧製品に比べると利用開始までの手間が減っている。

難点としては、スマホをジンバル本体に取り付ける際に、スマホの中心あたりをジンバルのホルダーで挟み込むのだが、スマホの電源ボタンなどをホルダーが覆ってしまい、装着後はボタン操作できなくなるのでスマホのディスプレイを頻繁にオン / オフする際には都度ジンバルから取り外す手間が発生する。

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