プリンタインクの純正品と互換品との違いと利用した場合の注意点


[初回公開] 2013年12月27日

リモートワークで家庭内でプリンタを利用する以外に、受験票の発行やアルバイト・転職の求人応募で履歴書を自宅のプリンタで印刷して提出するシーンが一般的になっており、プリンタ本体の売り上げが好調であるとともに比例してプリンタの消耗品となるインクも売り上げを伸ばしてるものの、印刷コストを抑えるために純正品ではない安価な互換性インクとの違いと利用した場合の注意点について紹介する。

プリンタインクの純正品と互換品との違いと利用した場合の注意点

1.プリンタ業界とインクビジネスの背景

パソコンが一般家庭に普及し始めたのは1990年代だが、家でも資料を印刷したいという需要に応えて家庭用プリンタも売り上げを伸ばしていった。
インターネットの普及も始まった頃で、USB メモリもなく情報のやり取りは電子ではなく紙媒体が一般的だったため、パソコンで手軽に年賀状を作成できる点でもプリンタの売り上げに貢献した面がある。

純正品インクと互換性インクの違い


1990年代のプリンタ本体は安くても 5 万円前後だったのが、2020 年代の今では数千円で購入できるようになっている。

プリンタ本体を製造販売するメーカーも高機能で高品質なプリンタを世に出しているものの、以前に比べるとプリンタの購入が頭打ちになりつつあるため、消耗品であるインクで利益を上げるインクビジネスに方向転換しつつある。

インクは色の三原色であるシアン(青系)・マゼンダ(赤系)・イエロー(黄系)で全色再現できるが、明るめの色を再現するためにライトシアン・ライトマゼンダにブラック(黒色)を合わせた 6 色のインクを必要とするプリンタが多い。

複数色のインクカートリッジの内、1 本でもインク切れを検知すると印刷できなくなるため、消耗品の購入頻度を増やすプリンタ業界の傾向として見受けられる。

2.純正品インクと互換性インクの違い

以前はプリンタ本体に適合した同メーカーが製造する純正品のインクしか販売しておらず、販売価格は高価なものだったが、最近では他社メーカーが製造販売する安価な互換性インクが利用できるようになっている。

純正品インクと互換インクの違いは主に印刷時の発色の質で、純正品インクに比べて互換インクはやや色味が薄いなど画面通りの色が出ないことがある。
また、同じ互換インクでも個体差があり、印刷時の発色にバラつきがあったり、うまくプリンタ本体が認識しないなどが挙げられる。

 Plaisir(プレジール)の互換インクのパッケージ

互換インクは Plaisir(プレジール)などからエプソン・キヤノン・ブラザーのプリンタ向けに製造販売されており、上図のようにどのプリンタに互換があるのか製品名またはプリンタの型番が明記されている。

3.互換性インクとは

プリンタの互換性インク(通称:互換インク)は、プリンタメーカーが公式に提供している純正インクではなく、サードパーティのメーカーが製造・販売しているインクカートリッジのことを指す。

以下は互換性インクを利用するメリットが次の通りである。

  • コストが安い – 純正インクに比べて価格が大幅に安いことが多く、印刷コストを抑えることができる。
  • 幅広い選択肢 – 多くのメーカーから様々なタイプの互換インクが提供されており、自分のニーズに合ったものを選べる。

4.互換性インクを利用する場合の注意点

互換性インクを利用する場合の注意点として多いのは「プリンタが認識しない」と「プリンタ修理ができない」などが挙げられる。

互換性インクを装着してプリンタが認識しない場合は、新しいインクをプリンタ本体に取り付けてもインク残量が減ったままで印刷できない事象が発生する。
この場合、インクのプリンタ本体と合わさる金属の接触面を柔らかい布なのでふき取るとよい。
また、プリンタの電源をオン・オフしてプリンタが持っているインク残量のデータをリセットすると改善することもある。

また、互換性インクを利用するとプリンタ本体が故障した際にメーカーによる修理が受けられないことがある。
そのため、互換インクを購入する前に取り扱い説明書や公式サイトなどで互換インクについて記載がないか確認しておくとよい。

互換性インクを利用する際のデメリットは次の通りである。

  • 品質のばらつき – 製品によって品質が異なり、印刷の色味や耐久性が純正インクより劣る場合がある。
  • プリンタの保証無効のリスク – 互換インクを使用することで、プリンタメーカーの保証が無効になる場合がある。
  • プリンタの故障リスク – 一部の互換インクはプリンタと完全には相性が合わない場合があり、プリンタヘッドの詰まりや故障の原因になることがある。
  • ファームウェアの問題 – プリンタメーカーがファームウェアをアップデートすると、互換インクが認識されなくなる場合がある。

5.互換性インク利用のまとめ

互換性インクは何点か注意点はあるものの、長期保存を目的とした写真や高画質の印刷物を求めないのであれば純正品インクに比べると格安で入手できるので選択肢に十分入れることができる。

Canon 純正 インクカートリッジ BCI-381(BK/C/M/Y)+380 5色マルチパック BCI-381+380/5MP 長さ:5.3cm 幅:13.9cm 高さ:10.75cm


実際に互換性インクを利用したところ、A4 のコピー用紙にカラー印刷しても色味を気にすることなくプリントアウトできた。
また、写真を掲載した年賀状も互換性インクと言われなければわからないほど高品質なため、プリンタ本体の故障時は修理よりも買い替える派であれば互換インクを利用する方がコストが抑えられてよい。

また、互換性インクを利用する上で事前に次の点を確認しておくとトラブル時に対応しやすくなる。

  • 信頼性の高いメーカーを選ぶ – レビューや評価が高い互換インクメーカーを選ぶことでリスクを減らすことができる。
  • 返品ポリシーを確認する – 購入前に返品可能かどうか確認するのが安心である。
  • テスト印刷を行う – 購入後、印刷の色合いや動作をテストするとよい。
  • 純正と互換インクを混用しない – 純正インクと互換インクを同時に使用すると、不具合が起きる可能性がある。

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