Raspberry Pi にジャンパコードとブレッドボードでセンサーを接続する方法


[初回公開] 2019年07月29日

IoT の入門や動作テストで利用されることが多い Raspberry Pi はそれ単体だけでは Linux 系の小型パソコンでしかないが、センサーを取り付けることでより多彩になるため、ジャンパコードとブレッドボードを用いてセンサーを接続する方法を紹介する。

Raspberry Pi にジャンパコードとブレッドボードでセンサーを接続する方法

1.Raspberry Pi とセンサーを接続してできること

Raspberry Pi とセンサーを接続してできることは、温度測定や音検知のセンサーで取得したデータを Raspberry Pi で集積できることである。



集積したデータはグラフ画像化してデータ転送が可能なので複数地点のデータを 1 箇所にまとめて比較することが可能になる。
また、Raspberry Pi にプログラムを入れておけば望み通りにセンサーの稼働を制御することもできる。

Raspberry Pi と各センサー類は電源コードで直接接続して動作させることができるが、複数のセンサーやカメラなど外部デバイスと組み合わす場合は電子部品を固定するブレッドボードと、電源供給するジャンパコードが用いられることが多い。

Raspberry Pi にジャンパコードとブレッドボードで LED を接続している様子

実際に Raspberry Pi にブレッドボードにジャンパコードをつなげている様子が上図になる。
電子部品はセンサーではなく LED にしており、LED の許容以上に電気が流れないように抵抗器もブレッドボードに取り付けている。

2.ブレッドボードとは

ブレッドボード (breadboard)とは、電子部品やジャンパコードを挿し込むことができる穴が開いてる基板である。
各穴は電気が通るように金属で連結しており、ボードに印字されている線の垂直方向に電気が流れるようになっている。

ブレッドボードの外観

ブレッドボードを利用すると各電子部品をはんだ付けすることなく接続して電気を流すことができるので手軽に電子回路を組むことができる。
利用した電子部品は取り外しが自由なため、組み直して再利用できるのもメリットである。

サンハヤト SAD-101 ニューブレッドボード

反面、試作向けの用途なため次のデメリットもある。

  1. 基板自体に抵抗(接触抵抗)がある
  2. 長期利用には不向きである
  3. 電流量に制限がある

小型のブレッドボードであれば 1 枚が店頭にて 230 円程度で購入することができる。

ブレッドボードを利用する場合は下図の両端の青色と赤色の線が線に沿って電気が流れるようになっている。
また、線が無い中の並び(図の A から J)は青色と赤色の線の垂直方向につながっている。

ブレッドボードの使い方


上図の (1) は GND(グランド)で、(2) は電力供給の Vcc として利用する。
(3) の箇所にはセンサーや抵抗器など電子部品を挿し込んで利用する。

電流または信号が流れるようになれば挿し込む位置は決まっておらラず、自由に電子回路を組むことができる。

3.ジャンパコードとは

ジャンパコードとは、電子部品類に電気を流すのに利用されるコードである。
別名で「ジャンパ線」や「ジャンパワイヤ」と呼ばれることもある。

ジャンパコードの外観

電気が流れて動作するようにするためには電子部品同士をはんだ付けする必要があるが、ジャンパコードの両端には凹凸の挿し込み、または挿し込み口があるため、はんだ付けすることなく簡単に電気を流すことができる。

ジャンパコードは 1 袋あたり 60 本ほど束で販売されており、店頭にて 220 円程度で購入できる。

ジャンパーワイヤー 3本セット 10cm Emith ジャンパー線 Arduino Raspberry pi 用 ブレッドボード ジャンパーケーブル オス メス

ジャンパコードを利用する場合は大きく 2 種類に分けられる。
1 つは「オス-オス」と呼ばれる両端が凸型となったコードで、ブレッドボードに挿して利用する。

もう 1 つは片方が凸型で、反対側のもう片方が凹型の「オス-メス」と呼ばれるコードである。
Raspberry Pi の接続端子が凸型なのでジャンパコードの凹型の方を挿し込み、反対の凸型をブレッドボードに差し込んで利用する。

4.Raspberry Pi でセンサーを接続する方法

Raspberry Pi でセンサーを接続する方法としては、ブレッドボードにセンサーなど電子部品を取り付け、Raspberry Pi から電気を供給できるようにジャンパコードで接続する。

電気は電圧が高いところから低いところに流れるようにする必要があるため、電位差を 0V にする GND も Raspberry Pi が担っている。

4-1.Raspberry Pi から電源を確保する

まず最初に Raspberry Pi から電源を確保するために Vcc または GPIO ピンにジャンパコードを挿し込む。
Raspberry Pi は GPIO(General Purpose Input/Output)と呼ばれるデジタル信号の入出力に利用するピンがある。
GPIO は 3.3V の電圧で出力できるため、電気を供給するのにも利用される。

4-2.GND(グランド)を確保する

電子回路は電圧の高いところから低いところに流れるため、出力電圧より低い基準として GND(グランド)に流れるようにする必要がある。



Raspberry Pi には GND のピンがあり、電位差を 0V にするためにジャンパコードを挿し込む。

4-3.電子部品(センサー)を取り付ける

最後に利用するセンサーなど電子部品をブレッドボードに取り付ける。
その際、Raspberry Pi の電源を電気が流れる開始地点とし、終端となる GND まで 1 周して戻ってくるように電子部品とジャンパコードで接続する。

また、電子部品には許容できる電圧または電流量が定められており、それを超える電気が流れると故障の原因になる。
そのたえ、電子部品に電気が入る前に電圧を抑える抵抗器を回路に挟むことがある。

また、電子部品も電池のようにプラスとマイナスの極性があるため、電気の流れる方向と逆に取り付けると正常に動作しない。

例えば LED の場合、足の長い方がプラス側(Anode:アノード)となり、Vcc に近い方に取り付ける。
反対に足が短い方がマイナス側(Cathode:カソード)となり、GND 側に取り付ける。

Raspberry Pi にジャンパコードとブレッドボードで LED を接続している様子

さらに、LED の電圧は 2.1V となり、Raspberry Pi は 3.3V の電圧で電気が流れるので 2.1V に抑える必要がある。
そのため抵抗器の計算式(3.3V – 2.1V = 1.2V)より、1.2V の抵抗器を上図のように LED に電気が入る前の Vcc 側へ取り付けている。

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