[初回公開] 2019年08月30日
Raspberry Pi には GPIO と呼ばれる電気を供給したり電気信号の入出力に利用するピンが用意されており、センサーなど電子部品と組み合わせて利用する場合に必要な機能になるが、各ピンの情報と役割が明記されたマニュアル等は付属されていないため概要と確認方法について紹介する。

このページの目次
1.Raspberry Pi に用意されているピンの仕様
Raspberry Pi に用意されているピンの仕様は、製品によって異なるが広く利用されている Raspberry Pi 2/3/4 では GPIO ピンはいずれも 40本 用意されている。
Raspberry Pi のピン番号と名称は下図のようになっており、赤背景の Vcc が電流が出力され、灰色背景の GND が回路の終端となる。
GPIO と記載のあるピンはセンサー類を取り付けることで電気信号の入出力が可能である。

また、小型タイプなどではピンの数量が異なっており、例えば Raspberry Pi 1 Model B+ 以前の製品はピン配置が異なり 26 本となっている。
2.GPIO とは
GPIO とは、General Purpose Input/Output の略で電気信号の入出力を行うことができるピンである。
GPIO とセンサーなど電子部品を接続することで、Raspberry Pi に設置したプログラムで電子備品を制御したり、センサーで取得した温度や音などの情報をデジタル化して Raspberry Pi に集積させることができる。
また、Raspberry Pi の GPIO ピンは 3.3V の出力電圧があるため、電子部品に電気の供給も可能である。
そのため、例えば一定間隔で電圧を上げたり下げたりするプログラムと組み合わすことで、LED を点灯から点滅に切り替えて動作の制御を行うことができる。
しかし、取り扱いに注意すべき点もあるため間違えると Raspberry Pi の故障の原因になる。
電流については全てのピンを合わせて約 50mA の電流しか扱えず、さらに 1 本の GPIO ピンが扱える電流は 16mA までとなっているので、これを超える使い方は行わないようにしなければならない。
3.Raspberry Pi のピンを確認する方法
Raspberry Pi は本体購入時にマニュアル類が付属していないため、ピンを確認する方法はコマンドとドキュメントの 2 通りとなる。
3-1.pinout コマンドで確認する
Raspberry Pi のピンを確認する方法の 1 つに pinout コマンドを利用する手段がある。
ターミナルを開く、または SSH で Raspberry Pi にリモートでアクセスして下記のコマンドを入力するとピンの一覧を確認することができる。
$ pinout
3-2.ドキュメントで確認する
Raspberry Pi のピンを確認する方法のもう 1 つにドキュメントを見る手段がある。
ドキュメントは Raspberry Pi の公式サイトで公開されており、画像または PDF で確認することができる。
4.Raspberry Pi でよく利用するピン
Raspberry Pi でよく利用するピンが次の 2 つのピンである。
4-1.GND ピン
GND ピンは電子回路を流れる電気の終端となるもので、電圧の高いところから低いところに流れる性質を利用するために電位が 0V にするために必要なピンである。
4-2.GPIO ピン
GPIO ピンは電気信号の入出力に利用され、センサーで取得したデータやカメラの映像などデジタル信号化された内容を Raspberry Pi で受け取るために必要なピンである。
また、3.3V の出力電圧があるため、電源供給時にも利用される。
5.Raspberry Pi に用意されているピンの一覧
Raspberry Pi に用意されているピンの一覧が下表となる。
GPIO の名称の後ろに文字列の 記載がないものはどこに挿しても同じ挙動となるだが、名称の後ろに単語があるものは用途が特殊なので注意が必要である。
ピン略称 | 役割 |
---|---|
Vcc | 電源 |
GPIO | 入出力 |
GND | グランド |
ID_SD | 拡張ボード用 |
ID_SC | 拡張ボード用 |
I2C | シリアル通信 |
SDA | データ入出力 |
SCL | クロック |
UART_TXD | 調歩同期方式のシリアル通信でデータを送信 |
UART_RXD | 調歩同期方式のシリアル通信でデータを受信 |
SPI_MOSI | クロック同期方式でマスタからスレーブに転送 |
SPI_MISO | クロック同期方式でスレーブからマスタに転送 |
SPI_SCLK | MISOやMOSIがデータ転送を行う際にデータを同期転送 |
SPI_CE0 | チップ・セレクト信号受信(1) |
SPI_CE1 | チップ・セレクト信号受信(2) |
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