[初回公開] 2019年04月12日
Raspberry Pi を同じネットワーク内にあるパソコンから遠隔操作したい場合に Raspberry Pi の IP アドレスを知っておく必要があるが、IP アドレスを自動割り振り(DHCP)の設定にしていると Raspberry Pi のオン・オフのたびに IP が変わるため、遠隔で IP アドレスを確認する方法を紹介する。

このページの目次
1.Raspberry Pi の IP アドレスの状態
Raspberry Pi のインストール直後や購入時直後の IP アドレスのネットワーク設定は DHCP となっており、LAN ケーブルなどネットワーク内に入れると自動的に IP アドレスが割り振られるようになっている。
IP アドレスと固定に設定することもでき、Raspberry Pi のデスクトップ画面の下部にある有線 LAN 接続を示す「↑↓」または無線の Wi-Fi 接続を示す扇形のマークをクリックする。
ネットワークのマークをクリックして表示された項目より「Wireless & Wired Network Settings」を選択するとウィンドウ「Network Preferences」が表示されるので IP アドレスを始め DNS やゲートウェイの IP アドレスを入力することで以後は、固定 IP アドレスで接続するようになる。
2.Raspberry Pi を DHCP にしておくメリットとデメリット
Raspberry Pi を DHCP(Dynamic Host Configuration Protocol)にしておくメリットとしては、社内や社外問わず、さまざまな場所でセンサーにより計測してデータ送信させるなどインターネットを利用したデータ収集を行う際にネットワークの設定が不要な点である。
また、同じネットワーク内で複数の Raspberry Pi を運用する場合は IP アドレスが被らないように管理する手間が発生するが、DHCP による IP アドレスの自動設定をしておけば Raspberry Pi を増やしても既存の Raspberry Pi に影響を及ぼすことがない。
反面、DHCP にすることでデメリットもあり、Raspberry Pi の電源をオン・オフするたびに IP アドレスが変わるため、個々の Raspberry Pi に遠隔でログインして操作したりデータ収集を行う場合は IP アドレスが毎回違うので確認する手間が発生する。
3.Raspberry Pi の IP アドレスを遠隔で確認する方法
Raspberry Pi の IP アドレスはデスクトップ上の設定画面を開くか、ターミナルで IP アドレスを表示するコマンドを実行することで確認することができるが、離れた場所にある Raspberry Pi はその場所に行くのが難しかったり、遠隔で操作したいがログインするのに IP アドレスが必要な場合は次の方法で IP アドレスを確認することができる。
3-1.Raspberry Pi と遠隔操作するパソコンを同じネットワークにする
Raspberry Pi の IP アドレスを遠隔で確認するためにはまず、下図のように操作するパソコンと Raspberry Pi を同じネットワークである必要がある。

ネットワークが同じでなくても、ファイアウォールなどでパソコンから Raspberry Pi に通信できるネットワーク構成になっていればよい。
3-2.コマンドプロンプトを起動する
次に Windows パソコンであれば標準でインストールされているコマンドプロンプトを起動する。
コマンドプロンプトは Windows のデスクトップ左下にある Windows マークをクリックして「スタート -> アクセサリ」に入っている。
または「ファイル名を指定して実行」の入力欄に「cmd」と入力して検索し、結果として表示された一覧より「cmd.exe」を選択することで起動できる。
3-3.arp コマンドでネットワーク内の IP を確認する
コマンドプロンプトが起動すれば、下記のように arp コマンドを利用してネットワーク内に存在する IP アドレスの一覧を表示することで Raspberry Pi の IP アドレスが確認できる。
C:\WINDOWS\system32>arp -d * → arp のキャッシュをすべて削除しておく
C:\WINDOWS\system32>arp -a → ネットワーク内の IP を検索
(略)
インターフェイス: 172.19.0.103 — 0x10 → 自分のIPアドレス
インターネット アドレス 物理アドレス 種類
172.19.0.104 b8-27-eb-c3-c5-9f 動的 → Raspberry Pi の IP アドレス
172.19.0.254 00
arp コマンドとは、Linux 系 OS で標準的に用いられるコマンドの一つで、OS が管理している MAC アドレスと IP アドレスの対比表(ARP テーブル)に基づき、ネットワーク内の通信相手を特定することができる。
今回のようにもし、自分の IP が 172.19.0.103 の場合、「動的」となっている IP アドレスが Raspberry Pi となる。

ただし、Raspberry Pi をつなげたネットワーク内に他にもパソコンなど端末がある場合は上図のように複数行表示されるため、遠隔操作したい Raspberry Pi の IP アドレスに目星を付けて SSH 接続するか、Raspberry Pi に固定 IP を割り振っておいて操作する。
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