[初回公開] 2019年02月11日
IoT の学習機材として人気が高い Raspberry Pi(ラズベリーパイ)は入門編のスターターキットやセンサー類とセットで販売されているキットを購入すると Raspberry Pi の動作に欠かせない OS も既にインストールされた状態で入手できるが、Raspberry Pi 単体で購入すると OS は付属していないため、Raspberry Pi に SO をインストールする方法を紹介する。
このページの目次
1.Raspberry Pi に OS をインストールする準備
Raspberry Pi に OS をインストールする準備としては、まず次の必要な機器類を用意する。
もし Raspberry Pi 本体のみを個別に購入した場合は、AC アダプタなど動作に必要なものを代用または購入する必要がある。
機器名 | 用途 |
---|---|
Raspberry Pi 本体 | Raspberry Pi を動作するために必要。 |
microSD カード(16GB) | Raspberry Pi の OS を保存するのに必要。 |
AC アダプタ | Raspberry Pi に電力を共有するのに必要。microUSB ケーブルでの代用も可。 |
HDMI ケーブル | Raspberry Pi をディスプレイに画面出力するために必要。 |
インターネット接続できるパソコン | Raspberry Pi の OS を入手するのに必要。 |
カードリーダー(microSD 対応) | 入手した Raspberry Pi の OS を microSD に入れるのに必要。パソコンに microSD のスロットがあれば不要。 |
ディスプレイ(HDMI 対応) | Raspberry Pi の画面を表示するのに必要。 |
マウス(USB Type-A) | Raspberry Pi を操作するのに必要。 |
キーボード(USB Type-A) | Raspberry Pi を操作するのに必要。 |
上表にて Raspberry Pi 本体はインターネットで購入できる他、電子部品店で販売されている。
IoT セミナーに参加すると配布されて持ち帰ることができる場合もある。
microSD カードは Raspberry Pi の OS や独自のプログラムを保存するために必要な記憶媒体となる。
上図写真では SD カードアダプタが写っているが、実際はアダプタは利用しない。
今回はデータ容量が 16GB のものを利用するが、OS が入る 4GB 以上のものが好ましい。
ただし、Raspberry Pi の本体が大容量の microSD カードを認識しない場合があるので最大容量にも注意が必要である。
次に AC アダプタは Raspberry Pi に電力を供給するために必要になる。
AC アダプタも Raspberry Pi 本体とは別売りなので別途購入が必要だが、Raspberry Pi には microUSB 端子があるので古いスマートフォンで microUSB の充電ケーブルがあればそれで代用もできる。
また、コンセントから直接電力を取らずともモバイルバッテリーやパソコンから microUSB ケーブル経由で電力供給も可能である。
HDMI ケーブルは Raspberry Pi を操作する上でディスプレイに出力する際に利用する。
そのため、ディスプレイも HDMI のポートがあるものに限られる。
インターネット接続できるパソコンとは、Raspberry Pi の OS を公式サイトからダウンロードするのに利用する。
ダウンロードしたファイルは microSD カードにコピーするため、カードリーダーまたはパソコンに搭載されている microSD のスロットを利用する。
最後にのマウスとキーボードはインストール時に Raspberry Pi の初期設定とインストール完了後の操作で利用する。
Raspberry Pi にはよく利用される USB Type-A のポートしかないためシリアル端子などのハードウェアは利用できない。
尚、上図の Raspberry Pi は破損防止の保護を目的に専用のケースに入った状態だが、基盤がむき出しでも支障が無ければケースは特に用意しなくてもよい。
2.microSD カードをフォーマットする
Raspberry Pi の OS を保存する microSD カードは既に関係ないデータある場合は起動時に誤動作する恐れがあるため、OS データを入れる前にフォーマット(記憶領域の初期化)を行う。
フォーマットにはソフトウェア「SDCardFormatter」が推奨されているが、Windows に標準搭載されているフォーマッターや microSD カードの製造メーカーが無償配布しているフォーマッターでもよい。
https://www.sdcard.org/jp/downloads/formatter_4/
もし「SDCardFormatter」を利用する場合は、SDCardFormatter のファイルをダウンロードしてダブルクリックして起動させるとフォーマットする対象(ドライブ)を選択してボタン「フォーマット」をクリックするとフォーマットが実行される。
このドライブ選択時に間違えて microSD があうドライブ以外(特に C ドライブ)を選択しないように選択時には注意する。
3.Raspberry Pi に OS をインストールする
Raspberry Pi に OS をインストールするための準備物が揃えば、実際に OS データを入手して microSD カードに入れる流れとなる。
3-1.OS を入手する
まず最初に Raspberry Pi の OS を下記のウェブサイトからダウンロードする。
Raspberry Pi の OS データは複数あり、今回ダウンロードしたファイルは「NOOBS」のファイルである。
ダウンロードしたファイルは ZIP 形式で圧縮されており、ファイル名は「NOOBS_v3_0_0.zip」で 1.6GB あった。
https://www.raspberrypi.org/downloads/noobs/
3-2.入手した OS を解凍する
ダウンロードした Raspberry Pi の OS ファイルは ZIP 形式で圧縮されているため Windows に標準インストールされている解凍ソフトなどで解凍する。
3-3.microSD カードに OSデータをコピーする
上記 3-2 で解凍した Raspberry Pi の OS データをフォーマットした microSD カードに全ファイルをコピーする。
3-4.microSD カードを Raspberry Pi にセットする
Raspberry Pi の OS データを保存した microSD カードを Raspberry Pi 本体に差し込む。
microSD カードを差し込む箇所は Raspberry Pi 本体の USB 端子がある面の反対側にあり、microSD カードの印字されている面(microSD カードの金色の端子が無い面)が見えるように差し込む。
3-5.Raspberry Pi にディスプレイ、キーボード、マウスを接続して電源を入れる
Raspberry Pi に HDMI ケーブルを挿してディスプレイと接続し、USB 端子にはキーボードとマウスを接続する。
同じく Raspberry Pi 本体の microUSB 端子には電源供給する AC アダプタまたは microUSB のケーブルを挿して電力が供給できる状態になれば Raspberry Pi 本体の LED が赤く点灯する。
microSD カードを無事に認識してデータの読み込みができれば LED の色は赤色から緑色の点滅に変わる。
3-6.Raspberry Pi のインストールを開始する
Raspberry Pi が microSD のデータを読み込み始めると、ディスプレイに下図のような OS の種類を選択する画面が表示される。
今回は「Raspbian Full」をインストールするのでマウスで「Raspbian Full」にチェックを入れる。
また、合せて画面下部に OS で利用する言語の選択があるのでここでは「日本語」にしてインストールを開始する。
インストールが開始されると下図のように状況を示すプログレッシブバーが表示されるので完了(100%)になるまでしばらくケーブル等を抜かずにそのまま待機する。
インストールは microSD の読み書き速度にも左右されるが、約 30 分もあれば完了する。
インストールが完了すると「OS のインストールに成功しました」と表示され、ボタン「OK」を押すと Windows のような Raspberry Pi のデスクトップ画面が表示される。
3-7.デスクトップの表示
Raspberry Pi の OS インストール完了すると、Windows のようなデスクトップ画面が表示されるとともに、画面上部には各種メニューやアプリケーションが表示される。
設定画面で Wi-Fi の設定を行ったり、LAN ケーブルを挿すとインターネット接続され、Raspberry Pi に標準インストールされるブラウザ(Firefox)でウェブサイトを閲覧することが可能になる。
4.Raspberry Pi の OS インストールの総評
Raspberry Pi の OS インストールの総評としては、公式サイトから Raspberry Pi の OS データを入手して microSD カードに入れるだけでインストールが完了するのでパソコンのセットアップに比べると随分と楽である。
また、IP アドレスは DHCP(ネットワーク内で自動的に IP を取得する)の設定になっているので LAN ケーブルを挿せばするにインターネットを利用できるのも初心者には難しくなくてよい。
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