Raspberry Pi と Windows OS の間でファイルを共有する方法


[初回公開] 2019年07月31日

Windows OS では簡単にファイルのやり取りができるようにフォルダに共有設定を行うことができるが、Raspberry Pi の初期状態では Windows OS とファイルのやり取りができないため、ファイル共有できるように設定する方法を紹介する。

Raspberry Pi をファイルサーバにして異なる OS 間でファイル共有する方法

1.Raspberry Pi が Windows OS とフォルダ共有できない理由

Raspberry Pi が Windows OS とフォルダ共有できない理由としては、OS が異なるためである。
特に Windows でよく利用されるフォルダ共有は Windows のバージョンが異なっていてもファイルのやり取りが可能だが、Linux 系の OS で利用されることが多い Raspberry Pi ではファイルの認識の方法が Windows と異なるので、そのままではファイルのやり取りができない。



2.Raspberry Pi と Windows OS の間でファイルを共有する方法

Raspberry Pi と Windows OS の間でファイルを共有する方法は、Raspberry Pi の中にファイルサーバをインストールするとよい。
ファイルサーバを用いることで異なる OS 間でもファイルのやり取りを行うことができる。

Raspberry Pi は簡単にサーバをインストールすることが可能であり、いくつかあるファイルサーバの中から今回は samba を利用する。

3.Raspberry Pi にファイルサーバをインストールする方法

Raspberry Pi にファイルサーバをインストールする方法としては、次のようにコマンドで samba をインストールして外部の端末からアクセスできるように設定を行う。

3-1.パッケージ管理ソフトを最新にする

samba を入れる前に Raspberry Pi にインストールできるパッケージ管理ソフトを下記のように最新にする。
パッケージ管理ソフトが古いとインストールに失敗したり、脆弱性がある古いソフトウェアをインストールしないようにするためである。

$ sudo apt-get update



3-2.samba をインストールする

次に、apt-get コマンドを利用して samba をインストール。

$ sudo apt-get install samba

3-3.samba のインストールを確認する

samba のインストールが無事に完了すると samba 独自のコマンドが利用できるようになるため、その中でバージョンを確認するコマンドでインストールされているかを確認する。

$ smbd -V
Version 4.5.12-Debian

尚、上記ではバージョンが 4.5.12 だが利用している Raspberry Pi の OS のバージョンやこの操作の時期により、インストールされる samba のバージョンが異なる。

3-4.samba の設定を行う

samba のインストールの後は Windows など他の端末からアクセスできるようにしたり、反対に全てのディレクトリが操作できる状態だと Raspberry Pi のセキュリティが甘くなるため、次のようにアクセスを許可するディレクトリやアクセスに必要なログイン情報を設定する。

まず、samba の設定ファイルを vi コマンドで開く。

$ sudo vi /etc/samba/smb.conf

次いで、開いたファイルの末尾に次の内容を記載する。

[raspberrypi]
  comment = Raspberry Pi → 共有フォルダの説明。
  path = /home/pi/Public → 共有させるディレクトリ。
  guest ok = yes → ゲストユーザでの接続を許可。
  read only = no → 共有フォルダ内のファイルの読み書きを許可。
  browsable = no → ネットワークコンピュータへ表示しない。ただし、ネットワーク名は表示される。
  force user = pi → ファイル操作時の所有権を持つユーザ。


3-5.設定を有効化するためにサービスの再起動を行う

samba の設定が終われば vi を閉じて設定を有効化するために次のコマンドでサービスの再起動を行う。
サービスの再起動を行わない限り、設定に間違いがあっても反映されることはない。

$ sudo service smbd restart

4.Windows で Raspberry Pi とファイル共有できる様子

samba の再起動の後は実際に Windows パソコンで Raspberry Pi とファイル共有できる様子が下図となり、図ではファイルが無い状態だが、Windows の画面からファイルの読み書きが行える状態となっている。

Windows で Raspberry Pi とファイル共有できる様子

Raspberry Pi の共有フォルダにアクセスするためには、Windows のフォルダのパスの入力欄に下記のように Raspberry Pi の IP アドレスを指定する。

\\ラスパイの IP \raspberrypi

Raspberry Pi の通信が成功すると Raspberry Pi にアクセスするためのパスワードを入力する画面が表示される。
尚、Raspberry Pi の初期の状態だとユーザ名は「pi」となっており、ログインに成功すると Raspberry Pi のディレクトリを Windows で操作できるようになる。

また、Raspberry Pi を SSH やリモートデスクトップで遠隔操作する際に IP を指定して接続していたが、samba をインストールすることで Windows 端末は Raspberry Pi の名称(ホスト名)を認識することができるようになる。

そのため、Raspberry Pi の IP を知らなくてもファイル共有ができる。
尚、Raspberry Pi のコンピュータ名を変えていなければ、Raspberry Pi の IP の代わりに raspberrypi を指定して接続できる。

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