Excel のセルで自動計算されなくなった場合の原因と対応方法 – Office ソフトの使い方(38)


[初回公開] 2021年01月13日

Excel など表計算ソフトの強みの 1 つがセルに計算式を一度設定しておけば元となる値を変更するだけで併せて計算結果も自動的に更新される点にあり、見積書や統計資料など多くの場面で利用されている機能だが、特定の原因でセルに設定した計算式で自動計算されなくなることがあるため原因と自動計算させる方法について紹介する。

Excel のセルで自動計算されなくなった場合の原因と対応方法

1.Excel で自動計算されなくなる様子

Excel で自動計算されなくなる様子としては、特定のセルに Excel の関数や数式を用いて計算・集計するようにしていてもその結果が自動的に反映されない状態である。
下図は Excel のセル B2 と B3 を足し算した結果を B4 で表示するようにしたものである。

Excel で自動計算されなくなった様子


例えばセル B2 と B3 に数値を 1 と入れておき、セル B4 には B2 と B3 を足し算した結果が表示されるようにしておく。
この場合は、B2 と B3 の両方が 1 のため 1 + 1 = 2 が B4 に表示される。

ここで、B3 を 2 にすると自動計算により B4 には 3 が表示されなければならないが、自動計算されてない場合は上図のように結果が 2 のままとなり変わっていないのが確認できる。

自動計算されない状態の時は「再計算」が表示される


また、計算に利用される値を変えても計算結果が変わらず自動計算されない状態の場合は、Excel の左下のバーに「再計算」が表示される。
この「再計算」をクリックするとシート内に設定している計算式の全てで再計算が実行されて正しい値が表示されるようになる。

2.Excel で自動計算されなくなる原因

Excel で自動計算されなくなる原因は、「計算が自動になっていない」ことと「セルの書式が文字列」になっていることが挙げられる。

2-1.計算方式が手動になっている

Excel で自動計算されなくなり上記のように値を変えてステータスバーに「再計算」が表示される場合は、Excel の計算方法が自動ではなく手動で行うように設定が変わっている。

この場合、後述の計算を自動で行うように設定する必要がある。

2-2.セルの書式設定が「文字列」になっている

Excel で自動計算する設定になっているにも関わらず、値を変えても計算されない場合は、計算式を入れているセルの書式設定が「文字列」になっていることが考えられる。
この場合、対象のセルを右クリックして表示される項目から「セルの書式設定」を選択して、タブ「表示形式」から標準か、数値を選択する。

「セルの書式設定」を選択して設定


3.Excel で自動計算させる方法

Excel で自動計算させる方法としては、Excel の上部メニューより「数式 -> 計算方法の設定」を選択して表示されるメニューから行うことができる。
下図のように「計算方法の設定」を選択すると「手動」にチェックが入っている場合は、計算が自動で行われない。

計算方法の設定から「自動」を選択する

セルの計算を自動で行わせるためには「計算方法の設定」で「自動」にチェックを入れることで、シート全体のどのセルでも関数や数式が自動的に結果が反映されるようになる。

4.Excel の計算が手動にしておくメリット

Excel のセルに入力した計算式が自動計算されないと一見不便に感じるが、手動にしておくメリットもある。
自動計算するということは、Excel がシートを開いている間は値が変更されたか常に確認し、変更があれば変更する動作に入るため、シート中の数式が多いと処理に時間がかかったり、Excel の動作が重くなったりする。



そこで、Excel の動作を軽くするために自動計算を「手動」にしたり、修正前と修正後の結果を比較する際に、好きなタイミングで再計算したい場合に手動計算を利用する。

ただし、手動計算の場合は計算操作漏れが発生しやすいので、「F9」キーを押下したり、タブ「数式」の「再計算実行」やステータスバーの「再計算」をクリックして再計算するように注意が必要である。

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