[初回公開] 2011年11月18日
Excel で行や列の背景色を交互に付けることで密集した文字列や列が読みやすくなる効果があり、データ集計や報告資料を作成する中で正しい内容を掲載するだけでなく見せ方にも配慮することが必要で、余白や見出しを付けるなどして資料を読みやすくすることも重要になるが、背景色を交互に付ける方法とメリットについて紹介する。

このページの目次
1.Excel で行や列を見やすくするメリット
Excel で行や列を見やすくするメリットとしては、資料を見る読み手が一目見てわかりやすくなることと、誤認を防止する点がある。
複数行、もしくは複数の列がある表を見る場合、背景色が単色だと同じ行や列を目で追っていても情報量が長いと違う行や列の情報を見てしまい、情報伝達の行き違いが発生したり、情報を読み取るための労力がかかり会議やコミュニケーションの効率が落ちてしまう。

読みやすい資料作成をする手法にはいくつかある中、その中で行と列ごとに違う背景色を付ける方法がある。
背景色が違うことで目で情報を追った場合に同じ色の箇所だけを見ればよいので非常に読みやすく、頭に情報が入りやすい。
分類ごとに複数の色を使って色分けするとより効果が出るが、闇雲にさまざまな色を付けてしまうと色が入りすぎて値や文字が見づらくなるので利用する背景色は数種類に留めておいたほうがよい。
2.Excel で行や列を交互に背景色を付ける方法
Excel で行や列を交互に背景色付ける方法は、「任意の行や列に背景色を設定する方法」と、条件書式で「自動的に交互に背景色を付ける方法」がある。
どちらもメリットとデメリットがあるが、Excel のシート全体に交互に背景色を付けるのか、部分的でよいのか用途と編集の手間に合わせて使い分けるとよい。
2-1.任意の行や列に背景色を設定する
行や列を交互に背景色付ける方法の 1 つとして、各行、または各列を選択した状態でセルの背景色を設定する。
操作手順は行ごとまたは列、もしくはセルをマウスで選択した状態で上部メニューから背景色を選択するだけでよい。
背景色を付けるには画面上部のリボンにあるマーカーマークをクリックするか、選択した状態で右クリックしても背景色を指定することが可能である。

この方法の場合、背景色を付けたい箇所だけ指定できるので、1 つのシート内に表が複数あってもピンポイントで背景色が付けられるので、後々修正する場合も容易なのがメリットである。
反面、背景色を付けたい行や列を選択する必要があるので、行数と列数が多いと手間がかかるデメリットがある。
2-2.条件付き書式で自動的に背景色を付ける
行や列を交互に背景色付ける方法の 1 つに、条件付き書式を利用してセルに偶数行または奇数行に背景色を付ける設定を入れると自動的に背景色が付くようになる。
今回は下図のように 1 行目は背景色が無い空欄の行とし、2 行目は表の項目、3 行目以降は値や文字列を入力する表を想定して作成する。

まず条件式書式を設定したい行またはセルをマウスで選択した状態で上部メニュー「書式 -> 条件付き書式」をクリックする。
条件付き書式をクリックすると下図のように設定ウィンドウが表示される。

条件付き書式の設定ウィンドウではセルに対して複数の条件を指定することができる。
まず条件 1 には表の 1 行目は背景色を付けないため、プルダウンから「数式が」を選択して入力欄には「=ROW()<=1」と入力する。
書式は何もしないためボタン「書式」は条件 1 では利用しない。
この設定で「ROW()」は行番を示すもので、「<=1」は 1 以下、すなわち 1 行目以下の場合は背景色を白とすることを設定している。
次に条件 2 には表の 2 行目の設定として、プルダウンから「数式が」を選択して入力欄には「=ROW()=2」と入力する。
同じく「ROW()」は行番を示すもので、「=2」は 2 行目の時だけ適用される。
ボタン「書式」をクリックして背景色をやや濃いグレーにすることで、Excel のシートで 2 行目は背景色が自動的に付くようになる。
最後に条件 3 には表の 3 行目以降の設定として、プルダウンから「数式が」を選択して入力欄は「=MOD(ROW(),2)=0」と入力する。
Excel の関数「MOD()」は割り算した余りを示すもので、() の中は「割り算の対象 , 割る数値」を指定する。
今回は MOD() の () 内には「ROW(),2」とすることで「現在の行数÷ 2」となり、その計算の結果余りが 0 であれば偶数、 1 であれば奇数と判定させることができる。
改めて入力欄の「=MOD(ROW(),2)=0」の意味としては、各行で余りが 0 すなわち偶数行であれば書式が適用されることになる。
さらに今回はボタン「書式」をクリックして背景色をやや濃いグレーに設定している。
尚、この方法では行に対して交互に背景色を付けるようにするため関数「ROW()」を利用しているが、列に対して行う場合は関数「COLUMN()」を利用する。
このように条件付き書式で自動的に行または列に背景色が付くので情報量が多い場合は背景色を付ける手間が無いのがメリットである。
反面、セルごとに背景色を指定しても「条件付き書式」の設定が優先されるため個別に背景色が付けることができなくなるのがデメリットである。
セルを選択して背景色が付かない場合は「条件付き書式」が設定されている可能性があるため、書式がセルに適応されていないか確認するとよい。
2-3.テーブルスタイルでデザインを適応する
最近の新しい Excel では予め見出しと背景色が複数用意された「テーブルスタイル」があるため、簡単に行ごとに交互に背景色が付いた表を作成することができる。
テーブルスタイルを利用するためには、デザインを適用したいセルを選択した状態で、画面上部のメニューから「テーブルスタイル」をクリックするだけでよい。
ただし、「テーブルスタイル」を適用したあとは行の追加ができなくなるため、編集する場合は一度セルからスタイルを解除する必要がある。
関連記事
マクロ付きの Excel で起動時の警告ウィンドウを出さなくする方法 – Office の使い方(6)
Excel にはマクロと呼ばれる自動的に複数の計算や集計したり、グラフを作成するといったプログラム処理を行うことができるが、マクロを組み込んだ Excel ファイルは開くたびにマクロを有効にするかを問う警告ウィンドウが表示されるため…
Excelで矢印キーを押すとシートが動いてしまう場合の対応方法 – Office ソフトの使い方(7)
Excel で文字や数値を入力する際に選択したいセルの移動はマウスで任意の箇所をクリックするか、上下左右の矢印キーを押してカーソルの場所を変更させるが、矢印キーを押すと選択したいセルにカーソルではなくシートが移動してしまう場合…
Excel でドロップダウンリストを階層的に切り替える方法 – Office ソフトの使い方(8)
Excel の値の入力方法はセルに直接入力する場合と、既に決められた値をマウスで選択するドロップダウンリスト(プルダウン)があり、ドロップダウンリストは複数連動することで階層的に選択肢を切り替えることもでき、1 つ目の選択肢を…