[初回公開] 2020年10月06日
Excel をインストールして初期状態で起動するとシートに入力できるフォントは「MS P ゴシック」で設定されており、フォントサイズは 11px の状態で始まるが、MS P ゴシックは入力する文字よってはバラつきがあり全体を見渡すと見づらいので、Excel 起動時の初期フォントを変更して見やすい資料を作成する方法を紹介する。
このページの目次
1.Excel 起動時のフォントの状態
Excel を起動した直後のフォントの設定状態は、スタイルは MS P ゴシックでフォントサイズは 11px となっている。
この設定はシート内のセル全てに適用されている。
Excel はセルごとにフォントが変えられる他、セル内の文字列を選択した状態で部分的にフォントスタイルやフォントサイズを設定することができる。
下図は一部分だけデフォルトのフォント設定から「HG ゴシック E」にしてフォントサイズを 8px にした様子である。
2.フォント「MS P ゴシック」とは
MS P ゴシックとは、OS の Windows を開発提供している Microsoft 社が Window OS 標準のフォントとして提供しているもので、20 年以上利用され続けているフォントスタイルである。
類似のフォントに MS ゴシックがあるが、MS P ゴシックの P はプロポーショナル(Proportional)を意味し、文字と文字との間隔が自動調整される特徴がある。
MS P ゴシックと MS ゴシックの違いとしては、どちらも字体は同じだが文字間隔が異なっており、同じ文字数でも MS ゴシックの方が文字列が横長になる。
最近の Windows OS では MS P ゴシックに代わり、メイリオが初期設定のフォントとして利用されている。
3.フォント「メイリオ」とは
フォントスタイルの「メイリオ」とは、Windows Vista の発売以降に標準インストールされているフォントで、文字が同じ幅に配置されるのが特徴である。
MS P ゴシックに比べると線がやや太いものの、1 文字 1 文字が同じ幅なので長文でも文章が揃いやすく全体的に見やすくなる傾向がある。
尚、Meiryo UI はメイリオから派生したフォントである。
4.Excel でフォントを変えて見やすい資料を作成するメリット
Excel でフォントを変えて見やすい資料を作成するメリットとしては、文章が複数行に渡る場合、文末の位置が揃う点と、上下の文字の位置が揃うので文章が読みやすくなる。
下図は上から MS P ゴシック、MS ゴシック、メイリオの順番で並べたもので、MS P ゴシックと MS ゴシックでは自体は同じでも文字と文字との間隔が異なっているのがわかる。
MS P ゴシック、MS ゴシックともに半角英数字は間隔が無く読みづらく、特に MS ゴシックは「う」の前後に余白があるため 1 文を見た際に文字の位置のバランスが悪い印象を与える。
さらに字体の線が細いので識字性が下がるデメリットがある。
対してメイリオは半角英数字でも一文字一文字に幅があるので読みやすく、太さがあるので識字性が上がっている。
そのため文字だけの資料でも、読みやすいフォントを選択することで読み手に「読まないといけない」という潜在的なストレスを与えないので資料の内容が頭に入りやすくなる効果がある。
尚、図中の右側にあるフォント名にはフォント「新ゴМ」を利用している。
フォント「新ゴМ」は有償となるが、より字体の線が太くなり、1 文字 1 文字が正方形に近い形なので整列されやすく、より見やすいフォントとなっているので、会社ロゴや印刷物で利用されることが多い。
5.Excel 起動時の初期フォントを変更する方法
Excel 起動時の初期フォントを変更する方法は、Excel のオプション設定から行う。
Excel の初期起動時は下図のように MS P ゴシックが選択されている。
この起動直後に選択されているフォントスタイルを変更するためには上部メニューより「スタート -> オプション」でウィンドウ「Excel のオプション」を開く。
ウィンドウ「Excel のオプション」が開くと左上の「基本設定」が選択し、右欄にある「次を規定フォントとして使用」から任意のフォントスタイルに変更する。
今回はフォントスタイルを「メイリオ」に変更する。
メイリオは MS P ゴシックに比べるとフォントサイズが大きくなるので、同じく上図の「フォントサイズ」で 11 から 10 に変更も行っている。
オプション画面のボタン「OK」をクリックすると設定が反映され、次回以降、Excel を起動するとフォントスタイルが「メイリオ」となり、フォントサイズは 10px になっているのが確認できる。
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