[初回公開] 2009年05月27日
Excel には異なる 2 つのセルに入力した値や文字列を比較してそれぞれの内容が同じか、またはどちらかが大きいか小さいかを○や×といった結果を表示して一目でわかりやすくすると比較しやすくなったり、入力間違いに気づきやすくなるため、値を比較して判定する方法について紹介する。

このページの目次
1.セルの内容を比較して判定するメリット
Excel で異なる 2 つのセルの内容を比較して判定するメリットとしては「入力間違いのチェック」と「増減をわかりやすくする」の 2 点が挙げられる。
1 つ目の「入力間違いのチェック」とは同じように入力していてもうまく計算や集計ができない場合に全てのセルの内容が正しく記入されているか確認するときに利用できる。
例えば氏名を入力する場合でも姓と名の間にスペースがある場合と無い場合、もしくはスペースがあっても全角スペースと半角スペースではそれぞれ異なる値として Excel は判断するので入力する内容を統一しないと正しく集計したりデータの取得できなくなる。
その場合に内容を比較させると同じくかそうでないかが瞬時に確認することができる。
また、2 つ目の「増減をわかりやすくする」とは、企業であれば品目ごとに前月と今月の増減を一覧で表示したり、学校であればテストの点数の増減を生徒ごとに表示して傾向を分析する資料として利用することができる。
2.セルの内容を比較する方法
セルの内容が正しいか、または大きいか小さいかを比較するためには、比較する数値や文字列が入ったセルとは別に判定結果を表示するセルを 1 つ用意し、そのセルに Excel の関数 if を利用することで実現することができる。
2-1.比較させたい 2 つのセルを用意する
Excel で異なるセルの内容を比較するために、まずは比較したい値を下図のように入力する。
図ではわかりやすいように 1 行目に見出しを入れているため、比較する値はセル A2 と B2 に入力している。
C2 は A2 と B2 の判定結果を表示するために後ほど利用するのでこの時点では空欄にしておく。

2-2.判定結果を表示するセルに関数 if を挿入する
次に、A2 と B2 に入力した 2 つのセルの内容を比較するのに Excel に用意されている関数 if を利用する。
セルの C2 を選択した状態で上部メニューの「数式 -> 関数の挿入」を選択する。

「数式 -> 関数の挿入」を選択すると下図のようにウィンドウ「関数の挿入」が表示される。
関数名の一覧の中から「IF」を選択してボタン「OK」をクリックすると、関数 IF に設定するウィンドウが表示される。

2-3.関数 if に条件となる引数を設定する
表示されたウィンドウ「関数の引数」では、2 つのセルの入力データが正しいのか、または大きい小さいの比較なのかを = など不等号を利用して比較し、
その結果が正しい(真の場合)と正しくない(偽の場合)に分けて設定する。

今回は A2 と B2 に入力したデータが同じかを判定させたいため、「論理式」には = を入力する。
もし大きいか小さいかを判定したい場合は < や > といった不等号を用いる。
また、論理式の通りであれば「真の場合」に表示したい文字列を、反対に論理式が成立していない場合に表示させたい文字等を「偽の場合」に入力すると判定結果に応じて表示される。
関数 if の設定が終わればウィンドウ下部にあるボタン「OK」をクリックするとウィンドウが閉じると同時に設定内容がセルに反映され、結果表示される。
2-4.セルの内容を比較して判定結果が出る様子
ウィンドウ「関数の引数」で関数 if の設定が終わると、下図のように A 列と B 列に入力した値を比較して判定した結果が C 列に表示される。
前述した設定では「A2 と B2 が正しければ○を表示し、異なれば×を表示する」と設定したため、A2 と B2 はともに数値の 10 で同じことから判定結果は真となり○が表示されているのがわかる。

また、他に数値が異なるものや文字列の比較を同じように判定して実施したところ、同じで関数 if の結果が真となったものは○、偽となったものは×が表示されて比較できているのが確認できる。
ただし注意点があり、上図の 6 行目のようにアルファベットの a と A のように小文字と大文字は区別されずに同じ文字として認識されるので小文字と大文字の違いは関数 if では行うことができない。
3.古いバージョンの Excel で値を比較する方法
古いバージョンの Excel であっても 2 つのセルの内容を比較して判定する方法は変わらず、下図のように上部メニューより「表示 -> 関数」を選択するとウィンドウ「関数の挿入」が表示されるので IF を利用することで実現できる。

ウィンドウ「関数の挿入」で関数名「IF」を選択すると続いてウィンドウ「関数の引数」が表示される。
ここで判定する不等号を入力する「論理式」と論理式の結果、合っていれば「真の場合」を、違って入れば「偽の場合」に表示したい文字等を入力する点は前述した新しいバージョンの Excel と内容に変わりはない。

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