[初回公開] 2017年12月06日
PowerPoint は提案書やスライドショーなど第三者に提示する資料の作成に使うソフトウェアだが Word のように簡単な操作で目次(インデックス)のページを作成してクリックすると該当するスライドに遷移する機能が無いものの、数回の簡単な操作とマクロで PowerPoint の目次ページを作成する方法を紹介する。
このページの目次
1.PowerPoint で目次ページを作るメリット
PowerPoint で目次(インデックス)ページを作るメリットとしては、資料を読む人、もしくは講演会やプレゼンで視聴者がスライド全体でどのような内容が記載されていて、それが何ページ目にあるかが一目でわかることである。
目次ページを見ることで資料に掲載されている内容の全体を知り、話の展開が予想しやすくなることで内容が頭に入りやすくなったり、記憶に残りやすくなる。
また、一通り資料を見終わった後に振り返って特定のページ(スライド)を見る場合にも探しやすくなる利点がある。
2.PowerPoint で目次ページを作成する方法
PowerPoint で目次ページを作る方法としては、PowerPoint の機能である「タイトル入力」を利用する。
「タイトル入力」とは、スライドごとに設置することができるテキストボックスである。
「タイトル入力」に文字列を入力すると上部メニューより「表示 -> プレゼンテーションの表示 -> アウトライン表示」を選択して表示形式を変えることで、画面左側に各スライドのタイトルを確認することができる。
アウトライン表示の時にタイトルを表示させるためには、テキストボックスの属性を「タイトル入力」にしておく必要がある。
2-1.スライドテンプレートにタイトル入力欄を用意する
PowerPoint で目次ページを作るために、まずは PowerPoint の上部メニューより「表示 -> マスター表示 -> スライドマスター」を選択してスライドのテンプレートを編集する画面を表示する。
続いて、テキストボックスの「マスタータイトルの書式設定」を上図のように設置する。
テキストボックスを配置する場所や大きさは特に問わないが、一般的には各スライドの上部に配置することが多い。
また、「マスタータイトルの書式設定」のテキストボックスはスライド新規作成時のマスターに既に用意されていることが多いので意図的に用意する操作は必要ない。
もしタイトル用のテキストボックスが無ければ、マスター表示を解除して通常表示に戻し、上部メニューの「挿入 -> 新しいスライド」より「タイトルスライド」を選択して新たに追加されたスライドを利用する。
2-2.マスタータイトルに目次で表示する文字を入力
次に、PowerPoint の表示を「スライドマスター」から「標準」に戻してスライドを編集できる状態にし、設置したマスタータイトルの入力欄に目次ページに表示させたい文字を入力する。
今回は上図のように「表紙」という文字が目次に表示されるように入力している。
2-3.スライドを追加する場合はスライドをコピーしてマスタータイトルがある状態にする
ここで、PowerPoint で新しいページとしてスライドを追加したい場合は、既に作成しているスライドを右クリックしてコピー&ペーストして複製するか、上部メニュー「挿入 -> 新しいスライド -> 選択したスライドの複製」でスライドを追加する。
これは上部メニューの「挿入 -> 新しいスライド」で追加してしまうとマスタータイトルの入力欄が無いスライドができてしまうのを防ぐためである。
スライドの複製で追加したものが上図となり、マスタータイトルには新たに「目次」と「概要」と入力している。
2-4.目次作成のためマスタータイトルを一括で取得する
各スライドに配置したマスタータイトルは目次ページを作成するために利用するが、ここで一括で各スライドのタイトルを取得する。
上部メニューで「表示 -> プレゼンテーションの表示 -> アウトライン表示」を選択すると下図のように画面左側に各スライドの一覧が表示され、ここで表示される文字列は前述のマスタータイトルの内容となっている。
タイトルのデータを一括で取得するためには画面左側に表示されている、いずれかのスライドを選択した状態で「Ctrl + A」で全てのスライドを選択した状態とする。
その全てが選択された状態で「Ctrl + C」でコピーするとクリックボードにマスタータイトルに入力した文字が一括して保存される。
2-5.目次のスライドにマスタータイトルをペーストして目次ページを作成する
アウトライン表示でコピーした全スライドのマスタータイトルのデータを目次ページとなるスライドに配置したテキストボックスなど文字列が入力できるオブジェクトにペーストで貼り付けるとスライドタイトルの一覧として作成することができる。
貼り付けた文字列はフォントやフォントサイズの変更が自由なので、文字を太文字にしたり、インデントをつけて頭出しの位置を変えることで階層のようになり目次として見やすくなる。
3.高度だがマクロで自動的に目次ページを作成する方法
前述のアウトライン表示を利用した目次の作成方法は操作が簡単ではあるが、目次ページを作成した後にスライドが追加になったり、各スライドのタイトルを変更しても目次ページの内容も自動的に変更されることはない。
そのため、スライド操作やタイトルの内容を変更する度に、目次ページも修正する必要がある。
そこで、さらに簡単に目次ページを作成する方法としては、Microsoft Office のソフトウェアに搭載されているマクロを利用することで自動的に目次ページを作成することができる。
PowerPoint を開き、「Alt + F11」キーを押して VBA エディタを起動させ、メニューバーから「挿入 -> モジュール」を選択して下記を記入して実行する。
Sub CreateTableOfContents() Dim pptPres As Presentation Dim tocSlide As Slide Dim slideIndex As Integer Dim tocText As String Dim slide As slide ' 現在のプレゼンテーションを取得 Set pptPres = Application.ActivePresentation ' 目次用スライドを最初に挿入 Set tocSlide = pptPres.Slides.Add(1, ppLayoutText) ' スライドタイトルと番号を取得して目次を作成 tocText = "目次" & vbCrLf & vbCrLf For slideIndex = 2 To pptPres.Slides.Count On Error Resume Next ' タイトルが空の場合を処理 tocText = tocText & slideIndex - 1 & ". " & pptPres.Slides(slideIndex).Shapes(1).TextFrame.TextRange.Text & vbCrLf On Error GoTo 0 Next slideIndex ' 目次スライドにタイトルと内容を追加 tocSlide.Shapes(1).TextFrame.TextRange.Text = "目次" tocSlide.Shapes(2).TextFrame.TextRange.Text = tocText End Sub
実行時は「Alt + F8」キーを押してマクロリストを開き、「CreateTableOfContents」を選択して実行すると簡単に目次を作成することができる。
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