[初回公開] 2020年04月08日
Excel でセルに文字や値を入力する場合にキーボードで直接打ち込むのではなく予め入力したいデータを用意し、そのデータを一覧で表示して選択するだけで入力できるプルダウンを名前の定義を使って作成する方法を紹介する。
このページの目次
1.プルダウン(ドロップダウンリスト)を利用するメリット
Excel でプルダウン(ドロップダウンリスト)を利用するメリットとしては、「データ入力が簡単」と「入力間違いの防止」、そして「入力値の統一化」の 3 点が挙げられる。
1 つ目の「データ入力が簡単」とは、セルを選択して文字や数値をキーボードで打ち込むの対して、プルダウンで入力したい値を選択できるようにしておけばマウス操作だけになるため作業の効率化を図ることができる。
2 つ目の「入力間違いの防止」は、人の手で操作してデータを入力するので入力間違いは避けることはできない。
そこで、プルダウンで入力値を選択するようにしておけば入力間違いを防ぐことができる。
3 つ目の「入力値の統一化」は、同じ意味の文字列でも半角と全角が混ざっていたり、大文字小文字の違いなど入力者によりデータが異なることがある。
入力されたデータが異なると集計や検索が正常に動作しなくなるため、プルダウンにすることで入力されるデータを統一することができる。
Excel でプルダウンを作成する場合はいくつか方法があるが、名前の定義を使って作成する方法が下記となる。
2.Excel の名前の定義とは
Excel の名前の定義とは、関数で値の範囲を指定する場合にセルの場所ではなく、予め指定したセルの範囲に名前を付けたものである。
これにより、セルの範囲を使い回したい時に都度、セルを指定しなおさなくても付けた名称だけでセルの範囲を指定したことになる。
3.名前の定義を使ってプルダウンを作る方法
名前の定義を使ってプルダウンを作る方法としては、予めプルダウンの選択肢に表示させたい値を用意し、その範囲に名前を付ける。
プルダウンをシート上に配置する場合に定義した名前を指定するだけで利用できるものである。
3-1.プルダウンに表示する選択肢を用意する
プルダウンを作成するために、まず表示する選択肢を用意する。
Excel のシート「Sheet1」のセル A1 から下の行に向かって下図のようにセルに入力させるデータを用意する。
今回は都道府県が選択できるようにしている。
セルには「1.北海道」と数値と起動も入力しているため、プルダウンにした際にも同様の表示となる。
また、セルの入力値も「1.北海道」として取り扱われる。
図のように数値とピリオドが不要であれば「北海道」のように都道府県名のみを入力するようにするとよい。
3-2.値の範囲を名前で定義する
次にプルダウンに選択肢として表示させたいセルをマウスなどで選択した状態で右クリックして操作メニューを表示する。
そのメニュー内にある「名前の定義」をクリックする。
「名前の定義」をクリックすると下図のようなウィンドウ「新しい名前」が表示される。
そのウィンドウで「名前」には任意の文字列を入力し、ここでは例として「都道府県リスト」を入力している。
「範囲」と「参照範囲」はこのウィンドウを表示する前にプルダウンに表示させたいセルの範囲を選択しているので既に入力された状態となっている。
もしセルの範囲を変更したければ、「参照範囲」の右にあるマークを選択して範囲を選択し直す。
定義する名前とセルの範囲が決まれば、ボタン「OK」をクリックして登録を完了させる。
名前の定義が完了すると、上図の赤枠の箇所のように設定した名称になっているのが確認できる。
3-3.プルダウンをシートに配置する
続いて、プルダウンをシートに配置するために、配置したいセルを選択して画面上部メニューより「データ -> データの入力規則 -> データの入力規則」を選択する。
ここではシート「Sheet2」のセル「B2」にプルダウンを設置することとする。
「データの入力規則」を選択すると下図のようにウィンドウ「データの入力規則」が表示される。
タブ「設定」の中にある「入力値の種類」はリストを選択する。
また、「元の値」には =(イコール)に続けて定義した名前「都道府県リスト」を記入し、ボタン「OK」をクリックする。
ボタン「OK」を押すと選択していたセル B2 にプルダウンが配置される。
3-4.配置したプルダウンを利用する
シート上に配置したプルダウンを利用する場合は、プルダウンを配置したセルをクリックするとリストが表示される。
表示された選択肢の中から入力したいデータをクリックすると、そのデータがセルに入力される。
また、セルに入った値は手入力して文字や値と同じように検索や集計で利用することができる。
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