[初回公開] 2021年09月21日
Excel で円グラフを作成する場合は初期状態のデザインのままでもグラフ内の各データが色分けされて見やすいが、さらに手を加えることで見やすくなったり、一目見て与える印象を操作する他に、グラフに対する説明がなくても視覚的にわかりやすいデザインにする方法を紹介する。

このページの目次
1.Excel で円グラフを作る方法
Excel で円グラフを作成するには、まずグラフ内に利用するデータをシートに入力する。
今回はアンケートに回答した人数を年代別に分けた想定で、下図のようなデータを用意し、これを元に円グラフを生成する。

次に入力したデータの中からグラフにしたい範囲をマウスでドラッグして選択した状態にする。
その状態で上部メニューより「挿入 -> グラフ」を選択する。

画面上部のリボンに表示されている棒グラフや折れ線グラフなどのアイコンをクリックするだけでもグラフが生成されるが、グラフ欄の右下にある矢印をクリックすると作成できる他のグラフの候補が表示される。
グラフ欄に右下の矢印をクリックすると下図のようにウィンドウ「グラフの挿入」が表示されるため、今回は円グラフをクリックする。

円グラフを選択するとシート上の指定した範囲のデータを利用した円グラフが生成される。

Excel でグラフを配置した初期状態はこのように青色やオレンジなど各要素が色分けされた状態となる。
ここからグラフを見やすくしたり、見た時の印象操作するためにおしゃれにデザインするのが次の通りである。
2.Excel の円グラフをおしゃれにする 9 つのポイント
Excel でグラフを作成する場合は、データの範囲を選択して生成したいグラフをクリックするだけで簡単に出来上がる。
しかし、このグラフに一手間かけるだけでおしゃれに見栄え良くすることができ、グラフを一目見ただけで伝えたい内容が認識されやすくなる。
前述で作成した円グラフを例におしゃれにする 9 つのポイントが下記となる。
2-1.グラフタイトルを変える
グラフを作成するとグラフタイトルも含まれているがその内容が「グラフタイトル」となっており何を示すグラフかわからない状態であるため、グラフが示している内容に書き換えることで何のデータかがわかりやすくなる。
グラフタイトルの文字列を変更するためには、グラフタイトル部分をマウスでクリックして下図のように選択された状態にする。

この状態で文字列部分にマウスカーソルを合わせて文字を変更するか、右クリックして表示されるメニューより「テキストの編集」を選択すると下図のように内容を書き換えることができる。

2-2.グラフタイトルのフォントを変える
グラフを作成した初期状態のグラフタイトルは背景色が白色で文字が黒であるため、色があるグラフ部分に比べると目立たない。
そのためグラフタイトルとして見落としがちになるため、フォントを変更して背景色を付けると目立つようになる。
先ほどと同じようにグラフタイトル部分をマウスでクリックして選択した状態にして右クリックして、「フォント」を選択する。

メニューから「フォント」を選択するとウィンドウ「フォント」が表示されるため、フォントとサイズを変更してボタン「OK」をクリックするとグラフタイトルのフォントが変更される。
この時、フォントは太文字のものを選び、フォントサイズの数値は上げるほうがより目立たたせることができる。

また、ウィンドウ「フォント」のタブ「文字幅と間隔」をクリックするとグラフタイトルの文字と文字の間の左右の間隔を広げたり狭めたりすることができる。

さらにグラフタイトルの背景色と枠線を変更する場合はグラフタイトル部分をマウスでクリックして選択した状態にして右クリックし、書式設定を選択すると Excel の右側に塗りつぶしと枠線の項目が表示される。

以上のフォントと背景色を変更したグラフタイトルが下図となる。

グラフ生成時の初期状態に比べるとグラフタイトルが目立つようになり、何を示すグラフかわかりやすくなった。
しかし、グラフタイトルに背景は付けられるが上に余白ができてしまい、図形と文字との間隔は調整することができない。
また、グラフタイトルの左右の余白も変更することができないので、よりデザイン性を求めるのであればグラフタイトルを非表示にして、別途、文字を入力したデザインしやすい長方形の図形などを前面に配置するとよい。
2-3.グラフの色を変える
Excel でグラフを作成すると初期状態でも見分けがつきやすいように多くの色を用いて塗りが適用されるが、色に統一がないので一見すると色が混在して把握しづらい点も挙げられる。
そこで、グラフの色を個別に変更することでグラフを見やすくする。
色を変更するには、変えたいグラフの要素を選択して、四角形のポインタが表示された状態にする。

次に上部メニューより「ホーム -> 塗りつぶしの色」で変更したい色を選択するとグラフの色が変わる。

グラフの要素は、それぞれ選択して塗り分けすることができる。
色相が混在すると見分けは付きやすくなるが、デザイン性は落ちるため今回は同系色で変更したものが下図となる。

また、グラフの個々のパーツの色を変更するとグラフの下部にある凡例の色も同時に変わるのが確認できる。
2-4.グラフにデータの値を付け加える
グラフを生成すると指定した範囲に応じて色分けされるが、その色分けされた各要素の値は表示されていないため、要素ごとを比較したい場合はグラフの大きさを見て判断するしかない。
そこでグラフの前面にデータ値を表示することで凡例と見比べるよりもさらにグラフが示す割り合いがわかりやすくなる。
データの値をグラフに表示するためにはグラフを選択した状態で右クリックし、表示されるメニューの中から「データラベルの追加 -> データラベルの追加」を選択する。

「データラベルの追加」を選択すると下図のように各グラフの要素の前面にデータの値がラベルとして表示される。
各要素の幅に収まり切らなかったラベルはその近辺に配置される。

また、追加表示したラベルはフォントや文字色を変更することができるため、要素に重なって見づらい場合は対称色(要素が黒ならラベルは白にする)に変更することで見やすくなる。
2-5.全体に対するデータのパーセンテージを付け加える
グラフの前面にデータの値となるラベルを表示させたものの、それが全体に対して何パーセントかといった割合にしたい場合がある。
割合を視覚化したい場合は、ラベルと同時にパーセンテージを表示させることができる。
パーセンテージを表示するにはグラフ前面にあるラベルを選択した状態で右クリックし、表示されるメニュー内の「データラベルの書式設定」を選択する。

「データラベルの書式設定」を選択すると Excel の右側に書式設定が表示されるため、その中から「パーセンテージ」にチェックするとラベルの横にパーセンテージが表示される。

パーセンテージにチェックするだけだと「ラベル , パーセンテージ」とカンマで区切られて横並びで表示される。
ラベルとパーセンテージを改行で分けたい場合は「区切り文字」のプルダウンより「(改行)」を選択する。
2-6.凡例を縦並びにする
グラフを生成するとグラフと同時に各色が何を示しているか凡例も表示されるが、横並びでは色と項目が交互になり、どの色が何を示しているかわかりづらくなる。
また、凡例が横長になるほど円グラフの左右に余白ができてしまい、無駄にシートの場所を占有してしまう。
そこで凡例を縦並びにしてグラフの横に配置することでグラフの左右に余白が無くなり効率良くシートに配置できる。
凡例の配置を変更するには下部のように凡例をマウスでクリックして選択して状態とする。

次に凡例を選択した状態で枠線をマウスでドラッグしたり、頂点にある四角形の位置を調整することで凡例の調整を行うことができる。
頂点を縦長になるように変形させると凡例も自動的に立て並びになる。

2-7.グラフの大きさを変える
作成したグラフは拡大縮小することができるので、資料やディスプレイ表示などグラフサイズが小さく見づらい場合は大きくするとよい。
また、グラフの各要素にラベルを表示させている場合は、グラフを大きくすることで各要素も大きくなるためラベルを要素の上に配置しやすくなる。
グラフの大きさを変えたい場合は、下図のようにグラフをマウスでクリックすると枠線が表示される。

枠線の頂点にある四角形を移動することでグラフを拡大縮小することができる。
また、頂点の四角形ではなく枠線をドラッグすることでグラフエリア内の好きな場所に移動することができる。
ただし、グラフを拡大する場合はグラフエリアよりも大きくすることはできないため、よりグラフを大きくしたい場合は先にグラフエリアを拡大させておく必要がある。

最終的にグラフタイトルやグラフの大きさなどを調整して見やすくした円グラフは上図となる。
円グラフの初期状態ではグラフの左右に余白があるが、グラフを拡大させて凡例との位置を調整することでシート上の空間を無駄なく活用することができる。
また、グラフをより大きく配置できるようにグラフタイトルを右に寄せている。
2-8.データ値の多い順に並べる
Excel で生成されるグラフはシートに入力しているデータの並び順に沿って作られるため、グラフ内の要素も降順や昇順で並んではいない。
そのため、グラフを生成した後でもデータの多い順(降順)に並び替えることでグラフの要素を大きい順に並び替えることができる。
まずはグラフの元となっているデータを選択する。
今回は下図のように行ごとにデータを入力しているのでグラフで利用しているデータがある列ごと選択する。

次に上部メニューより「データ > 並び替え(降順)」をクリックしてデータの並び替えを実行する。

シート上のデータの並び替えが終わると自動的にグラフも値の大きい順(降順)でパーツの組み換えが行われる。
同時に、凡例の順番もデータの値が大きい順に変わってしまうので、図のサンプルのように「10 代」「20 代」と世代順で表示させたい場合は注意が必要である。

2-9.強調したいところを分離させる
Excel の円グラフは真円内を分割した形で生成されるが、要素ごとに分離させて強調させることができる。
真円から分離させる場合は、要素をマウスでクリックして選択状態とする。

分離したい要素を選択すれば、そのままマウスをドラッグしてグラフ本体から引き離すと下図のように分離させることができる。

また、書式設定で「要素の切り出し」の数値を変更することでも分離させることが可能なため、要素ごとに分離の移動幅を均等に変えたい場合は数値による分離を行うことで整ったデザインで要素を配置することができる。
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