PowerPoint で扇形の図形を作る方法 – Office ソフトの使い方(5)


[初回公開] 2010年07月05日

PowerPoint には四角形や円など基本となる図形が既に用意されているので画面上部のリボンからすぐにスライドに配置できるが、円グラフでよく用いられるアーチ状の半円や扇形は基本図形に無いため、図形を組み合わせたり線種を利用して扇形の図形を作る方法を紹介する。

PowerPoint で扇形の図形を作る方法

1.PowerPoint で扇形の図形を利用するシーン

PowerPoint で扇形の図形を利用するシーンとしては、「円グラフのパーツ化」と「イラストの作成」が挙げられる。
円グラフは Excel で作成したものをコピー&ペーストしてスライドに配置することも可能だが、単なるデータではなく提案書やプレゼンで視覚的に強調したい場合は PowerPoint で扇形の図形でグラフを表現するとよい。

PowerPoint で提案書を作成している様子


また、画像編集ソフトが無い環境で簡単なイラストやアイコンを作りたい場合に他の図形と組み合わせて扇形も利用されることがある。

1-1.円グラフで強調させて見やすくする

円グラフは下図のように各要素を扇形で色分けし、特に強調したい箇所の位置をずらして配置することで読み手の目に付きやすくなるため、伝えたい内容を強調したい場合に活用できる。

円グラフの各要素を扇形で色分けして強調する

円や四角形など一般的な図形と違って扇形の利用シーンは少ないが、扇形で比率を視覚的に表す円グラフでは資料の見た目にインパクトを与えやすい。

1-2.イラストの作成

提案書やプレゼンで利用する PowerPoint は文字だけでなく写真やイラストもあることでより内容を伝えやすくなる。
そのため、画像編集ソフトでイラストを作成せずとも、アクセントを付けたい場合は図形の種類が多く、移動や結合がしやすい PoerPoint は簡単に図形を組み合わせて作成しやすいツールである。

見出しアイコンに扇形を利用する

また、資料の見出しや箇条書きの頭にアイコンを付けることで他の資料や文章と差別化して目に留まりやすくする。
内容を箇条書きにする場合は円や四角形など基本図形を使うことが多いが、扇形などを使うと違った雰囲気になる。

2.PowerPoint で扇形の図形を作る方法

PowerPoint で扇形の図形を作る方法はいくつかあり、PowerPoint に用意されている基本図形を用いた手法が次の通りである。
扇形は下図のように 1 辺が円弧で残りの 2 辺が直線の図形で、古い PowerPoint のバージョンでは基本図形として用意されていない。

PowerPoint で扇形を作った様子

最近の PowerPoint では基本図形を変形させることで扇形を作ることができるが、古い PowerPoint の場合は他の基本図形を組み合わせて扇形を作ることができる。

2-1.他の図形でマスクして扇形を作る方法

扇形の図形を作る方法の 1 つに他の図形でマスク(部分的に見えているところを隠す)して扇形を作る手法がある。
作成方法は、円の図形を用意してその上に背景色と同じ色の三角形や長方形を乗せて下図のように扇形になるように図形を組み合わせる。

他の図形でマスクして扇形を作る方法


原理としては三角形や長方形で円図形の一部を隠して、目に見えている部分だけが扇形に見えるようにするものである。
扇型に枠線を付けたい場合は設置した三角形や長方形など円を隠している図形に沿って、円の枠線と同色で同じ太さの直線を最前面に設置すれば、枠線付きの扇形に似せて用意することもできる。

ただし、この方法の場合は扇形に他の図形を隣接させたい場合や、扇型の背面に画像や写真、または背景色が単色ではなくグラデーションの塗りを用いている場合は円を隠している三角形や四角形の図形が見えてしまい、扇形に見えなくなってしまう欠点がある。

2-2.円弧図形を利用して扇形を作る方法

扇形の図形を作る方法の 2 つ目は円弧図形を利用して扇形を作る手法がある。
円弧の図形を設置すると曲線のみが表示されるため、図形に線ではなく塗りの色を付けることで下図のように扇形にすることができる。

円弧図形に塗りを使って扇形にした様子

さらに、黄色のパスポイントをドラッグすると扇形を形成する角度を調整することができるので図形の変形も容易である。

基本図形で円弧を選択する様子

デメリットとしては、扇形の半径となる 2 本の直線は線の色を指定しても着色されないため、この 2 直線に線色を付けいた場合は別途直線の図形を最前面に設置する必要がある。

2-3.パイ図形を利用して扇形を作る方法

扇形の図形を作る方法の 3 つ目はパイ図形を利用して扇形を作る手法である。
パイ図形とは、円周率のπから命名されたもので、最近の PowerPoint には基本図形として用意されている。

基本図形からパイ図形を選択する


パイ図形を初期設置すると下図のように円グラフのように円に近い状態となっている。

パイ図形を設置した様子

この状態でパイ図形を選択すると変形可能を示す黄色のポインタが表示されるので、ポイントをマウスでドラッグ(移動)させることで円の角度を 0 度から 360 度まで自由に図形に変形することができる。

パイ図形を用いると前述の円弧図形と違い、図形を取り囲むように線色を指定することができるのでデザインが行いやすい。

現時点ではこのパイ図形を用いて扇形を作成する方法が一番簡単で、設置した扇形の線色や塗色の設定が行いやすいので他の図形とも組み合わせやすく、資料を作成編集する場合も取り扱いやすいメリットがある。

2-4.アーチ図形を利用して扇形を作る方法

前述のパイ図形と同じように PowerPoint にはアーチ状の図形も用意されており、形状を整えることで扇形に近い状態にすることができる。
スライド上にアーチ図形を配置し、黄色のポインタをドラッグすることで扇型から円形までドーナツを切り取ったような図形を配置可能である。

アーチ図形で扇形を作る様子

デメリットとしては、円中心部分が鋭角にならないので、中心部をくり抜いたような扇型にしたい場合に利用するとよい。

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