Excel などパスワードでファイルを開けなくする方法 – Office の使い方(2)


[初回公開] 2009年09月04日

パソコンで作成したファイルは特定の人以外に見られたくない場合はファイルにパスワードをかけて開けなくする手段が有効で、特にメールの誤送信や傍受で情報漏洩しないようにするのに利用されることが多く、Excel や Word など Office 製品でファイルにロックをかけてパスワードがないと開けないようにする方法に紹介ついてする。

Excel などパスワードでファイルを開けなくする方法

1.増加しているパスワード無しでデータが漏洩している現状

個人情報や企業の機密情報など、重要なデータが外部に漏洩する事件は後を絶たず、特にファイルにパスワードをかけていれば防げた事案が多い。
重要データが入った USB メモリの紛失や添付メールの誤送信といった人為的ミスは昔から減ることなく発生しているとともに、最近ではパソコンがウィルスに感染して漏洩するといったことも増加傾向にある。

増加しているパスワード無しでデータが漏洩している現状


パソコンで作成したファイルやスマホで撮影した写真や動画など電子データは紙媒体と違い瞬時に複製(コピー)できるとともに、編集が容易なため、手作業に比べると手間と時間がかからないメリットがある。

メリットの反面、情報が漏洩すると複製が出回りやすくなるデメリットもあり、一旦インターネット上に出ると完全な回収はできないと考えたほうがよい。

そのためファイルで個人情報や会社やシステムの機密情報を保存する場合は、ファイルが容易に操作されたり紛失しないように取り扱いに注意する必要がある。

2.データファイルの情報漏洩を防ぐ手段

データファイルの情報漏洩を防ぐ手段としては、「ファイルにパスワードをかける」「暗号化 USB を利用する」といった、不正にデータを取集されてもすぐには利用できないようにしておくことを勧める。

ファイルにパスワードをかける場合は、後述する Excel など Office 製品に機能としてパスワードをかけられる場合と、パスワードがないと解凍できないように圧縮ファイルに変換する手段がある。

次に最近では情報漏洩対策のため、パスワードを入力しないと開くことができない USB や外付けの SSD が販売されている。
セキュリティ対策済の外付け記憶デバイスを利用することで紛失しても情報漏洩の確率が格段に減らすことができる。

紛失してもデータ漏洩を防止する外付け SSD ハードウェアごと暗号化をする方法

また、紛失やウィルス感染での個人情報や重要データの漏洩の他に、組織内の悪意ある人による持ち出しの事件も後を絶たない。
そのため、関係部署や担当者にはファイルの読み書きを禁ずる、操作権限を与えることで防止することができる。

税金やマイナンバーカードなど、重要情報を取り扱う自治体では日常業務と重要情報を操作するネットワークと端末を分けているといった物理的に遮断している方法も情報漏洩の防止策の 1 つである。

今回は Excel と PowerPoint といった Office 製品で機能を用いてファイルにパスワードを設定する方法を次の通り紹介する。

3.Excel のファイルにパスワードを設定する方法

Excel のファイルにパスワードを設定する方法は、ファイルを保存するときに行うことができる。
ファイルを開く時にパスワード入力を求めるとともに、読み込むだけで編集できないように書き込み時のパスワードもかけることができる。

3-1.「名前を付けて保存」を選択する

Excel でパスワードを設定するためにはまず「名前を付けて保存」を選択する。
上部メニューの「ファイル」を選択して表示されるメニューより「名前を付けて保存」をクリックする。

「名前を付けて保存」をクリック


一般的に「名前を付けて保存」をクリックすると Excel のファイルを保存する先とファイル名を入力するウィンドウが表示され、ボタン「保存」を押すとファイルが保存される。

3-2.「全般オプション」を選択する

ファイルにパスワード設定する場合は、保存先のウィンドウ内のボタン「保存」の左にある「ツール」をクリックして、表示されるメニューの中から「全般オプション」をクリックする。

「全般オプション」をクリック

3-3.読み取りパスワードを設定する

「全般オプション」をクリックすると「読み取りパスワード」と「書き込みパスワード」を設定するウィンドウが表示される。
今回はファイルを開く時のみパスワードを求めるようにするため、「読み取りパスワード」のみに任意のパスワードを入力し、最後にボタン「OK」をクリックする。

「読み取りパスワード」にパスワードを入力

読み取り用のパスワードを入力すると、念のためパスワードに誤りがないか確認するために下図のように設定したパスワードをもう一度入力してボタン「OK」をクリックする。

確認のためパスワードを入力

確認用のパスワードを入力してボタン「OK」をクリックした時点でファイルは保存される。

3-4.Excel でパスワード設定したファイルを開く様子

読み取りパスワードを設定した Excel ファイルを開くと下図のようにパスワードを入力する欄が表示される。
ここに事前に設定したパスワードを入力してボタン「OK」をクリックし、パスワードが間違っていなければ Excel を開いてデータの中身を見ることができる。

Excel でパスワード設定したファイルを開く様子


4.PowerPoint のファイルにパスワードを設定する方法

PowerPoint のファイルにパスワードを設定する方法も前述の Excel と同じように「名前を付けて保存」を実施するときに行う。
もし古いバージョンの PowerPoint を利用している場合は、次のようにオプションから行うため、新しいバージョンの PowerPoint とパスワードの設定方法が異なる点に注意が必要である。

4-1.オプションを開く

PowerPoint にパスワードを設定するためには、まず上部メニューから「ツール -> オプション」を選択してウィンドウ「オプション」を表示させる。

4-2.タブ「セキュリティ」を選択する

表示されたウィンドウ「オプション」の中からタブ「セキュリティ」をクリックすると下図のように読み取りパスワードと書き込みパスワードを設定する画面となる。

タブ「セキュリティ」をクリック

4-3.読み取りパスワードを設定する

今回はファイルを開いた時のみパスワードを求めるようにするため、「読み取りパスワード」のみに任意のパスワードを入力し、最後にボタン「OK」をクリックする。

確認のためパスワードを入力


読み取り用のパスワードを入力してボタン「OK」をクリックすると上図のように、念のためパスワードに誤りがないか確認するウィンドウが表示される。
確認用のパスワードをもう一度入力してボタン「OK」をクリックするとパスワードの設定が終了する。

4-4.PowerPoint でパスワード設定したファイルを開く様子

読み取りパスワードを設定した PowerPoint ファイルを開くと下図のようにパスワードを入力する欄が表示される。
ここに事前に設定したパスワードを入力してボタン「OK」をクリックし、パスワードが間違っていなければ PowerPoint が開いて内容を見ることができる。

PowerPoint でパスワード設定したファイルを開く様子

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