Excel など Office 製品の各機能は画面上部にあるリボンと呼ばれるエリアにボタンとして配置されており、機能が分類ごとに分けられてすぐ呼び出せるように用意されているが、リボンに無い機能やより作業効率を上げるためによく使う機能だけを集約したオリジナルのリボンを作成して機能を入れる方法について紹介する。
1.Office のリボンとは
Office のリボンとは、Excel など Microsoft 社が販売する Office 製品を起動した際に画面上部にある、各種機能のボタンが配置された領域のことである。
各種機能のボタンは「数式」や「表示」など分類分けされており、その分類はタブとして切り替えることができる。
リボンは右下にあるアイコンで表示 / 非表示を設定できるため、ディスプレイサイズが小さいパソコンや作業するスペースを広く取りたい場合はリボンを折り畳んだり、展開することができる。
また、リボンは上図のように予め機能ごとに分類分けされている。
タブ「ホーム」はフォントや配置など Office 製品共通の機能が格納されている。
その他には表計算ソフトの Excel であれば「数式」や「データ」といった入力データを取り扱う機能があり、文書作成ソフトの Word であれば「校閲」といった文書管理機能が用意されている。
2.リボンに入れておくとよいオススメの機能
Ofiice のリボンには全ての機能は揃ってなく、代表的な機能だけが入っている。
そのため、よく使う機能でもリボンにないことで操作手順が増えて作業効率が落ちることも少なくない。
そこでよく利用されやすく、リボンに入れておくとよいオススメの機能として「オブジェクトの選択」がある。
「オブジェクトの選択」とは、Excel や Word、PowerPoint 全ての Office 製品にある機能で、配置した図形をマウスドラッグすることで一気に選択することができる機能である。
例えば Excel でマウスクリックするとセルが選択されるようになっており、図などを配置した場合に一括で図や画像を範囲指定で選択状態にすることができない。
しかし、この「オブジェクトの選択」を有効な状態にすることでマウスクリックしてもセルが選択されずに図等がドラッグで選択できるようになり、図形をまとめて移動させたり、線種を一気に変更したい場合など編集時の作業効率が上げて時間短縮することができる。
3.Office のリボンに機能を追加する方法
Office のリボンに機能を追加する方法としては、まずリボンに自分用のタブを用意し、そのタブの中に好きな機能を追加する。
よく使う機能を既に用意されているリボンに配置することも可能だが、Office のバージョンアップで位置が変わったり、他のパソコンで Office を利用する場合に混乱するため、今回は既存のタブとボタンはそのままにし、新しく自身用のタブを追加してよく使う機能のボタンを配置する。
用意したタブに機能を入れる手順は次の通りである。
3-1.リボンに新しいタブを追加する
リボンに新しいタブを追加するためには、まず上部メニューの「ファイル -> オプション」で Excel のオプションウィンドウを表示させる。
Excel のオプションウィンドウが表示すれば、左メニューにある「リボンのユーザー設定」をクリックすると、Excel に用意されている機能とタブの一覧がウィンドウ右側に表示される。
上図の画面右側にある「リボンのユーザー設定」の列にチェックが入っている名称が、現在 Excel でリボンに表示されるタブとなっている。
ここで図中の2のようにボタン「新しいタブ」をクリックするとリボンにタブが追加される。
追加したタブの名称を変更したい場合は上図のように、ボタン「名前の変更」をクリックすると名前を変更するためのウィンドウが別途表示される。
「表示名」に任意の名称を入力してボタン「OK」をクリックするとタブの名称を変更することができる。
3-2.追加したタブに機能を追加する
次に、タブを新しく追加しただけではリボンを表示させても何も機能のボタンが無いため、同じく Excel のオプションウィンドウよりタブに機能を追加する。
タブに入れたい機能をウィンドウ内の「コマンドの選択」で選択し、画面中央にあるボタン「追加」をクリックするとタブに追加される。
今回は新しく「カスタマイズ」という名称のタブを用意して、「シートの列を挿入」の機能を追加しようとしているのが上図となる。
また、既にタブに機能があればツリー状で確認することができ、図中のようにタブ「カスタマイズ」には「オブジェクトの選択」と「Sheet1.A1 に戻る」が機能として入っているのが確認できる。
一度タブに追加した機能は他のタブで使えないことはなく、他のタブにも同じ機能ボタンを配置することもできる。
実際にオリジナルのタブとして「カスタマイズ」を追加し、その中に機能を追加した様子が上図となる。
よく使う機能の他、マクロもリボンに入れることができるのでワンクリックで作業を自動化させることも可能である。
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