PowerPoint でグレースケール印刷時に出る図形の枠線を消す方法 – Office ソフトの使い方(35)


[初回公開] 2020年04月30日

PowerPoint でカラー印刷ではなくいわゆる白黒印刷(グレースケール印刷)した際に、スライドに配置したテキストボックスや図形に枠線が出ることがあり、客先に提出したり会議等で利用する資料としては見づらくなるので印刷時に枠線が出る原因と枠線を消す方法について紹介する。

PowerPoint でグレースケール印刷時に出る図形の枠線を消す方法

1.グレースケールとは

グレースケールとは、色の三原色を用いたカラー印刷(RGB、CMYK)と異なり白色と黒色だけで構成された配色パターンのことである。
黒色だけで表すモノクロとも異なり、グレースケールは黒から白まで 256 階調で表現することができるため白黒のグラデーションが可能になっている。

PowerPoint で資料作成している様子


Ofiice 製品でグレースケールの設定は印刷時にのみ行うことができ、グレースケールに設定すると白と黒の 2 色ではなく、赤や青といった色相と薄い・濃いといった色の濃淡は全て白色と黒色を混ぜた灰色で表現される。

2.PowerPoint をグレースケールにするメリット

PowerPoint をグレースケールにするメリットとしては、「印刷のコストの削減」と「多くの人に分かりやすく、読みやすいようにする」の 2 点が挙げられる。

2-1.印刷コストの削減になる

PowerPoint をグレースケールにして印刷することで利用するプリンタのインクやトナーのコストダウンにつながるメリットがある。
プリンタのインクは黒(ブラック・BK)だけの消費で済むのが特徴である。

一般的なカラー印刷だと 1 枚あたりにかかるコストが十数円に対して、グレースケールを用いた白黒印刷にすると 1 枚あたり 10 円以下となる。
そのため、経費削減を目的に自治体やコスト意識のある企業では白黒印刷を推奨しているところが多い。

ただし、プリンタや複合機によっては白黒印刷でもブラックを含んだシアン・マゼンダ・イエロー(CMYK)のトナーが十分でないと印刷できない場合があるので利用する機種を確認しておく必要がある。

2-2.ユニバーサルデザインに配慮した資料になる

色弱など目に障害を持つ人にとっては赤系のイラストや文字は見づらくなるため、グレースケールにすることで見やすくなり、多くの人が見ることができるユニバーサルデザインに配慮した資料作成につながる。

3.グレースケールと白黒の違い

グレースケールと白黒はどちらもインクのブラックだけで表すが、厳密には違いがある。
グレースケールはグレーを表現するため薄い黒も含めて 256 階調となるのに対して、白黒はモノクロ 2 階調とも呼ばれ、黒の点でグレーを表現する特徴がある。

4.PowerPoint のグレースケール印刷で枠線が出る様子

PowerPoint のグレースケール印刷で枠線が出る様子としては、下図のように印刷メニューの最下部にある「カラー」を「グレースケール」に変更すると画面右部のプレビュー内で配置した図形に枠線が付くのが確認できる。

グレースケールで印刷すると枠線が出る様子


実際にスライドに配置した図形は下図のように背景色は白色、枠線は無しの横向きテキストボックスの図形を配置している。
そのため、この状態でカラー印刷を行うと図形には枠線が付かずに文字だけが印刷される。

PowerPoint のスライド上に図形を設置した様子

5.PowerPoint のグレースケール印刷で印刷で枠線が出る原因

PowerPoint のグレースケール印刷時に枠線が出る原因としては、グレースケール向けの設定で枠線を表示するようになっているためである。
スライドに設置した図形などオブジェクトに対してグレースケールの設定を個々に行う機能があり、印刷時の設定以外にも PowerPoint にはいくつか設定項目が設けられている。

そのため、カラー印刷の時は表示されないものがグレースケール印刷のみ現れたり、その逆の事象も発生する。

6.PowerPoint のグレースケール印刷で枠線を消す方法

PowerPoint のグレースケール印刷で枠線を消す方法としては、スライド上にあるオブジェクトに対してグレースケール専用の設定を変更することで解決する。

グレースケールの設定はスライドに設置した図形を選択した状態で、上部メニューの「表示 -> グレースケール」を選択して画面表示をグレースケールモードに変更する。

「表示 → グレースケール」を選択する


上部メニューの「表示 -> グレースケール」を選択すると下図のように同じく上部メニューにグレースケールの設定を行う「選択したオブジェクトの変更」が表示される。

選択したオブジェクトの変更で白を選択する

グレースケールの初期設定はメニュー左端の「自動」となっているため、枠線を消すために「白」を選択する。

次いで選択した「白」の右側にあるボタン「カラー表示に戻る」をクリックするとスライドの表示状態がグレースケールモードから通常のカラーモードとなり、従来の PowerPoint のスライド編集画面に戻る。

グレースケール時の印刷で枠線が消えた状態

グレースケールの設定を変更した後、再度、印刷プレビューを表示すると上図のように図形に枠線が無い状態になっているのが確認できる。

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