[初回公開] 2021年08月22日
Excel で HLOOKUP 関数を用いることでシート内に入力している値や文字列をデータベースのようにキーワードで検索して、該当した値や文字列を利用することでデータ入力の手間を軽減して効率化を図る方法について紹介する。
1.HLOOKUP 関数とは
HLOOKUP 関数とは、特定のキーワードを用いて Excel の指定の行に対して検索を行い、該当した列が持つ値を返す機能である。
関数名は水平または横を意味する「Horizon」と、探すという意味の「Lookup」から成り立っている。
HLOOKUP 関数はセルに下記のような形式で入力して利用する。
=HLOOKUP(検索値, 範囲, 行番号, 検索の型)
HLOOKUP で用いるオプション値の中で、検索値には検索するキーワードとなる値を指定する。
検索値があるセルの場所またはダブルクォーテーションで文字列を囲って直接指定することができる。
範囲は検索対象のセル範囲を指定する。
複数行に渡って指定することもできるが、検索対象となるのは範囲内の先頭の行のみとなる。
行番号は検索でヒットした場合に返す値がある行を指定する。
指定する値は範囲の先頭の行から数えた行数となる。
検索の型は TRUE または FALSE の 2 つの指定方法がある。
TRUE または 省略した場合は検索キーワードに一致するか、一致しない場合は近似値を検索のヒット対象とする。
例えば数値であれば 50 を検索キーワードとして 50 が範囲に無い場合は近似値の 47 などがヒットする。
対して FALSE は検索キーワードに完全一致するものだけをヒット対象とし、一致するデータがない場合は #N/A が返る。
実際に Excel に入力する場合は次のようになり、内容としては「セル A3 の文字列を利用して、B5 から D10 の範囲を検索し、キーワードと完全一致したセルがあれば、その該当したセルを含む 2 つ目のセルの値を返す」となる。
=HLOOKUP( A3, B5:D10, 2, FALSE )
2.HLOOKUP 関数の利用シーン
HLOOKUP 関数の利用シーンは、シートに生徒の成績表や在庫や仕入れの製品名を表に記入し、検索したいキーワードでヒットした列の値をすぐに確認するなど簡易的なデータベースのような利用をしたい時に用いられる。
上図は生徒の成績表から、ある生徒の点数を確認するために HLOOKUP 関数を利用した例である。
生徒名を入力する入力欄と検索でヒットしたときに結果を表示する欄を設け、その下部に生徒名と各教科の点数を表で入力したものである。
検索したいキーワードに生徒名「BB」を入力すると BB が持つ点数の内、国語の 90 点が返るように関数を設定している。
3.HLOOKUP 関数の使い方
HLOOKUP 関数の使い方は上図を例に次の手順で表や関数を入力する。
まず、検索対象となる表を下図のように用意する。
5 行目には検索キーワードでヒットさせる生徒名を入れ、6 行目以下に国語や算数など各教科の点数を入れるものとする。
次に、検索結果の値を表示する箇所をセル C3 とするため、C3 に次の HLOOKUP の関数を入力する。
=HLOOKUP( C2, C5:G8, 2, FALSE )
検索キーワードは C2 に入力するため HLOOKUP 関数内のオプション値の中で、検索値は C2、成績を入れた表は 5 行目以下にあるため範囲は C5 から G8 の間としている。
また、範囲の先頭行が 5 行目となり、今回は行番号を 2 とすることから先頭行から数えて 6 行目の値が HLOOKUP 関数で返るようにしている。
HLOOKUP 関数の入力を終えれば Enter キーを押すとセル C3 には検索にヒットしないため #N/A が表示されるが、C2 のセルに生徒名を入れて検索にヒットすれば 6 行目のいずれかの値が表示される。
4.HLOOKUP 関数と VLOOKUP 関数の違い
HLOOKUP 関数と VLOOKUP 関数の違いは、HLOOKUP がある行に対して検索を行いヒットした列の値を返すのに対して、VLOOKUP は列に対して検索を行い、キーワードに該当した行の値を返す違いがある。
すなわち、HLOOKUP 関数は「横方向」に検索し、VLOOKUP 関数は「縦方向」に検索する違いとなる。
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