Word で複数人で更新した修正履歴を残す校閲機能の利用方法 – Office ソフトの使い方(53)

Word は契約書や規定など公的文書の作成で用いられることが多いが、前回分から使い回して利用する場合に加筆修正して変更点があった箇所をわかりやすくしたり、複数人で作業して誰がどこを修正したかが把握しやすくなる校閲機能について紹介する。

１．Word の校閲機能とは

Word の校閲機能とは、文章の変更箇所の内容が保存されコメント形式で表示する機能のことである。
通常の文書作成時は校閲機能は無効になっているが、有効にすることで文字を加筆、修正するたびに情報が保存される。

校閲機能が有効になっている状態で加筆すると追加した文字は赤字で表示される。
また、文字を削除して修正した箇所も赤字になるが、画面右側に修正者名と削除した文字がコメントとして表示される。

２．校閲機能を利用するメリット

校閲機能を利用するメリットとしては、「変更点がわかりやすくなる」のと「複数人で作業しやすくなる」の 2 点が挙げられる。

2-1．前回からの変更点をわかりやすくなる

校閲機能を利用するメリットの 1 つとして、前回からの変更点をわかりやすくなる。
契約書など条文は変わらないが、会社名や日付が違うだけの場合は Word ファイルをコピーして利用することが多い。

その時、手を加えなくていいところに不要な文字が入っていたり、操作ミスで文字を削除するなど意図しない箇所で文書の修正が入っていないかを校閲機能でチェックすることができる。

また、文書の作成者または編集者以外の人が見た場合に、前回とどこが変わったのかも校閲機能で把握しやすくなるメリットがある。

2-2．複数人で作業しやすくなる

校閲機能を利用するメリットの 1 つとして、複数人で作業しやすくなる。
1 つのデータファイルを複数人が開いて操作する時の問題として、誰がどこを修正したかがわからなくなることがある。

その点、Word の校閲機能は修正した箇所だけでなく、修正者の名前も表示されるので後から修正した本人に確認しやすくなるメリットがある。

３．Word の校閲機能の利用方法

Word の校閲機能の利用方法としては、校閲機能を有効化するだけですぐに利用できる。
まず最初に校閲機能が無効の状態は下図のように文字を入力すると指定しているフォントやサイズ、色で加筆できる。

次に画面上部のタブ「校閲」からボタン「変更履歴の記録」をクリックする。

ボタン「変更履歴の記録」をクリックするとボタンの色がグレーになり、校閲機能が有効の状態となる。
この状態で文章を削除すると、下図のように修正した箇所から赤線が伸びて、修正者の名前と修正した内容がコメントとして表示される。

校閲機能を停止したい場合は再度ボタン「変更履歴の記録」をクリックすると、クリック後の文字修正の履歴は保存されなくなる。
ただし、コメント表示は残ったままとなるため、ボタン「変更履歴の記録」の右側にある「すべての変更履歴/コメント」を「変更履歴/コメントなし」に切り替えることで元の状態に戻すことができる。

４．校閲機能で作成者、編集者の名前が出ない場合の対応方法

Word で校閲機能を有効化した文書を修正する中で、コメント欄に作成者または編集者の名前が出ないことがある。
その対応方法としては、まず画面上部の「ファイル」を選択してメニューを表示し、表示されたメニューの中から「オプション」を選択する。

オプションをクリックするとウィンドウ「Word のオプション」が表示されるので、画面左下の「トラストセンター」をクリックする。

「トラストセンター」をクリックするとさらにウィンドウが表示されるので、画面左の項目から「プライバシーオプション」を選択する。
最後に画面右欄にあるいくつかの設定項目の中から「ファイルを保存するときにファイルのプロパティから個人情報を削除する」のチェックを外すことで校閲機能の有効時に作成者または修正者の名前が表示されるようになる。

関連記事