Google アナリティクス(UA)はウェブサイト内のコンテンツの表示回数や閲覧者の動向を把握するアクセス解析ツールであり、2020年にこれまでの仕様とは異なる新しい Google アナリティクス(GA4)の提供を開始したが、それに伴い旧バージョンが終了するため GA4 に切り替える方法について紹介する。
このページの目次
1.Google アナリティクスとは
Google アナリティクス(Google Analytics)は、Google が提供するアクセス解析サービスとなり、無料の基本プランと、より高度な機能を備えた有料のプラン(Google アナリティクス 360)が提供されている。
ウェブサイトやモバイルアプリのトラフィックや利用状況に関するデータを収集し、専用の画面で分析結果を確認することができる。
利用に際しては Google アカウントを取得した上でサービスの利用を開始し、Google アナリティクス内で発行されるデータ収集用の HTML タグ(トラッキングコード)を公開中のウェブサイトに埋め込むだけで自動的に情報を収集する。
2005年からサービスを開始した Google アナリティクス(UA)だが、2020年に全く仕様が異なる「Google アナリティクス 4(GA4)」従来のサービスと並行してリリースされた。
2.旧 Google アナリティクス(UA)と GA4 の違い
Google Analytics 4(GA4)は、従来の Googleアナリティクス(Universal Analytics)と比較していくつかの重要な違いがあり、以下にいくつかの主な違いを挙げる。
- データモデルの変更 – GA4 ではユーザーセッションを単位として追跡する従来のデータモデルに代わり、ユーザーの各アクション(イベント)が重要な情報として収集される。これにより、ユーザーエンゲージメントや行動パターンの詳細な分析が可能になった。
- クロスプラットフォーム計測 – GA4 ではウェブサイトだけでなく、モバイルアプリや他のデジタルプラットフォーム(IoT デバイスなど)に対してもデータ計測がサポートされた。これにより、複数のプラットフォームでのユーザー行動を統合的に分析することが可能になった。
- AI と機械学習の活用 – GA4 では Google の AI と機械学習技術が組み込まれており、ユーザー行動のパターンやトレンドを自動的に検出し、予測分析や異常検知などの機能が追加されている。
- ユーザーのプライバシー保護 – GA4 はプライバシー保護の観点から改善が行われており、デフォルトで匿名化されたユーザー ID が使用され、クロスデバイス追跡といった広告ターゲティングのために訪問者の個人情報を追跡する方法が変更された。
- イベントの設定 – GA4 ではイベントの設定を行うことで、特定のアクションや目標に関するデータを収集できる。これにより、より具体的な指標やコンバージョンを追跡することが可能になる。
3.旧 Google アナリティクス(UA)の終了日
旧 Google アナリティクス(UA)の終了日は2023年07月01日である。
この日以降は GA4 に移行していないトラッキングコードによるデータ収集は停止するが、それまで収集したデータは少なくとも 6 ヶ月間はアクセスして閲覧することができる。
尚、管理画面で UA のプロパティを選択すると上図のようにデータ処理停止の案内が表示される。
4.旧 Google アナリティクス(UA)から GA4 へ切り替える方法
旧 Google アナリティクス(UA)から GA4 へ切り替える方法としては、旧バージョン(UA)のトラッキングコードはそのままで GA4 のプロパティに接続して集計する方法と、GA4 用のトラッキングコードを発行してウェブサイトに埋め込んでいる UA のコードと差し替える方法の 2 パターンある。
4-1.旧バージョンのトラッキングコードから接続する方法
旧バージョンのトラッキングコードから接続する方法は、事前に GA4 用のプロパティを作成した上で、Google アナリティクスの「管理 -> GA4 設定アシスタント」より行う。
UA のトラッキングコードから新しく作成した GA4 のプロパティに接続するメリットとしては、既にウェブサイトの HTML に埋め込んでいるタグを変更する必要がないことである。
手順の最初に GA4 のプロパティを作成する必要があるが、その方法は後述する。
GA4 プロパティを作成した後は Google アナリティクスの管理画面を開き、旧バージョンのプロパティを選択し、「管理 -> GA4 設定アシスタント」をクリックする。
「GA4 設定アシスタント」をクリックすると Google アナリティクス 4 プロパティの設定アシスタントが表示される。
画面を下にスクロールすると「既存の Google アナリティクス 4 プロパティに接続したい」の項目があるため、メニュー「既存の Google アナリティクス 4 プロパティを選択してください」をクリックする。
クリックすると作成済の GA4 プロパティが表示されるため、接続したいプロパティ名を選択する。
接続したいプロパティ名を選択した後は、ボタン「プロパティをリンク」をクリックすることで UA のトラッキングコードのまま GA4 でデータ収集が開始される。
4-2.GA4 のプロパティを作成してウェブサイトに再設置する方法
GA4 のプロパティを作成してウェブサイトに再設置する方法としては、Google アナリティクスの「管理 -> GA4 設定アシスタント」より行う。
この手順では旧バージョン(UA)とは別に新しく GA4 プロパティを作成してデータ収集を開始するため、公開中のウェブサイトの HTML に埋め込んでいるトラッキングコードを差し替える必要があるが、GA4 用のタグが新しく発行されるため、前述の UA から接続するよりも管理しやすい。
まず最初に旧バージョンのプロパティを選択し、「管理 -> GA4 設定アシスタント」を選択し、表示された画面内にあるボタン「GA4 プロパティに移動」をクリックする。
次にプロパティ作成にあたり 4 つの処理を行う。
1 つ目はプロパティの基本情報の登録となり、次の項目を入力してボタン「次へ」をクリックする。
- プロパティ名 – 任意の文字列
- レポートのタイムゾーン – 「日本」を選択
- 通貨 – 「日本円」を選択
次に画面「ビジネスの詳細」で業種や組織の規模を選択してボタン「次へ」をクリックする。
個人利用でもデータ収集したウェブサイトで取り扱っているカテゴリーや運営者の人数で選択するとよい。
続いて画面「ビジネス目標を選択する」で GA4 でデータ収集する目的や求める結果にチェックしてボタン「作成」をクリックする。
旧バージョン(UA)と同じようにアクセス解析ツールとして利用する場合は「ユーザー行動の調査」にチェックを入れる。
ボタン「作成」をクリックすると、下図のようにデータ収集するデバイスが表示される。
旧バージョン(UA)と同じように使うのであればボタン「ウェブ」をクリックする。
ボタン「ウェブ」をクリックすると画面「データストリームの作成」が表示されるので、アクセス解析したいウェブサイトの URL とストリーム名として任意の文字列を入力してボタン「ストリームを作成」をクリックする。
ボタン「ストリームを作成」をクリックすることで GA4 プロパティの作成が完了し、下図のように設定状態が表示される。
最後にウェブサイトの HTML に埋め込むトラッキングコードを取得するため、画面を閉じずにボタン「タブの実装手順を表示する」をクリックすると新たに画面「実装手順」が表示される。
画面内のタブ「手動でインストール」をクリックすることでトラッキングコードが表示されるので、コピーしてウェブサイトに埋め込むことでデータ収集が開始される。
画面「実装手順」の右上にある×をクリックして閉じると下図にようにストリームの状態が表示されるが、作成した直後はまだデータ収集が行われていないので何も表示されない。
ボタン「次へ」をクリックすると「データ収集は保留中です」と表示されるため、最長で 48 時間経過してから改めて Google アナリティクスへアクセスする。
しばらくして再度アクセスしてストリームを開くと「過去 48 時間にトラフィックデータを受信しています。」にステータスが変わり、集計結果を確認することできる。
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