[初回公開] 2009年09月09日
ユーチューバーが報酬を得ているのが Google 社が提供している報酬型の広告配信サービスの「Google Adsense(アドセンス)」で、YouTube に限らずウェブサイトや無料ブログでも利用することができ、指定されるタグをサイト内に埋め込むだけで報酬が得られる仕組みになっておりその申請方法と口座登録の流れまでを紹介する。
このページの目次
1.Google Adsense とは
Google Adsense(アドセンス)とは、Google 社が提供する広告配信サービスで、広告主となるスポンサーは広告費用と広告素材を Google に提供し、その広告素材は Google Adsense の審査を通過したウェブサイトやブログが専用の HTML タグを埋め込むことでサイトの訪問者に広告が表示される仕組みになっている。
広告のタグを埋め込んでいるサイト運営者には広告のページビュー数(アクセスされた数)または表示された広告がクリックされた際に報酬として現金が支払われる。
ページビューによる報酬額よりもクリックされたときの報酬額の方が高いが、表示される広告によりクリック単価が異なるので場合よっては 1 回のクリックでも 1 円ということが有り得る。
2.Google Adsense とアフィリエイトの違い
Google Adsense とアフィリエイトの違いは、クリック報酬と成果報酬である。
一般的なアフィリエイトの仕組みは、アフィリエイトを運営する企業と提携しているスポンサーと呼ばれる企業や団体などが広告素材として提供するバナーやテキストリンクを自身が運営するウェブサイトに設置し、その広告をクリックして遷移したスポンサーのサイトでアクション(商品の購入や会員登録)された場合に報酬が発生する。
広告の中には広告をクリックするだけで報酬が発生するものもあり、1 クリックあたり 1 円から 5 円程度の金額が設定されている。
Google Adsense もクリック報酬型となり、アフィリエイトの一種である。
他のアフェリエイトとの違いは、Google Adsense 以外では自分で掲載したい広告を選択するのでサイトを表示するたびに常に固定の広告が表示されるのに対して、Google Adsense は閲覧者の履歴等から自動的に判断して広告を表示する点が挙げられる。
また、他のアフィリエイトでは掲載したい広告を提供しているスポンサーの審査があり、審査にて掲載許可が下りてようやく利用開始できる点と、そのスポンサーがアフィリエイトから撤退すると掲載している広告タグは無効化されてしまうので常にメンテナンスが必要になるのに対して Google Adsense ではその必要が無く、手軽さがメリットである。
3.Google Adsense と AdWords の違い
Google 社が提供する広告事業には Google Adsense とは別に Google AdWords(アドワーズ)というサービスが提供されている。
Google Adsense がサイト運営者が広告を掲載して報酬を得るのに対して Google Adwords は広告を出すスポンサー向けのサービスで、Google で特定のキーワードで検索された際に検索結果の上部にスポンサーサイトのリンクが表示されるようにするものである。
利用するキーワードは入札方式になっており、人気のキーワードほど上位に表示するための単価が高くなっている。
例えば Google の検索画面で「Web制作」と入力して検索すると下図のような検索結果が表示される。
Google の検索結果は各サイトを自動的に巡回(クロール)して得た情報を独自のデータベースに保存し、以後はその情報を Google 独自の評価で順位付けされて検索結果に表示する。
そのため、検索結果に自身が運営するウェブサイトを上位に表示させることは難しく、最悪の場合は検索結果に表示されないこともある。
対して AdWords で広告掲載したスポンサーのサイトはリンクの前に「広告」と記載された上で検索結果の上部に表示されるため、検索結果画面に常に表示させたい場合に利用される。
4.Google Adsense に申請して口座登録するまでの流れ
Google Adsense に申請して口座登録するまでの流れとしては、自身が運営しているウェブサイトやブログを Adsense が利用できるように Google に申請し、申請が下りた後は報酬額を受け取るために銀行口座を登録する。
4-1.Google Adsense にサイト申請を行う方法
自身のサイトやブログに広告を掲載するためにはまずは Google Adsense に広告を掲載するサイトを申請して Google の審査を受けて許可を得る必要がある。
申請は Google アカウントを取得した上で Google Adsense にログインし、ボタン「利用開始」をクリックすると下図の申請画面が表示される。
この時に利用する Google アカウントは既にアクセス解析の「Google Analytics(アナリティクス)」や YouTube の開設済みチャンネルと同じ Google アカウントでなければならない。
後から複数の Google アカウントを統合することはできないので注意が必要である。
申請画面では広告を掲載したいサイトの URL と連絡先となるメールアドレスを入力してボタン「保存して次へ」をクリックし、表示される画面内容に沿って必要な情報を入力して申請を完了させる。
申請は即座に許可が下りるものではなく、数日から一週間ほどかかることがあり、審査結果によっては許可が下りない場合があるのでその場合は画面のレイアウトや掲載しているコンテンツ内容を修正して再申請を行う。
尚、私の場合は申請から約 30 時間後に申請が通った旨の内容とアドセンスのアカウントを作成したとメールが届いた。
4-2.申請許可後に Google Adsense の管理画面を確認する
無事に Google Adsense の申請の許可が下りれば、Adsense の管理画面にアクセスする。
管理画面へ初めてアクセスするとまずは利用規約の表示と同意ボタンが表示されるのでボタン「同意する」をクリックする。
次に表示されるのはアカウント設定画面となるが、ヘルプや支払いルール、そしてアカウントの停止条件など重要な注意事項も記載されているので後ほど目を通しておいたほうがよい。
各種設定は後から登録・変更できるので特に急ぐものがなければスキップして後ほどじっくり行うのでも問題無い。
管理画面の左側には報酬額を確認する「レポート」や広告を管理する「広告パーツ」のメニューがある。
以前は画面上部に「レポート」「Adsense 設定」「アカウント情報」「お問い合わせ」の 4 つリンクがあり、これが Google Adsense の主な機能であった
この中で「レポート」はこれまでの報酬額を確認することができ、広告掲載前の状態では収益額は 0.00 ドルになっている。
「レポート」には 1 日単位や設置した広告ごとの表示数やクリック数、収益が表示される詳細レポートも表示もできるのでこの数値を見て広告の位置や、広告の大きさを変えて報酬額が増えるような施策を取っていく。
その他、「Adsense 設定」では実際に掲載する広告のサイズやテキストタイプか画像タイプといった表示タイプなどを管理することができる。
「アカウント情報」はログイン情報の変更や支払いに関することなどを設定でき、支払いの履歴を確認することもできる。
「お問い合わせ」は Google に問い合わせる時に利用するのだが、実際はヘルプ集のリンクとなっており何らかの質問等で直接連絡を取りたい場合はいくつかの画面を遷移することになる。
4-3.Google Adsense の広告設定と貼り付ける
次は運営しているウェブサイトやブログに掲載する広告を作成し、そのサイトに埋め込む HTML タグを取得する。
下図のように管理画面内の「AdSense 設定」タブをクリックするとタブの下にさらにいくつかのメニューが表示される。
このままサイトに埋め込む広告を作成してもよいが、その前にチャンネルを作成し、その後に広告を作成すると後々レポートを見る際に便利である。
チャネルとは 1 つの広告を複数埋め込んだ場合に切り分けするのに利用され、例えばある広告を A というページと B というページに埋め込んだ場合、この時、埋め込んだ広告が何回表示されて何回クリックされたかは A と B の合算となりどちらのページが広告として成果が上がっているかわからなくなる。
そこで、チャネルを 2 つ用意して 1 つ目のチャネルをページ A に、 2 つ目のチャネルとページ B に利用し、両方のチャネルには作成した 1 つの広告を紐付けさせておくことでチャネルごとで広告の成果がわかるとともに、ページ A と B の合算された 1 つの広告の成果としてもレポートで確認することができる。
特にページごとの診断が必要無いのであれば用意するチャネルは 1 つだけでよい。
チャネルの作り方は「広告の取得」の右部に「チャネル」とあり、ここでチャネルを作成する。
チャネルが用意ができれば「広告の取得」をクリックし、いくつかある広告の形態を選択して表示する広告を設定していく。
まず最初に広告の形態には画像とテキストで構成される「広告ユニット」か、広告を埋め込むコンテンツ内容に関連した内容が表示される「リンクユニット」を選択することになる。
今回は「広告ユニット」を選択して画面下部のボタン「続行」をクリックする。
次に表示する広告の設定を行うのは広告のサイズや色など見た目の設定を行い、事前に準備しておいたチャネルの関連付けも行う。
最後に作成した広告に任意の名前をつけるのだが、これはこの管理画面で広告管理するときに自分がわかりやすくするのが目的なため自由に名称を付けることができる。
ここまでで広告の設定が終わり、最後の画面にてサイトに埋め込むための HTML タグが表示されるのでそれをコピーしてサイトやブログに貼り付ける。
実際に広告が正常に動作しているかは広告を埋め込んだサイトにブラウザでアクセスして確認してみるとよい。
もし広告が表示されない場合はしばらく時間を置いて再アクセスするか、HTML タグを埋め込んでサイトに関連する広告または作成時に指定したサイズの広告が無い場合は何も表示されない。
また、ローカル環境(インターネット上のサーバにアップされていない)状態だとサンプルが広告として表示されることもある。
ここまでの作業でサイトやブログに広告を埋め込むことができ、訪問者にも広告表示と広告クリックができる状態となる。
Google Adsense の管理画面内の「レポート」にはクリックされなくても広告の表示回数が表示されるのでアクセス状況を確認することもできる。
ただし、リアルタイムで集計されるわけではないため集計結果は翌日以降となる。
4-4.報酬額のドル表示を日本円表示にする
広告の掲載が完了すると後はウェブサイトやブログに訪問者が来ることを心待ちにするだけだが、日々の報酬額がどれだけかが気になるものである。
報酬額は日々、Google Adsense の管理画面内の「レポート」で確認することができるが、デフォルト設定ではドル表記なので日本円でいくらかがわかりづらい。
そこで、ドル表記を円表記に変更するために次の操作を行う。
まずタブ「アカウント情報」内の「アカウント設定 -> 支払い方法を選択」をクリックすると「お支払い方法を選択」という画面が表示される。
この時、既に報酬額が 10 ドルに達している場合は設定変更が可能なのだが、10 ドルに達していない場合は下図のように選択できない旨が表示される。
もし 10 ドルに達していない場合は報酬が発生するまで待つこととなるが、焦って自分で広告をクリックすると利用規約違反となるので自己クリックは行ってはいけない。
無事に報酬が入り 10 ドル以上になると下図のように報酬額が表示されるとともに、ドル表示であることもわかる。
ドルから日本円表記に変更するには「アカウント設定」より変更することができ、変更後は日本円で表示されるようになっているのがわかる。
ドルと日本円は日々相場が変動するので円安と円高の動向も気になる点ではあるが、日本円で 8,000 円を越えた時点で翌月報酬額が指定の口座に振り込まれる。
4-5.PIN コードの到着と本人確認の入力を行う
報酬額の総額が 1,000円 を超えたあたりで管理画面のお知らせ欄に「お客様のお支払いは現在保留されています。お支払いをお受け取りになるには、お手続きが必要です。」と表示されるようになり、報酬を受け取るための手続きが 2 つ必要になる。
その手続きとは次の 2 点である。
(1) PIN を入力
(2) 支払い方法を選択、もしくは選択した支払い設定を確認
ここでは 1 つ目の手続きの「PIN 入力」を行う。
PIN とは個人を識別する番号で、いわば本人確認のための認証番号である。
上記画面の「PINを入力してください。」のリンクをクリックすると PIN の入手方法と、PIN を郵送する入力フォームが表示される。
PIN は後日、Google 直々に郵送で送付されてくるため郵送先となる住所を入力する。
もしアカウント作成時に住所を入れていれば画面には PIN は既に発送済みの旨が表示され、入力した住所に PIN が届く。
尚、PIN 入力が完了していなくても広告の掲載とそこで発生した報酬は継続され、その点については画面にも「AdSense サイト運営者のアカウントを保護するため、お客様のアカウントに入力されていたお支払い先住所宛に個人識別番号 (PIN) を郵送いたしました。 この PIN 番号を [PIN 情報] ページにご入力いただく必要があります。 手続きを行なうまでの間もお客様のアカウントは引き続き有効で、広告を表示して収益を獲得いただけます。」と表示される。
私の場合は 2009 年 09 月 29 日に作成され、申請の許可が下りてから約 3 週間でアメリカからのエアメールで手元に届いた。
届いたハガキは 2 つ折りにされたもので、開かないように 3 箇所にシール止めされておりこの中に PIN コードが記載されている。
このコードを改めて Google Adsense の管理画面に入力する。
入力したコードに間違いが無ければ、「PIN は正しく入力され、アカウントに設定されていた PIN は削除されました。」と表示されて本人確認の手続きは終了となる。
4-6.報酬受け取りの口座登録とデポジットの入金を確認する
最後に行う手続きとして、Adsense の報酬を受け取る口座の登録である。
過去は報酬の受け取りには小切手と銀行振り込みがあり、小切手はシティバンクでしか換金できず、さらに換金に手数料が発生するので今では銀行振り込みが一般的である。
もし報酬を受け取る手段が未設定でであれば Google Adsense の管理画面にログインすると「お支払い方法を選択、もしくは選択したお支払い設定についてご確認ください。」と表示されているのでそこをクリックすると「アカウントの設定」で指定する。
支払い方法の設定画面では銀行口座か小切手の 2 種類から選択することができる。
今回は銀行口座振込を選択することとし、指定の口座番号等を入力するのだが本当にその口座に振り込めるかの確認のためデポジットと呼ばれる小額の金額が Google から振り込まれる。
デポジットとして振り込まれた金額を Google Adsense の管理画面から入力して初めて報酬支払い設定の登録が完了となるため、オンラインバンク以外の口座を指定する場合はデポジットの入金確認を頻繁に行うとともに、残高照会だけではいくら振り込まれたかがわからないので通帳記入も行うようにする。
尚、デポジットの振込みは銀行口座の情報を入力してから 4 日から 10 日以内に振込み主は「グーグルインク」という名称で小額(3 桁代の金額)の振込みが実施されるので、上図のように振り込まれた金額を入力すると報酬額を受け取る口座登録が完了となる。
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