[初回公開] 2009年02月25日
パソコンを使っていると利用中の OS とは別に違う OS を利用しなければならないことが発生したり、1 つのハードウェアでサーバ OS を複数台稼働させる手法が IT 業界では主流になっているので仮想化した OS を VMPlayer で起動させる方法について紹介する。
このページの目次
1.Windows 上に異なる OS を起動するメリット
Windows 上に異なる OS を起動するメリットとしては、パソコンを一時的に増やして利用したい場合に新たにパソコンを購入しなくても増設できる点である。
一般的に利用される Windows パソコンは 1 つのハードウェアに対して 1 つのライセンスの Windows が稼働している。
そのため、もう 1 つ Windows を用意したい場合はハードウェア込みでもう 1 台必要になるが、利用中の Windows 内で別の OS を起動させることで、ハードウェアの購入費用を抑えることができる。
また、Windows が動いているパソコン上にサーバ OS の RedHat や CentOS など全く異なる OS を動作させてシステム開発やシステムの動作検証を費用をかけずに行うことができる利点がある。
1 つのハードウェア上で複数の OS を動作させるためにはハイパーバイザーと呼ばれる管理ソフトが必要となり、ハイパーバイザーで管理される個々の OS のことを仮想マシンと呼ばれている。
2.仮想マシンとは
仮想マシンとは、ハイパーバイザー上で動作する OS のことである。
ハードウェアに直接 OS をインストールした時と同じように仮想マシンも同様に利用することができる。
物理マシンに OS をインストールした場合は、ハードディスクや SSD といったストレージにパーティションを設定してインストールするが、仮想マシンの場合はパーティションの概念はあるもののストレージ上には OS ごとにファイルで存在している。
3.物理マシンから仮想マシンが主流になっている理由
IT 業界では既にシステムが稼働するサーバ OS は物理マシンから仮想マシンが主流になっており、その理由は「コストを抑える」と「バックアップが容易」、そして「移行が容易」の 3 点挙げられる。
3-1.ハードウェアコストが抑えられる
物理マシンは一般家庭や企業が利用している Windows パソコンのように 1 つのハードウェアに対して 1 つの OS が稼働している状態に対して、仮想マシンは 1 つのハードウェアに対して複数の OS を稼働させることができる。
そのため、OS ごとに購入していたハードウェア(マザーボードや CPU、メモリ、ストレージなど)が 1 つで済むので購入コストを抑えて、安価にシステム導入することができる。
3-2.バックアップが容易
仮想マシンはハイパーバイザーで管理されているが、バックアップもハイパーバイザーで瞬時に行うことができる。
そのため、物理マシンのようにバックアップ用のソフトウェアを購入する必要がなく、RAID 構成のストレージを利用していれば外部ストレージにバックアップせずとも同じ筐体の中でデータを保存できるのでコストも抑えることができる。
3-3.システム移行が容易
仮想マシンは OS ごとにファイルで保存されているため、違うハードウェアのハイパーバイザーに移行するのが容易である。
そのため、構築システムを検証環境から本環境に移動しやすいとともに、ハードウェアの保守が切れたり故障しても、新しいハードウェアへの移植が簡単である。
4.VMPlayer で Windows 上に異なる OS を起動させる方法
仮想マシンを動作させるためにはハイパーバイザーと呼ばれるソフトウェアが必要になるが、よく利用されているハイパーバイザーの 1 つに VMware が挙げられる。
VMware は有償のソフトウェアであるが、仮想マシンの起動に特化した VMPlayer は無償で利用することができ、一般家庭でも次の手順で Windows 上に異なる OS を起動させられる。
4-1.仮想マシンのイメージファイルを入手する
まず最初に仮想マシンのイメージファイルを入手する必要があり、RedHat や CentOS は公式サイトから iso ファイルをダウンロードする。
Windows OS も iso ファイルのダウンロードが可能だが、購入した Windows OS のメディアまたは稼働中の Windows OS から iso ファイルに書き出すことが多い。
4-2.VMPlayer を入手する
次に仮想マシンを起動するために必要な VMPlayer を VMware 公式サイトからダウンロードする。
ダウンロードしたファイルは VMPlayer のインストーラーとなっているので、ダブルクリックしてインストールを行う。
4-3.VMPlayer を起動する
インストールした VMPlayer を起動すると、仮想マシンを選択する入力欄が表示される。
そこで、ボタン「新規登録」をクリックして事前にダウンロードした仮想マシンの iso ファイルがある場所を指定すると仮想マシンが VMPlayer に登録される。
4-4.仮想マシンのイメージファイルを選択して起動する
VMPlayer に仮想マシンの登録が完了すれば、画面右の「仮想マシンの再生」をクリックすると起動する。
下図は Linux 系 OS の fedora core6 を Windows OS 上で起動した様子である。
Windows OS のようにマウス操作が可能な GUI であれば VMPlayer 上でもクリック等の操作が可能である。
注意点としては、仮想マシンはファイルで存在しているので仮想マシン内のデータが増えたり、ログが増えると仮想マシンのファイル容量も増えるので VMPlayer を動かしているパソコンのストレージの空き容量が挙げられる。
また、1 つのハードウェアで複数の OS を動作させるので、CPU とメモリが少ないと仮想マシンの動作も遅くなる。
ストレージへの書き込みも常に行われるようになるのでハードディスク及び SSD が消耗して寿命が短くなる点も注意事項である。
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