[初回公開] 2009年08月05日
Internet Explorer(IE)はバージョンごとに利用できる JavaScript や CSS が異なるだけでなく同じ記述でも表示が大きく変わりウェブ制作者の頭を悩ませる種でその確認の手段も手間であったが IETester を利用すると各 IE のバージョンでどのような表示なることからその利用方法について紹介する。

1.ウェブサイト制作現場での IE の問題
Internet Explorer(IE)は Windows に標準インストールされているブラウザで多くの人に利用されているものの、IE のバージョンによりウェブサイトの表示と挙動が異なることから制作担当者からは嫌厭されることも少なくない。
Firefox や Chrome などバージョンが異なっても挙動が同じブラウザが提供されているものの、自治体や大手企業ではセキュリティの観点からインストールを禁止されていたり、パソコン初心者は別のブラウザをインストールすることがないため依然 IE の利用率が高いのでウェブサイトを作成する上で IE での利用は考慮しなければならない。
また、IE は Windwos OS のバージョンにも密接に関わっており、OS が変わると IE のバージョンも変わるようになっている。
それゆえに各 IE のバージョンでウェブサイトの動作確認を行う場合は異なる Windows OS をそれぞれ用意しなければならない問題もある。
2.IETester とは
IE をバージョン別にウェブサイトの動作確認をするためには、それぞれバージョンが異なる Windows OS も用意しなければならなかったが、その手間を減らして 1 つのソフトウェアで各バージョンの動作確認を可能にするのが IETester である。

IETester を入手するには公式サイトにアクセスして、上図のようにボタン「Download IETester」をクリックして実行ファイル(.exe)をダウンロードする。
現時点の最新版はバージョン 0.5.4 となっている。
ダウンロードしたファイルをダウブルクリックするとインストーラーが起動するので画面に沿って進めるとインストールが完了する。
3.IETester の利用方法
IETester の利用方法は、画面上部にある「New IE5.5」や「New IE6」といった IE のバージョンを選択して、その下部に表示される入力欄に URL を入力すると日頃利用しているブラウザと同じようにウェブサイトが表示する。

IETester もタブ形式でサイトを切り変えることができるため、例えば上図のように IE8 と IE7 を横に並べてそれぞれのバージョンでの表示の違いを比較確認することができる。
大手のウェブサイトではブラウザのバージョンごとに表示を変えていることもあり、Google を表示した上図では左側の IE8 と右側の IE7 とで表示される内容が異なっているのがわかる。
4.IE のサポート終了における今後の動向
IE は 2022 年 06 月 16 日(日本時間)をもって、サポートが終了することが Microsoft 社より告知されており、現在多くで利用されている Windows 10 または 11 で IE を起動すると後継ブラウザの Microsoft Edge に切り替える案内が表示される。
一部のサイトを IE で表示しようとすると強制的に Edge が起動するようになっていることから、サポート期限後は IE が起動しない、または Windows アップデートにより IE が強制的にアンインストールされる可能性がある。
そのため 2022年06月以降は IE を考慮したウェブサイトの設計は不要になると考えられるが、Edge には IE の互換性を持つ「IE モード」があることから、完全に IE を除外した設計は当面先になると思われる。
尚、IE モードが Edge でサポートされるのは 2029 年までとなっている。
言い換えると、IE にのみ利用環境を合わせたウェブシステムやウェブサイトは Edge により全機能が動作しなくなる恐れがあるため、保守運営する担当者は速やかに確認し、問題があれば Edge など他のブラウザで動作するように対応する必要がある。
関連記事
FileSum でフォルダごとのデータサイズ容量を確認する方法
最近のパソコンやスマホは小型で大容量のディスク容量で販売されているがそれでも取り扱うアプリや写真、動画の品質も向上して比例するようにデータサイズも増えるのでいつになってもディスクの空き…
Firefox でスクリーンショットして表示内容を画像にする方法
ウェブサイトをブラウザで閲覧していてその内容をそのまま保存するのに以前は HTML ファイルに落としていたが、最近では外部読み込みファイルが多く正常に表示されないことが多いことから、スクリ…
Chrome の拡張機能 Talend API Tester で API のテストを行う方法
ウェブの技術を使ったシステム開発の現場では全てをゼロからプログラムするのではなく API と呼ばれる機能を取り入れて開発することがあり、API の動作確認を簡単にするツールとして Chrome の…