万が一のデータ消失に備えて RealSync で Windows の差分バックアップを行う方法


[初回公開] 2008年04月07日

業務や家庭で利用するパソコンはハードディスクや SSD などデータを記憶するパーツの故障で保存しているファイル等を失ってしまうリスクが高いとともに、パソコンを修理に出すだけでも初期化されるため万が一に備えて RealSync を利用して Windows のデータの差分バックアップを行う方法を紹介する。

万が一のデータ消失に備えて RealSync で Windows の差分バックアップを行う方法

1.バックアップとは

バックアップ(backup)とは、正常に動作や運用できなくなっても継続できるように予備を用意することである。
パソコンを取り扱う情報システムの分野では保存しているデータを別の場所にコピーすることを指す。



反対にバックアップしたデータを元の場所に戻したり、別のパソコンに再構築する場合はリストアと呼ばれている。

サーバを利用したシステムの場合は RAID(レイド)と呼ばれるハードディスクなど記憶する部品を 2 つ以上を並列に繋げる構成が用いられている。
RAID の環境ではデータを同時に複数のハードディスクに書き込むため、仮に 1 つのハードディスクが故障しても他の正常に稼働しているハードディスクで補うためデータの損失を防いでいる。

2.バックアップの重要性

バックアップの重要性は、端末の故障や紛失で保存していたデータを全て失わないように予防することである。
ビジネスの分野であれば顧客情報や受発注情報を失うことで業務が停滞するだけでなく、利益の損失に加えて業務が継続できずに倒産に至るケースもある。

個人の利用であればハードディスクの故障により写真や動画といった思い出類を見返すことができなくなってしまう。

ハードディスクや SSD などデータを記憶する部品以外の故障であればバックアップしていなくても復旧することは可能だが、メーカーに修理に出すと強制的にデータは初期化されるので日頃のデータのバックアップは重要である。

3.パソコンのデータをバックアップする方法

パソコンのデータをバックアップする方法は、パソコン内蔵の記憶領域とは別に外付けのハードディスクや USB メモリなどの記憶媒体にコピー&ペーストする。

しかしこの方法の場合は頻繁にコピーする操作が必要となり、バックアップし忘れることがある。
そこでバックアップ専用のソフトウェアを利用することで定期的に異なるパソコンやサーバにバックアップが可能になる。

バックアップの注意点としては元となるデータとバックアップ先の場所が同じ端末内だと、端末が故障すると元のデータもバックアップしたデータも失ってしまうので、バックアップする先は物理的に異なる記憶媒体を利用するのが好ましい。



バックアップする際は毎回、全てのファイルをバックアップ先にコピーするのが簡単だが、データ量が増えるとコピーに時間がかかるデメリットがある。

そこで、データに変更があったファイルだけ、もしくは新しく作成されたファイルをバックアップ対象とする差分バックアップを持ちられることが多い。
下記では差分バックアップが可能な Windows 用ソフトウェアの RealSync を利用してバックアップする。

4.RealSync とは

RealSync とは、バックアップの元なるフォルダの階層を保ったまま別の場所にバックアップする無料のソフトウェアである。
操作方法は更新ボタンを押すだけと簡単な操作であり、更新または新規作成されたファイルだけをコピーするため時間をかけることなくバックアップすることができる。

-> RealSync フォルダ同期、バックアップツール

RealSync の「ダウンロード」をクリック

RealSync の入手は上記 URL にブラウザでアクセスし、上図のように画面左側にある「ダウンロード」をクリックして表示される画面から入手が可能である。
ダウンロードの画面からは .zip または .exeの形式のファイルが入手できる。

ダウンロードした RealSync は解凍するだけで利用でき、レジストリに書き込むようなインストールは不要である。
また、アンインストールしたい場合は解凍したフォルダを削除するだけでよい。

5.RealSync で Windows の差分バックアップを行う方法

RealSync の使い方としては、バックアップ元とバックアップ先のフォルダを選択するだけである。
まず RealSync を起動させると下図の何も表示されていない画面が表示される。

RealSync の起動直後の様子


画面の上部には設定済みのバックアップタスクの一覧が表示され、画面下部はそのバックアップタスクを実行したときのログが表示されるようになっている。

次にバックアップの設定を行うため、画面上部のフォルダアイコンをクリックしてウィンドウ「同期の設定」を表示する。

ウィンドウ「同期の設定」では下図のように「更新元」にバックアップしたいフォルダ選択し、「更新先」にバックアップ先のドライブ等を選択する。

RealSync の同期の設定を行う

「更新先」が外付けハードディスクや USB メモリの場合は機器をパソコンに挿して認識されるとドライブが E:\ や F:\ になるのでこれらを選択するようにする。

また、C:\ はバックアップ元のドライブであることが多いので、同じ C:\ にバックアップしないほうが好ましい。

ウィンドウ「同期の設定」でバックアップタスクが登録できれば、画面左上にあるボタン「更新」をクリックするとバックアップが開始され、その状況は画面下部にリアルタイムに表示される。

RealSync でバックアップを実行している様子


更新元にファイルまたはフォルダがあるものの、バックアップ先に無い場合は、RealSync が自動的にフォルダを生成してからファイルをバックアップしてくれる。

RealSync 利用時の注意点としては、ボタン「更新」を押してバックアップが終了するまで進捗を示すパーセンテージやバーが表示されない。

そのため、バックアップ中にバックアップ先の外付けハードディスクや USB メモリをパソコンから抜いてしまうと故障の原因となるため、画面下部のログが止まるのを確認してから外部メディアを抜くようにしなければならない。

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