パソコンで再生できない DVD をファイナライズして作り直す方法


[初回公開] 2008年07月15日

HDD/DVD レコーダーで録画したテレビ番組は DVD にダビングして保管することができるが、その DVD をパソコンや別の DVD プレイヤーで再生しようとするとディスクが認識しない事象が発生することがあるため、ソフトウェア「ReadDVDR」を利用してファイナライズにより新しい DVD で作り直す方法を紹介する。

パソコンで再生できない DVD をファイナライズして作り直す方法

1.ダビングした DVD が再生できない原因

HDD/DVD レコーダーに録画したテレビ番組を DVD にダビングし、その DVD をパソコンや録画した機器とは異なる DVD プレイヤーで再生できない原因は、ファイナライズが行われていないことが挙げられる。



レコーダーは DVD など外部メディアにダビングする際に他の機器でも再生できるように DVD 内のデータを整理処理することをファイナライズと呼ばれている。

ファイナライズするとダビングした DVD にデータを追記したり上書きができなくなる。
そのため、データの削除や上書きが可能な DVD-R の利用を想定してレコーダーはダビング処理とファイナライズ処理と別々に分けられている。

2.ファイナライズとは

ファイナライズとは HDD/DVD レコーダーから DVD にダビングする際に他の機器でも再生できるようにする処理のことである。
HDD/DVD レコーダーが DVD へ書き込む時に、メーカー独自の機能やデータ処理の効率化を図るために書き込みルールが異なっており、DVD に書き込んだレコーダーで再生する場合はファイナライズは必要ない。

しかしファイナライズすることなく他のメーカーの機器で DVD を再生しようとすると、ディスク内にあるデータの範囲や記録状態などの情報が認識できずに、再生できない事象が発生する。
そのため、録画したテレビ番組等を DVD に保存した場合はレコーダーが故障して買い換えた時のために DVD をファイナライズするように推奨されている。

また、ファイナライズする前の DVD で再生することができなくても、パソコンでファイナライズまたは DVD の内容を抽出して他の機器でも再生できるように新たに DVD に作り直すことができる。
ファイナライズする前の DVD からデータを抽出するソフトの 1 つに「ReadDVDR」があり、ReadDVDR の紹介と使い方が次となる。

3.ReadDVDR とは

ReadDVDR とは、ファイナライズを直接実施できる他、ファイナライズ前の DVD の中身を読み取ってデータを抽出することができる無料のソフトウェアである。
2021年07月現在では公式に配布されていないが、インターネットサイトのアーカイブサイトよりダウンロードすることができる。
-> ReadDVDRの紹介(waybackmachine)



ReadDVDR で取り出すことができるデータは、VTS 単位で IFO ファイルと VOB ファイルをファイル化し、ISO ファイルとして抽出することができる。

また、ReadDVDR はインストールを必要せず、ダウンロードしたファイルを解凍し、ReadDVDR.exe をダブルクリックするだけで利用が可能である。

4.ファイナライズして DVD を作り直す方法

ファイナライズして DVD を作り直す方法としては、DVD レコーダーで再生できなくなったディスクから動画データを抽出し、そのデータを違う DVD ディスクに書き込む。

データの抽出はソフトウェア「ReadDVDR」を利用した場合を例に次の通りある。

4-1.ReadDVDR をダウンロードする

ReadDVDR をダウンロードは上記の URL より「ここから」をクリックすると Version 1.2a をダウンロードすることができる。
1.2a ではエラーログの表示機能が追加されており、それ以前の Version 1.2 では ISO イメージの出力機能が追加になっている。
また Version 1.1 ではファイナライズ機能が追加されている。

ReadDVDR をダウンロードする様子


尚、ReadDVDR は公式サイトでのダウンロードは終了しており、上記はアーカイブサイトからのダウンロードとなるため、念のためダウンロードしたファイルはウィルス対策ソフトなどでスキャンすることをお勧めする。

4-2.ReadDVDR で DVD のデータを抽出する

ReadDVDR で DVD のデータを抽出するためには、まずファイナライズされていない DVD をパソコンに入れる。
パソコンは正常に DVD を読み込めないため、下図のようにデータサイズが 0 バイトと表示される。

サイズが 0 バイトと表示される DVD の様子

次に DVD をパソコンに入れたままの状態で ReadDVDR を起動してボタン「チェックDisc」をクリックするとデータの数だけ IFO と VOB のサイズが表示される。
今回は DVD の中に 1 つの動画のみ録画していたので下図のようにチェック後は 1 つだけ表示されているのが確認できる。

ReadDVDR で「チェック Disc」した結果

最後に出力フォルダに DVD のデータを保存させたい場所をしてボタン「抽出」をクリックすると下図のように IFO ファイルと VOB ファイルが生成される。

抽出した DVD のデータの様子

VOB ファイルはパソコンで利用できる動画再生ソフトのほとんどで再生できるため、動画が再生できるか .vob をダブルクリックして確認しておくとよい。

4-3.抽出したデータを DVD に書き込む

ReadDVDR で抽出した IFO と VOB ファイルをそのまま新しい DVD に書き込むと他の DVD プレイヤー等でも再生することができるようになる。
DVD に書き込む場合はパソコンのドライブに新しい DVD を入れ、そのドライブにファイルをドラッグして書き込み処理するとよい。



外付けのメディアドライブを利用している場合は、書き込み用のソフトウェアが利用して DVD に書き込みすると尚よい。

また、パソコンに VOB を再生できるソフトがあればそのまま再生することでき、VOB ファイルを MP4 など違う動画形式に変換するソフトを利用すればスマホやタブレットでも視聴が可能になる。

加えて、ReadDVDR には直接ファイナライズする機能が搭載されている。
注意点としては、直接ファイナライズする場合は DVD 内のデータを読み取りながら必要なデータを書き込むため、その影響で再生に必要なデータにも影響を及ぼして抽出できなくなる可能性がある。

そのため、ファイナライズする前には抽出して DVD の内容をバックアップしておくことをお勧めする。

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