Windows のコマンドプロンプトで FTP のファイル転送する方法


[初回公開] 2009年02月02日

サーバにファイルを転送(アップロード)する場合は FTP と呼ばれるファイル転送技術を利用することがあり、一般的には専用の FTP ソフトが用いられるが、FTP ソフトが使えない環境で Windows のコマンドプロンプトで FTP のファイル転送する方法を紹介する。

Windows のコマンドプロンプトで FTP のファイル転送する方法

1.サーバにファイルをアップロードする利用シーン

サーバにファイルをアップロードする利用シーンとしては、「ウェブサイトの更新」と「データの受け渡し」の 2 通りが挙げられる。



「ウェブサイトの更新」とは、ウェブサイトやブログをインターネット上に公開するする場合に画像やプログラムファイルをサーバにアップロードする際に FTP が用いられる。

また、「データの受け渡し」とは、異なる拠点間や端末でファイルのやり取りを行いたい場合にサーバにファイルをアップロードする。
ファイルを受け取る場合は同じく FTP またはブラウザを利用してダウンロードする。

2.FTP とは

FTP(File Transfer Protocol)とは、サーバとクライアントの間でファイルを転送する通信規約のことである。
ファイルのアップロードまたはダウンロードを行う際に用いられる。

また、ファイル転送中の通信を暗号化してセキュリティを高めた SFTP と呼ばれるプロトコルも用意されている。

FTP でファイル転送を行うためには FTP ソフトを利用することが多く、マウス操作で簡単にファイルのアップロードとダウンロードを行うことができる。

もし FTP ソフトが利用できない環境であれば、Windows に標準搭載されているコマンドプロンプトでコマンド入力によりファイル転送を行うことも可能である。

3.Windows のコマンドプロンプトで FTP のファイル転送する方法

Windows のコマンドプロンプトで FTP のファイル転送する方法としては、次のようにサーバに接続して転送したいファイル名を入力して実行する。

3-1.コマンドプロンプトを起動する

コマンド操作でファイル転送するためには、まず最初にコマンドプロンプトを起動する。
コマンドプロンプトはデスクトップの Windows マークをクリックして「スタート -> プログラム -> Windows アクセサリ」または「Windows 管理ツール」に入っている。



すぐにコマンドプロンプトを起動したい場合は Windows マークを右クリックして表示されるメニューから「ファイル名を指定して実行」を選択肢、表示された入力欄に cmd と入力してボタン「OK」を押すとコマンドプロンプトが起動する。

3-2.FTP サーバへ接続する

コマンドプロンプトが起動した後は、ftp と入力してエンターキーを押すと下記のように FTP の接続先の入力待機状態になる。

C:\Users\{ユーザ名}>ftp
ftp>

この状態で、続けて次のように FTP で接続したいホスト名または IP アドレスを入力してエンターキーを押す。

C:\Users\{ユーザ名}>ftp
ftp> open {接続したいホスト名または IP アドレス}

FTP の接続に成功すると下記のようにステータスコード 220 が表示されるが、失敗すると「Invaled command.」と表示される。

Connected to {サーバ名}
220 ProFTPD
User (サーバ名):

3-3.サーバにログインする

コマンドプロンプトの FTP コマンドでサーバに接続できれば次はログインを行う。
ログインするユーザ名とパスワードはサーバ管理者やホスティング業者から提供される情報を利用するして、下記のように入力してエンターキーを押す。

User (サーバ名):{ログイン名}
331 Password required for ログイン名
Password:{パスワード}
230 Anonymous access granted, restrictions apply.



3-4.ディレクトリの位置を確認する

FTP のログインに成功した後は、pwd と入力して自分が現在参照しているディレクトリを確認する。
参照ディレクトリを確認してファイルの転送を行いたい場所で無ければ、ディレクトリを移動する必要がある。

表示されるディレクトリ階層はサーバやログインするユーザの設定に左右されるが、一番上の階層の場合は「/」、ユーザディレクトリであれば「/home/{ログイン名}」といった形で表示される。

ftp> pwd
257 “/” is current directory.

3-5.ファイルとフォルダの情報を確認する

また、参照しているディレクトリの他に、そのディレクトリにあるファイルとフォルダの情報を確認するためには dir を入力して一覧を表示させる。

ftp> dir
200 PORT command successful
150 Opening ASCII mode data connection for file list
drwxr-xr-x 2 ユーザ名 hpusers 48 Jan 30 23:07 .
drwxr-xr-x 2 ユーザ名 hpusers 48 Jan 30 23:07 ..


・(ファイルやフォルダ等が表示)
226 Transfer complete.
ftp: 117 bytes received in 0.00Seconds 117000.00Kbytes/sec.

3-6.ファイルをアップロードする

ファイルをアップロードする場合は下記のように put とその後ろにファイルがある場所とファイル名を入力してエンターキーを押す。
サーバ側に保存される先はここでは指定しないため、前述のディレクリの参照先を事前に確認しておく必要がある。

ftp> put C:\ファイルパス/ファイル名
200 PORT command successful
150 Opening ASCII mode data connect for ファイル名
226 Transfer complete.
ftp: 1686 bytes sent in 0.00Seconds 1686000.00Kbytes/sec.

3-7.ログアウトする

ファイルのアップロードなどファイル転送の作業が終了すれば、接続している FTP を終了するとともに、quit でコマンドプロンプトを終了する。

ftp> close
221 Goodbye.
ftp> quit



4.FTP 以外でファイルをアップロードする方法

FTP 以外でファイルをアップロードする方法もあり、「プログラムの利用」と「SCP の利用」の 2 通りが挙げられる。

「プログラムの利用」とは、ファイルをアップロードできるプログラムをサーバに設置してブラウザでアクセスする。
ブラウザでアップロード画面が表示されれば、ファイルを選択してボタンを押すだけでアップロードされる。
これは WordPress など CMS に搭載されている機能である。

また「SCP の利用」とは、サーバをコマンドで遠隔操作する SSH(Secure Shell)を利用してファイル転送を行うものである。
SSH を行う際は前述のコマンドプロンプトと同じくコマンドを入力するソフトウェアを利用するが、通信が暗号化されているため安全にファイル転送することができる。

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