メーラー「Thunderbird」で文字化けする原因と文字化けを解消する方法


[初回公開] 2021年12月18日

メーラーの Thunderbird は日本語を始め、英語や中国語など多言語に対応しており、もし文字化けして内容が読めなくてもメール一通一通の文字コードを変更すれば解決していたが、最新版の 91.3.0 以降では日本語でも文字化けが発生するようになったので、文字化けする原因と文字化けを解消する方法について紹介する。

メーラー「Thunderbird」で文字化けする原因と文字化けを解消する方法

1.メーラーで文字化けが起こる原因

メーラーで文字化けが起こる原因は、メール一通ごとに保持している文字コードと呼ばれる日本語など言語を表示するために必要な情報と、メーラーに設定している文字コードが合っていないため文字化けが発生する。



例えば日本語を取り扱うことができる文字コードはメールであれば iso-2022-jp が一般的に使われており、Office など事務作業では SJIS が用いられている。

もし SJIS で保存された文書ファイルを iso-2022-jp で開こうとすると文字コードが合わずに文字化けする。
最近では日本語に限らず中国語などあらゆる言語に対応できる文字コードとして UTF-8 が使われる場面が多い。

2.Thunderbird で文字化けを治す方法

メーラーの Thunderbird で文字化けを治す方法としては、メール一通ごとに文字コードを表示する度に変更するか、Thunderbird に設定している文字コードをアドオン等を利用して変更する方法がある。

それぞれに設定方法は次の通りである。

2-1.メール一通ごとに文字コードを変更する

受信したメールの一通ごとに文字コードを変更する場合は、文字コードを変更したいメールを開き、上部メニューの「表示 -> 文字コードの変更」より行う。

「文字コードの変更」を選択すると文字コードの一覧が表示されるため、そこから選択すると自動的にメールを読み直して表示される。

メリットとしては海外の人とメールでやり取りする場合はさまざまな文字コードで送信されてくるので、各国の言語に合った対応を柔軟に行うことができる。



反対に、日本国内の人としかメールをやり取りを行っていない場合は Thunderbird に設定した規定の文字コードとは別にメールを読み直すため、メールを開くたびに文字コードを変更する必要がある。

2-2.アドオンでメーラーの文字コードを変更する

Thunderbird に特定の文字コードを常に利用するように設定する場合は、次の手順でアドオンを入れて利用する方法がある。
まず Thunderbird を起動して下図のように上部メニューより「ツール -> アドオンとテーマ」を選択する。

「ツール → アドオンとテーマ」を選択

「アドオンとテーマ」を選択するとアドオンマネージャーが表示されるので、右上の「アドオンを探す」から Charset Menu を入力し、配布されているアドオンを検索する。

Charset Menu を入力してアドオンを検索

表示されるインストール可能なアドオン一覧に Charset Menu があれば右側にあるボタン「Thunderbird へ追加」をクリックしてインストールを行う。

ボタン「Thunderbird へ追加」をクリック


この時、「Charset Menu を追加しますか?」と問われるのでボタン「追加」を押してインストールを続行する。

アドオンの「Charset Menu」をインストールした後は、Thunderbird の上部メニューより「表示 -> Text Encoding」を選択する。
Text Encoding では利用できる文字コードが一覧で表示されるため、設定したい文字コードをクリックする。

文字コードの設定

3.Thunderbird で文字コードが変更できない場合の対応方法

前述の「メール一通ごとの設定」と「アドオンによる設定」でも文字化けが解消されない場合は、Thunderbird を利用せずに文字コードの変更が可能なテキストエディタを利用することで文字化けした文字を読めむことができる。

手順としては、文字化けしたメールの件名や本文をコピーしてテキストエディタに貼り付け、名前を付けて保存を実施する。
この保存するときに文字コードを iso-2022-jp など変更したい文字コードを選択する。

保存と同時に設定した文字コードで読み直さない場合は、一度テキストファイルを閉じて再度開きなおすとテキストエディタは自動的に SJIS などに自動変換し、文字化けも解消して読み取れるようになる。

4.Thunderbird のバージョン別の文字化けの様子

メーラーの Thunderbird は不具合の修正や機能追加などで常にバージョンアップが行われているが、バージョンによっては文字コードの設定が有効化されなかったり、正常に表示されていたメールがある時を境に文字化けするようになる事象が発生する。



過去のバージョン別の文字化けの様子が次の通りである。

4-1.最新版 91.3.0 の文字化けの状態

従来の Thunderbird であればメールを開いて上部メニューの「表示 -> 文字コードの変更」で利用したい文字コードを選択すると文字化けを解消することができた。
しかしバージョン 91.3.0 では「文字コードの変更」の代わりに「テキストエンコーディングを修復」が表示されるものの、クリックしても文字化けが解消しない。

「テキストエンコーディングを修復」をクリック

そのため文字化けを解消するためには前述した「メール一通ごとの設定」または「アドオンによる設定」により文字コードの設定を変更する対応方法を実施する必要がある。

4-2.最新版 91.3.1 の文字化けの状態

Thunderbird のバージョン 91.3.1 においては多くの機能改善や不具合の修正が実施されたが、文字コードを任意で変更できる機能は失われたままとなっているため、「メール一通ごとの設定」または「アドオンによる設定」を行う必要がある。

4-3.最新版 91.4.0 の文字化けの状態

Thunderbird のバージョン 91.4.0 において自動的に ISO-2022-JP や UTF-8 などメール本文に設定されたエンコードが割り当てられ、日本語の文字化けが解消された。

しかし任意で文字コードを指定して変換できるようには実装されていない状況である。

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