Adobe Flash はアニメーションや動的なバナーの作成に利用されたソフトウェアで、2020年12月末にサポートが終了となった以降はウェブサイト作成の現場で活用されることは無くなったが、Flash には撮影した動画を編集する機能や Flash 形式以外の動画に書き出す機能があるので今でも利用することはできる中で YouTube 用の動画を作成する方法について紹介する。
このページの目次
1.Adobe Flash とは
Adobe Flash とはイラストや写真を動的に演出したり、動きがあるボタンやユーザビリティの高い入力フォームを作成することができるソフトウェアである。
ウェブサイトを見る利用者がマウスやキーボードで操作できるインタラクティブなコンテンツを提供することができる。
静止画像での表現に比べて動きがあることで利用者の記憶に残りやすく、製品・サービスのプロモーションコンテンツとして数多くのサイトで利用されてきた。
しかし、スマートフォンの普及とともにスマートフォンが Flash に対応しなくなったことで Flash の需要が低くなり、2020年12月末をもって終了となった。
Flash の後継として2016年2月より Flash Player を必要としない HTML5 によるインタラクティブな表現や動画再生に対応 Animate がリリースされている。
2.Flash で行うことができる動画編集
Flash はイラストや写真を動かす他に、カメラで撮影した動画を埋め込んだり、クロマキーで撮影した動画を背景と組み合わせて 1 つの動画にすることができる。
埋め込んだ動画自体を時系列で拡大縮小したり、字幕を挿入したりや複数の動画を並べて同時再生するなどテレビ番組でよく見られるレイアウトや演出も Flash で実現可能である。
3.Flash で YouTube 用の動画を作成する方法
Flash で YouTube 用の動画を作成する方法としては、カメラで撮影した動画を Flash に読み込み、編集した後に最終的に AVI の形式に書き出すことで YouTube にアップロードすることができる。
3-1.MP4 形式の動画を用意する
まず最初に編集したい動画を用意する。
Flash が読み込むことができる動画形式は MP4 となっているが、デジカメやスマートフォンで撮影した動画は MP4 で保存されるので、そのまま Flash に読み込むことができる。
また、パソコンやスマートフォンでキャプチャした動画も MP4 で保存できるため、ゲーム実況動画として Flash が利用できる。
3-2.Flash にシンボル「埋め込みビデオ1」を作成する
Flash はキャンバスと呼ばれる動画の下地に、写真や Flash で作成した図形や文字列を配置してアニメーションとして作成する。
キャンバス上に配置する部品をシンボルと呼ばれており、MP4 の動画もシンボルにするためにシンボルのウィンドウで「埋め込みビデオ1」を作成する。
3-3.タイムラインにシンボルを配置する
作成したシンボル「埋め込みビデオ1」をダブルクリックすると、シンボルの編集ができるようになる。
ここにカメラなどで撮影した MP4 の動画をドラッグ&ドロップすると動画が配置され、シンボルのフレームが自動的に伸びる。
3-4.キャンパスを YouTube の動画サイズに設定する
キャンパスは大きさを自由に変更することができ、大きいサイズほど高画質になるがデータサイズも大きくなったり、動画が粗くなることがある。
実際に YouTube で再生した時に最適なサイズを決めて、キャンパスの幅と高さを指定する。
3-5.キャンパスに合わせて動画のサイズを拡大縮小する
キャンパスのサイズがの指定ができれば、ウィンドウ「シンボル」で作成した動画をキャンパスにドラッグ&ドロップする。
この時、動画とキャンパスの大きさが合っていなければ配置したシンボルを拡大縮小してキャンパスの枠内に収まるように調整する。
また、この時に複数の動画を配置したり、字幕や写真を挿し込みたい場合は、Flash の各タイムライン上に配置して動画編集を行う。
3-6.AVI 形式の動画に書き出す
Flash で動画等の配置を行い編集が終われば、最後に AVI 形式の動画で書き出す。
3-7.AVI 形式の動画を YouTube にアップロードする
AVI 形式で書き出した動画を YouTube にアップロードすることでインターネット上に編集した動画を公開することができる。
最終的に Flash に動画を読み込ませて編集した動画が下図である。
スマートフォンのゲームをキャプチャしたものに、画面下部に Copyright の文字列を置き、画面右下にはゲームのロゴのイラストを配置している。
Flash には MP3 の音声ファイルも読み込んで配置することができるので、この動画を再生している間は別の音声を同時に流すことも可能である。
このように、ウェブサイトの作成では利用しなくなった Flash を利用することで、新たに動画編集ソフトを用意しなくても YouTube など動画を編集することができる。
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