[初回公開] 2008年09月18日
PDF はワープロソフトや表計算ソフトなどで作成した資料を公開を目的に閲覧専用に変換してよく利用されているが、特定のソフトウェアを利用すれば文字をコピーしたり編集して改ざんすることができるため、セキュリティをかけて防止する方法について紹介する。
このページの目次
1.PDF を公開資料として用いるメリット
PDF を公開資料として用いるメリットとしては、資料データを PDF に変換することで PDF を開くソフトさえあれば多くの人が参照できることである。
一般的に Word で作成した文書ファイルや Excel で作成した資料を開く場合は作成したソフトと同じソフトを閲覧者のパソコンにもインストールしておく必要があるが、有償なため購入していない利用者は閲覧できなかったり、バージョンにより開けない問題を PDF にすることで解決する。。
また、PDF はファイルサイズが軽量なためインターネット上で公開する上でも少ない通信量で済み、閲覧に特化しているので画面上に編集ツールなど不要な機能が出ないメリットも挙げられる。
2.PDF が編集できるリスク
PDF はインターネット上に公開する上で有効なデータファイルであるが参照に利用するソフトによっては編集でき、リスクが生じることもある。
例えば企業がの IR 情報や自治体が公開する公的文書は多くの人に見てもらえるように PDF にすることが多いが、編集やコピーが容易な電子データであるため改ざんされて間違った情報が広まる恐れが考えられる。
そこで、PDF に記載されている文字をコピーできないようにしたり、編集できないようにセキュリティをかけて改ざん防止の措置を取ることがある。
3.PDF で編集できないようにセキュリティをかける方法
PDF で編集できないようにセキュリティをかける方法は、PDF を作成する Adobe 社の Acrobat DC やセキュリティを施す機能がある PDF 操作ツールで可能である。
Acrobat DC で編集できないようにセキュリティをかけ、編集時はパスワードで解除させる設定が次の通りである。
3-1.文書のプロパティを開く
セキュリティをかけたい PDF を開いて上部メニューより「ファイル -> プロパティ」を選択して下図のような文書のプロパティのウィンドウを表示する。
次にタブ「セキュリティ」を選択してセキュリティの方法にあるプルダウンを「セキュリティなし」から「パスワードによるセキュリティ」を選択する。
3-2.編集するためのパスワードを設定する
「パスワードによるセキュリティ」を選択すると、編集するためのパスワードを設定するウィンドウが下図のように表示される。
権限の項目にある「文書の印刷および編集を制限。これらの権限設定を変更するためにはパスワードが必要」にチェックを入れ、「権限パスワードの変更」の欄に編集時にセキュリティを解除するパスワードを入力する。
チェックボタンの下には「印刷を許可」と「変更を許可」の 2 つが許可しないとなっているので、許可したい項目をプルダウンより選択する。
設定後は画面下部のボタン「OK」を押して終了する。
また、設定を有効にするためには開いている PDF を一度閉じて、開き直す必要がある。
3-3.セキュリティがかかっているか確認する
PDF にセキュリティがかかっているか確認するためには PDF を再度開き、設定時と同じく上部メニューより「ファイル -> プロパティ」を選択してウィンドウ「文書のプロパティ」を表示する。
ウィンドウ「文書のプロパティ」に「パスワードによるセキュリティ」が選択されており、その下に「文書のすべての内容が暗号化されているので、検索エンジンは文書のメタデータにアクセスできません。」と表示されているのが確認できる。
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