[初回公開] 2009年07月31日
パソコンを利用していると知らないところでログやアップデートファイルの残骸が残ることがあり、ハードディスクや SSD といったストレージの残り容量が少なくなったり、ソフトウェアのインストールとアンインストールを繰り返すと OS 内のソフトのデータベースが肥大化して処理が遅くなることがあるため、レジストリなど不要なファイルを安全に削除して高速化する方法を CCleaner を例に紹介する。
このページの目次
1.ハードディスクや SSD といったストレージの残り容量が少なくなる理由
ハードディスクや SSD といったストレージの残り容量が少なくなる理由としては、意図的にデータを作成したり写真や動画をパソコン内に保存する以外に、Windows アップデートで利用されるインストール前のデータが残ったままになったり、OS のイベントログが肥大化することにある。
特にレジストリと呼ばれる Windows のシステムやソフトウェアの設定に関する情報が記録されているファイルは利用しているだけで肥大化するので知らず知らずにストレージの容量が少なくなる要因の 1 つで、加えてパソコンの動作が多くなる原因でもある。
2.レジストリとは
レジストリとは、Windows OSの基本情報やインストールされているソフトウェア、アプリケーションの設定やパスワードなど、パソコン内の全ての設定情報をまとめたデータベースである。
ソフトウェアの本体は C:\Program Files にあるが、設定情報やライセンス認証情報はレジストリに格納されているため、C:\Program Files にあるデータを他のパソコンにコピーしても正常に起動しないのはレジストリも大きく関わっているからである。
ソフトウェアをインストール・アンインストールしたり設定変更するたびに、その情報がデータベースとなるレジストリに集積される。
そのためソフトの起動や動作が遅くなる原因の 1 つに挙げられるが、レジストリが多く溜まってしまった状態を整理整頓、クリーニングするソフトウェアもあり、一般的に「レジストリクリーナー」と呼ばれている。
レジストリクリーナーの代表格が CCleaner であり、利用方法は次の通りである。
尚、Mac OS にはレジストリの仕組みは存在せず、レジストリは Windows 特有の概念であり。
Mac ではアプリケーションごとに作成される「初期設定ファイル」が設定情報を管理している。
3.CCleaner とは
CCleaner(クラップクリーナー)」とは、イギリスの Piriform 社が開発した、ハードディスクや SSD 内にある不要になってしまったファイルやレジストリを掃除・クリーンアップを行うソフトウェアである。
レジストリクリーナーの代表格であり、無料版と有料版が提供されている。
CCleaner をインストールすると全ての機能の項目は表示されるが、無料版ではグレーアウトになり利用できない状態となっているので、利用したい機能があれば有料版を購入することでロックが解除されて利用できるようになる。
4.CCleaner でレジストリを掃除する方法
CCleaner でレジストリを掃除する方法は、CCleaner を起動してレジストリやストレージ内をスキャンすることで自動的に不要か必要かの判断が行われ、不要ファイルを選択して削除する。
例えば CCleaner でスキャンすると上図のようにブラウザのキャッシュから Windows OS に標準搭載されているクリーンアップ機能と同様に一時ファイルや Windows ログも検出して削除対象として候補に挙がる。
また、レジストリをスキャンすると上図のようにアンインストールしたものの残骸として残っているデータやキャッシュを検出してくれる。
スキャンして検出したあとは削除を実行するとレジストリは軽量化され、不要なファイル類は削除されてストレージの空き容量が増える。
レジストリは Windows の動作に核となるデータであるため、不用意に消すと動作しなくなるリスクがある。
そのため、表示されるファイルは「使われていない拡張子」や「無効または情報のないクラス」といった不要と思われるものだけが抽出されるので利用中のレジストリを消す心配は少ない。
5.レジストリ掃除のリスクと XP 以降でレジストリが肥大化するケースが減少した背景
レジストリクリーナーを用いてレジストリを整理整頓し、パソコンを高速化するのにレジストリの掃除は有効だが、最近の Windows OS ではその心配が無くなってきており、反対にレジストリを操作することでパソコンが動作しないなどリスクの方が大きくなってきている。
まず、Windows XP 以降はレジストリが肥大化するケースが減少しており、レジストリの肥大化によってパフォーマンスが低下するという欠点が改善されている。
そのため、Windows10 を始め Windows11 においてもレジストリが肥大化する問題は改善される傾向にあり、別途レジストリクリーナーを使用する必要性は低くなっている。
また、Windows の開発元である Microsoft 社はレジストリクリーナーの使用を推奨しない流れになっている。
加えて、無料のレジストリクリーナーにはリスクある製品もあり、その中にはマルウェアやアドウェアをインストールしようとするものがある。
特に海外製のフリーソフトにその傾向があり、軽量化するためにインストールしたレジストリクリーナーが反対に不要なソフトウェアを入れてしまうリスクがある。
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