[初回公開] 2009年09月28日
Windows はフォルダの中にさらにフォルダを作成することができ、階層でファイル類を管理できるようになっているが、どこにどのようなフォルダやファイルがあるのかを一覧で確認したい場合に階層に段落が付いたツリー状態としてテキストファイルに保存する方法を紹介する。

このページの目次
1.Windows のフォルダでファイルを管理するメリットとデメリット
Windows のフォルダでファイルを管理するメリットとデメリットは、作成したり取得したデータファイルをフォルダで分類分けして管理しやすくなるメリットに対して、フォルダを開いてどこにファイルがあるか確認する手間が発生するデメリットがある。

ビジネスシーンではフォルダを大分類から小分類へとカテゴリを細分化して管理されることが多い。
そのため、上の階層から順番にフォルダを辿っていくと目的のファイルに辿りやすくなる。
しかし、フォルダが枝分かれするため開きたいファイルが他のフォルダにあったり、類似のフォルダを作成してしまい、ファイルが分散して見つけづらくなる難点がある。
そこでどのようなフォルダの構成にするかルールを決めることでファイルを見つけやすくしたり、Windows の検索機能を使ってファイルを探すなど工夫されている。
また、工夫点の 1 つにフォルダ構成をツリー状で示した紙やテキストファイルで管理する方法も挙げられる。
2.Windows のフォルダ構成をツリー状態でテキストファイルに保存する方法
Windows のフォルダ構成をツリー状態でテキストファイルに保存する方法としては、tree コマンドを利用する。
tree コマンドは Windows のコマンドプロンプトで実行することができる。
2-1.tree コマンドとは
tree コマンドとは、Windows OS に標準搭載されているコマンドプロンプトで実行するコマンドで、ファイルやフォルダの階層構成を木の枝のように分岐して出力することができる。
コマンドの実行により各ファイルの属性も出力することができる。
tree コマンドは Windows 特有の機能で RedHat や CentOS など Linux 系のサーバ OS にはディレクトリ構成を出力する tree コマンドに相当する機能は存在しない。
ある 1 つのフォルダの階層のみだけでなく、その下にあるフォルダやフォルダも出力することができ、いくつもの多段の階層になっていても自動的に下位まで掘り下げてファイルの一覧を出力してくれるのが特徴である。
2-2.tree コマンドの利用方法
tree コマンドの利用方法は、コマンドプロンプトを起動する必要がある。
コマンドプロンプトはデスクトップ上の Windows マークから「Windows システムツール -> コマンドプロンプト」をクリックする。
次にコマンドプロンプトが起動したらキーボードで「tree /f >{任意のファイル名}.txt」と入力することでコマンドが実行されて、フォルダ構成がテキストファイルに保存される。

C:\Users\{ユーザ名}>tree /f >{任意のファイル名}.txt
tree の後ろの /f は出力するテキストファイルにファイルの名称を表示させることを示している。
また、>{任意のファイル名}.txt でテキストファイルに出力することを示し、{任意のファイル名}は好きな名称を付けることができる。
tree コマンドで保存される一覧の内容は tree コマンドを実行したフォルダの場所からとなるため、上記のように C:\Users だと Users フォルダ以下が全て保存の対象となる。
特定のフォルダだけにしたいのであれば cd コマンドでフォルダを移動してから tree コマンドを実行する。
例えばデスクトップ上のファイルとフォルダの一覧を取得したければ「C:\Users\{ユーザ名}\Desktop」で tree コマンドを実行するとよい。
3.tree コマンドで出力したテキストファイルの見方
tree コマンドで出力したファイルの中身を見るためには出力したファイルをダブルクリックする。
出力したファイルは前述のように拡張子を .txt にしていれば、Windows に標準インストールされている「メモ帳」やテキストエディタで開くことができる。

テキストエディタで開いた tree コマンドの実行結果は上図のようにフォルダ名とファイル名がツリー構造で確認することができる。
Word など文書を扱うファイルでも Word を起動した後に出力したファイルをドラッグ&ドロップで開くことが可能である。
4.tree コマンドで出力したテキストファイルの使い道
tree コマンドで出力したテキストファイルの使い道としては、フォルダに対してファイルの保存や移動をしない階層にどのようなファイルがあるか確認したい時に利用するとよい。
特に撮影した写真データや動画、音楽ファイルなど膨大にあるファイルの一覧表を作成したり確認したい場合に重宝する。
また、出力したテキストファイルを Excel など表計算ソフトで開くと印刷したり資料化して複数人で共有化も図ることができる。
パソコンの故障を防ぐ役割もあり、Windows でファイル検索を行うとハードディスクや SSD など記録媒体の全体に検索をかけるため物理的に負荷がかかり寿命を縮めてしまう。
そこで tree コマンドで出力したファイルをメモ帳などテキストエディタで開いてからファイル名を検索すると、検索対象がファイルだけになるのでハードディスク等に負荷をかけることなく即座に検索して把握することができる。
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