Thunderbird で迷惑メールを自動的に破棄するフィルタリングの設定方法


[初回公開] 2008年03月18日

メールアドレスを持っていると必ず遭遇するのが、迷惑メールと呼ばれるメアドを伝えていない相手から一方的にメールを送り付けられる行為で、受信箱がいっぱいになるだけでなく詐欺やウィルス感染を悪用されることが多いためメーラーの Thunderbird を例に迷惑メールを自動的に破棄する設定方法について紹介する。

Thunderbird で迷惑メールを自動的に破棄するフィルタリングの設定方法

1.迷惑メールとは

迷惑メールとは、自身のメールアドレスを教えていないにも関わらず一方的に送られてくるメールである。
フリーメールアドレスの場合は広告として受信するメールがあるが、迷惑メールの場合はフィッシングサイトへ誘導する詐欺やウィルス付きの添付ファイルを送信するので実害を伴うこと多い。



迷惑メールが届く原因は日頃メールで連絡している相手がウィルス感染して自身のメアド情報が漏洩したり、ドメインを取得するとメールアドレスを含むドメイン所有者の情報がインターネット上に開示されることから迷惑メールの送信者に知れ渡ってしまうからである。

その他、ウェブサイトや EC サイトで連絡先としてメールアドレスを開示している場合も情報収集して悪用されることがある。

また、取得されたメールアドレスは売買されることがある。
メアドの名簿を購入する者もいれば、ランダムに生成したメールアドレスに対して送信し、宛先不明のエラーにならなかったメールアドレスは利用されていると見なすことができるので、販売目的にメールアドレスを探す者もいる。

2.迷惑メールが無視できない理由

営業や勧誘といった広告メールであれば無視するだけで支障は無いが、迷惑メールは実害につながる次の 2 点が挙げられる。

まず 1 つ目はメールボックスの逼迫である。
受信した電子メールはメールボックスと呼ばれるサーバの領域に保管されるが、実際に自宅にあるハガキや封筒など郵送物を受け取るボックスと同様に受け取って保存できる容量(ファイルサイズ)が決まっている。

そのため、迷惑メールが多いとメールボックスがいっぱいになり、受け取るべきメールが受け取れなくなってしまう。
これを解消するために、定期的にメーラーでメールボックスにあるメールを受信する作業必要になる。

迷惑メールが無視できない 2 つ目としては、詐欺の温床になっていることである。
最近ではクレジットカードやインターネット販売などオンラインで手続きが済むものが多いが、それらは本人連絡先としてメールアドレスを利用していることが多い。

迷惑メールを配信する者は「○○から緊急のお知らせ」「アカウントを停止しました」など不安を煽るメールを送り付け、メール本文内のフィッシングサイト用の URL をクリックさせて個人情報を盗み、詐欺に利用する事案が多発している。

そのため、迷惑メールは自動的に破棄して、本当に必要なメールのみを残す設定が必要になる。

メーラーの「Thunderbird」には受信箱内をフォルダを使ってメールを分類することができ、フィルタリングと呼ばれる機能を使うと自動的に必要なメールと迷惑メールと仕分けが可能になる。

3.Thunderbird で迷惑メールを自動的に破棄するフィルタリングの設定方法

Thunderbird で迷惑メールを自動的に破棄するフィルタリングの設定方法として、メールの文字コードを利用する。

電子メールは差出人や件名、本文の他に送信に利用したメールサーバ名などメール一通に対してさまざまな情報を持っている。
その中の 1 つに文字コードと呼ばれる利用できる言語に関する情報があり、日本語を扱う場合は下記のように「iso-2022-jp」が用いられている。

Content-Type: iso-2022-jp

文字コード「iso-2022-jp」ではないメールは迷惑メール業者がシステム的に送ってきたり、日本国外からのメール送信と見なすことができる。
Thunderbird で文字コード「iso-2022-jp」以外の場合は破棄するように次の設定を行う。

3-1.メッセージフィルタを開く

Thunderbird で迷惑メールの自動破棄を行うために、メッセージフィルタの機能を利用する。
まずは Thunderbird が起動した後に上部メニューより「ツール -> メッセージフィルター」を選択してウィンドウ「メッセージフィルター」を表示させる。

ツール → メッセージフィルターを選択


3-2.メッセージフィルタを新規作成する

ウィンドウ「メッセージフィルター」が下図のように表示されれば、そのウィンドウの右にあるボタン「新規作成」をクリックしてウィンドウ「フィルター設定」を表示する。

ボタン「新規作成」をクリック

3-3.迷惑メール用のフィルターを設定する

ウィンドウ「フィルター設定」は下図のようになっており、この画面で条件を設定して迷惑メールを自動破棄させる。
今回はメール本文の文字コードを利用するため、「件名」とあるプルダウンをクリックして選択できるメールの情報の中から「カスタムヘッダー」をクリックする。

カスタムヘッダーをクリック

次にウィンドウ「カスタムヘッダー」が表示されるので、入力欄に「Content-Type」と入力し、ボタン「追加」をクリックする。
ボタンクリック後に入力欄の下に「Content-Type」があるのを確認したらボタン「OK」をクリックする。

カスタムヘッダーの登録


カスタムヘッダーの登録が終わると、受信したメールをフィルターする条件に「Content-Type」が入るため、『Content-Type に iso-2022-jp を含まない』という条件を作成し、その条件に合致するとメッセージをごみ箱に移動するように設定して完了となる。

以後は、受信したメール一通ごとに Contetn-Type が iso-2022-jp かをチェックして条件に合致すれば全て自動的にごみ箱に移動するようになる。

注意点としては、日本語に限らず多言語に対応できる文字コード「UTF-8」が主流になってきており、UTF-8 で送られた迷惑メールはフィルタリングの条件に合致せずに受信トレイに入るため、メール本文見る場合はフィッシング詐欺に合わないようにしなければならない。

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