API の送受信を確認する Chrome の拡張機能「Talend API Tester」使い方と LINE API の連携


[初回公開] 2022年03月02日

ウェブアプリケーションの開発現場ではゼロから全てをプログラムするのではなくライブラリや API と呼ばれる機能を取り入れて開発することがあり、データを送信して返答する API の動作確認を簡単にするツールとして Chrome の拡張機能で提供されている Talend API Tester の使い方を紹介する。

Chrome の拡張機能 Talend API Tester で API のテストを行う方法

1.API とは

API とは Application Programming Interface の略で、API で定義されている宛先と形式でデータを送信すると動作仕様に基づいて処理や決まった形式のデータを返す機能のことである。
主に、ビッグデータを持つシステムに対してデータの抽出を行ったり、ライブラリの関数のように利用されることが多い。



例えば顧客情報を蓄積しているデータベースより○○という名前の企業名の情報を取得したい場合、ゼロからプログラムすると次のような処理が必要になる。

  1. ○○を取得する SQL を用意する
  2. データベースに接続する
  3. SQL をデータベースに対して実行する
  4. データベースから返ってきた○○のデータを成型する

データベースから 1 つのデータを取得するだけでもプログラムで用意するとこのように少なくとも 4 つの工程を経て、求めるデータを入手することになる。

ここで「企業名を渡すと企業情報を返す API」が既にあると、開発者は次の 1 つの工程のみプログラムすると求めるデータが得られる。

  1. ○○のデータを付けて API にリクエスト(処理の依頼)する

2.API が便利な理由

API が便利な理由としては、前述の通りゼロから機能をプログラムせずとも、用意されている API を利用して開発を楽にすることができる。
開発が楽になると開発工数が抑えられるので短納期、低コストでのシステム開発も可能になる。



API の提供者により動作試験も行われているので、試験工程を省く点もメリットとなる。

また、インターネット上の外部のサービスで API が提供されていることもある。
例えば SNS の X(旧 Twitter)であれば API にツイートしたい文章をリクエスト(処理の依頼)すると指定するアカウントのタイムラインにツイートが投稿される。

同じく SNS の LINE であれば API に投稿するだけで友達全員にプッシュ通知することもでき、外部サービスとの連携により利便性が高いシステムやサービスを構築することができる。

3.API を使う方法

API を使う方法としては、インターネットを利用したウェブ系であれば HTTP または HTTPS 通信を利用し、GET もしきは POST と呼ばれる 2 つの送信形式で API が指定する URL に送信するだけである。

GET は API がある URL の後ろにそのまま渡したいデータを付与して送るだけで API が実行される。
そのため、ブラウザの URL に API の URL と渡したいデータを入力してアクセスするだけでも API が利用できる。

下記は GET でリクエストする際の例で、上側は URL の後ろに ? を挟んでデータを付けており、name というパラメータに○○という値を付けていることを指す。

https://{API のパス}/?name=○○
https://{API のパス}/○○/



下側は上側と違い ? と name も付けずに渡したい値だけを付与する形である。
利用する API により渡し方が異なるので API のマニュアルに沿って利用する。

また、POST でリクエストする際の例が下記となり、API の URL と渡すデータ部が分かれている。
GET と違い POST の場合はブラウザの URL 欄からリクエストすることができず、POST 用のプログラムを用意するか後述する API にリクエストするブラウザの Chrome の拡張機能である「Talend API Tester」を利用すると簡単に API の動作試験を行うことができる。

POST https://{API のパス} HTTP/1.1
content-type: application/json

{
“name”:”○○”
}

4.Talend API Tester とは

Talend API Tester とは、API に対して GET や POST のリクエストと API から返ってきたデータをブラウザで操作、確認ができる Google が開発提供するブラウザ Chrome の拡張機能である。

Talend API Tester は有償版と無償版があり、無償版でも API の動作確認する上で十分な機能が備わっている。

5.Talend API Tester のインストール方法

Talend API Tester のインストール方法としては、まずブラウザの Chrome を起動して右上のメニュー欄より「その他のツール -> 拡張機能」を選択すると拡張機能の画面が表示される。

拡張機能の画面では既にインストールされている拡張機能が表示され、画面上部の検索欄に「Talend API Tester」を入力して検索する。
Talend API Tester の詳細ページが表示されれば、ボタン「Chrome に追加」をクリックしてインストールする。

ボタン「Chrome に追加」をクリック

インストールされると下図のように説明文が表示されるため、ブラウザ上部に常に表示させたい場合はピンマークをクリックすると、Chrome を起動してすぐに利用できるようになる。

Talend API Tester をすぐ使いたい場合はピン留めする


次に無償版を有効化するためにボタン「Use Talend API Tester – Free Edition」をクリックする。

ボタン「Use Talend API Tester - Free Edition」をクリック

ボタン「Use Talend API Tester – Free Edition」をクリックすると下図の API にリクエストするためのパスやデータを入力する画面が表示され、この画面より各 API にリクエストすることができる。

Talend API Tester の画面

6.Talend API Tester の使い方

Talend API Tester の使い方は下図の 5 箇所を利用して API にリクエストを行う。
まず、図中 (1) でデータを送信する形式を GET か POST か選択する。

Talend API Tester の使い方


次に図中 (2) で API のパスを記入し、図中 (3) で API にリクエストする際のヘッダー情報のパラメータを、図中 (4)でそのパラメータに応じた値を入力する。

最後に図中 (5) のボタン「Send」をクリックすると API がリクエストされ画面下部に API からの結果が表示される。

Talend API Tester で LINE にプッシュ通知した様子

上図は実際に LINE の API にプッシュ通知のリクエストをした時の様子である。
LINE の API はトークに表示する文章を BODY 内に JSON 形式で記入する。
リクエストした後は画面下部に「HTTP/1.1 202」と表示され、リクエストが成功したのが確認できる。

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