テキストエディタ EmEditor でデータ解析やプログラムする 5 つの活用方法


[初回公開] 2008年03月12日

テキストエディタの代表的なソフトは Windows に標準インストールされている「メモ帳(notepad)」だが、さらに高機能なテキストエディタを使いこなすとプログラム開発やデータ解析を行うことができる強力なツールとなり、その中で EmEditor の特徴と利用例を紹介する。

テキストエディタ EmEditor でデータ解析やプログラムする 5 つの活用方法

1.テキストエディタとは

テキストエディタとは、キーボードで文字を入力して保存・編集するソフトウェアである。
Office 製品の Word に代表されるワープロソフトに類似しているが、印刷を想定したソフトではないため図形の挿入や文字色を変えるといった装飾の機能は搭載されていない。



反面、文字列を取り扱うのに長けているため検索や置換といった文字列に対して操作する機能が充実している。
複雑な機能が無い分、テキストエディタのソフト全体のデータサイズは小さく、起動も早いのが特徴である。

2.テキストエディタの活用方法

テキストエディタの活用方法としては、ウェブサイトの作成に欠かせない HTML のコーディングなどプログラム開発や、膨大なログデータを解析を行う場合に利用される。

また、会議で手早く議事録を取ったり、編集が容易なことから資料を本格的に作成する前段階として草案を作る際にもテキストエディタを利用すると効率が良い。

テキストエディタには無償で利用できるものと有償のものなどさまざまであるが、その中で EmEditor の特徴が次の通りである。

3.EmEditor とは

EmEditor(エムエディタ)とはエムソフトが開発・販売するテキストエディタである。
無償版と有償版があり、無償版はプログラマーなど開発者向けの機能は搭載されていないものの、テキストエディタとして一般的な機能が備わっている。

プラグインにより必要な機能を拡張できるとともに、マクロを独自にプログラムして用意することで同じ処理を自動化することができる。

EmEditor パッケージの外観


4.EmEditor の 5 つの活用方法

EmEditor はプログラマーやサーバ管理者など利用者によりさまざまな用途があるが、特に作業の効率を上げる 5 つの活用方法が下記となる。

4-1.ブロック選択で編集時間を削減する

EmEditor にはブロック選択機能が搭載されており、この機能で編集時間を削減することができる。
ブロック選択とは、表計算ソフトや画像編集ソフトで広範囲に渡り選択する場合にマウスをドラッグするように、下図のように文字列を選択することである。

EmEditor でブロック選択している様子

一般的にテキストエディタでマウスをドラッグすると行単位で選択されてしまうが、このブロック選択は Alt を押しながらマウスをドラッグすると任意の範囲にある文字だけを選択することができる。

ブロック選択した状態で Back space キーを押すと文字が削除でき、文字を入力すると一括で選択範囲の文字が入れ替わり、一つずつ編集するのに比べると時間を短縮につながる。

4-2.複数のファイルから一括検索して漏れを無くす

テキストエディタやワープロソフトは開いているファイル内のみを検索する機能はあるが、EmEditor には検索するフォルダを指定することで複数のファイルから一括検索する機能が備わっている。

EmEditor で複数のファイルから一括検索する


一括検索時はファイルの種類を指定することもできるため、テキストファイル(.txt)だけを検索対象にすることも可能である。
一括検索機能を使うことで、プログラム開発においては同じ変数名や同じ処理をしているところを探し当てることがあるので、プログラムミスの軽減につながる。

4-3.何十万行のログの検索と置換で瞬時に求めるデータを掘り起こす

EmEditor は 16TB までのファイルを開くことができるため、膨大なログファイルやデータベースから出力したダンプファイルのような何十万行とあるデータから検索して求める情報を探すことができる。

また、正規表現による置換と抽出ができるので、検索して一つずつ確認せずとも文字列の型を指定するだけで該当する行のみを別のファイルに書き出して解析にかかる時間を減らすこともできる。

4-4.インストール不要のポータブル版でどこでも利用する

テキストエディタに関わらずソフトウェアは OS にインストールしなければ利用できないことが多いが、EmEditor は インストール不要のポータブル版も提供されているため、会社の共用パソコンなど使い慣れている自分のパソコン以外で作業する場合でもポータブル版を USB メモリなどに入れてどこでも利用することができる。

4-5.差分確認でデータの違いを比較する

プログラム開発していると変更前と変更後の差分確認を行うことが多く、EmEditor に搭載されている機能を使えばデータの違いを比較することができる。

双方のファイルで異なる箇所は背景色が付いて一目でわかるように示してくれるとともに、該当する箇所の行番号も出るのでプログラムの間違いやファイルの取り違いを防ぐ効果がある。

5.EmEditor のバージョンアップによる違い

EmEditor は現在も機能追加や新しい OS への対応などバージョンアップが行われており、現時点の最新バージョンは 21 系となっている。
大きく変わり始めたのはバージョン 7 の頃で次の機能が搭載された。

  1. 巨大ファイルの高速起動
  2. 検索バープラグインの追加
  3. HTML バープラグインの追加
  4. プロジェクトプラグインの追加
  5. 単語補完プラグインの追加
  6. キー入力とマウス操作の記録と再生
  7. マクロ用の新しいオブジェクト、プロパティ、メソッドの追加
  8. USB メモリにインストール可能

また、バージョンアップにより制限がかかる点も出てきた。
バージョン 7 より例えばウェブサイトをブラウザで表示して HTML ソースを EmEditor で開くと下図のように鍵マークが付くようになった。

EmEditor で書き込み制限がかかっている様子

これは開いたファイルに文字の書き込みができない状態を示しており、ロックを解除しない限り変更できないようになっている。

ステータスバーよりロックを解除する。

書き込み制限のロックを解除するためには、EmEditor のウィンドウ下部にあるステータスバーより上図にある通り「書込」をクリックするとロックが解除されて編集が可能になる。

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