Windows 起動直後に CPU が 100% になる MRT.exe の正体と対応策


[初回公開] 2021年04月09日

Windows を起動した直後にマウスカーソルがフリーズしたりソフトウェアが表示されないなど動作が重くなる原因の 1 つに MRT.exe が影響していることがあり、CPU の利用率が 100% となり操作に大きな支障が出るため MRT.exe の正体と対応策について紹介する。

Windows 起動直後に CPU が 100% になる MRT.exe の正体と対応策

1.Windows の起動直後に動作が重くなる様子

Windows の起動直後に動作が重くなる様子としては、パソコンの電源を入れてログインした直後にデスクトップ画面は表示されるものの、マウスカーソルが動かない、もしくはマウスが動いてもブラウザなどソフトウェアが起動しないフリーズに近い状態となる。

CPU が 100% になっている状態


パソコンが重い場合は CPU やマウス、ストレージなどリソースの利用率が 100% になっていることが多く、上図のようにタスクマネージャーで確認することができる。
リソースの利用率が高い場合は何等かのソフトウェアの実行が影響しており、そのソフトウェアの中で MRT.exe が挙げられる。

2.MRT.exe とは

MRT.exe とは、Microsoft 社が提供するウィルス等の駆除ツール(Microsoft Windows Malicious Software Removal Tool)で、Windows Update の実行に併せて起動するものの、一般的なコンピュータウィルスに対応したセキュリティソフトのようなセキュリティを確保するものではなく、感染したファイルの検出と削除を定期的に実行する。

頻繁に起動するソフトではないものの、Windows Update に合わせてスキャンするため CPU などパソコンのリソースを消費する要因となる。

正式な日本語名称は、「Microsoft Windows 悪意のあるソフトウェアの削除ツール」となり Windows Update の履歴を確認すると頻繁に更新されているのが確認できる。

3.MRT.exe の影響でパソコンが重い場合の対応策

MRT.exe の影響でパソコンが重い場合の対応策としては、MRT.exe のプロセスを終了させるか、Windows Update を実施するの 2 つの方法が挙げられる。

3-1.MRT.exe のプロセスを終了させる

MRT.exe が実行中でパソコンが重い場合は、MRT.exe のプロセスを終了させることで動作を軽くさせることができる。
プロセスを終了させるためにはデスクトップの Windows マークを右クリックして表示されるメニューより「タスクマネージャー」を選択する。

「タスクマネージャー」が表示されれば、タブ「パフォーマンス」の画面下部にあるリンク「リソースモニター」をクリックする。

リンク「リソースモニター」をクリック


リソースモニターが表示されれば、起動中のプロセス一覧から MRT.exe を右クリックしてプロセスを終了するとパソコンの重さが解消する。
ただし、これは一時的なものなので次に Windows Update が起動すると同様に重くなる可能性は高い。

MRT.exe を右クリックしてプロセス終了

3-2.Windows Update を実施する

MRT.exe はパソコン起動直後に自動的にスキャン動作を実行するが、実行が終わるとすぐにリソースを解放するので無害である。
しかし Windows Update の更新チェックを行い、まだアップデートが終了していない項目がある場合は長時間に渡りプロセスが残ったままになり、動作が重くなる原因になる。

Windows Update で「最新の状態です」が表示される様子

そこで、Windows Update を実行して更新チェックの結果が「最新の状態です」が表示されるようにする。

ここでいう Windows Update は月に 1 度配布される定期的なアップデートの他、任意で行う Windows OS のサービスパックのバージョンアップも対象である。
MRT.exe がすぐに終わらない場合はサービスパックのアップデートをして Windows のバージョンを上げることも検討したほうがよい。

ただし、サービスパックをアップデートすると今まで使ってきた Windows の各種機能や画面レイアウトが変更される点と、アップデートに半日以上の時間がかかる場合があるのでそれらの点を留意したほうがよい。

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4.MRT.exe をアンインストールする方法

MRT.exe は一般的なソフトウェアのようにインストールされているものではなく、実行ファイルがパソコン内に存在しているだけである。
そのため、MRT.exe のファイルを削除すれば実質アンインストールしたものと同様になる。

ただし、Windows Update の後には自動的に MRT.exe が生成・実行されるため MRT.exe を一度削除しても、以後、恒久的に起動しないようにすることはできない。
しかし、Windows Update の後にはファイルを消すようにすれば起動直後に重くなる事象は回避することは可能である。

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