【Windows10 22H2】Windows の大型アップデートできない場合の対応方法

Windows の大型アップデートは毎月のアップデートとは別に年に約 2 回提供され、機能改善の他にいくつかの新機能も追加されるとともに、Windows の OS サポート期限も変更される重要なアップデートだが、大型アップデートを行っても完了しない事象が発生することがあり、原因と対応方法について紹介する。

【Windows10 22H2】Windows の大型アップデートできない場合の対応方法

1.Windows の大型アップデート(22H2)とは

Windows の大型アップデート(22H2)とは、毎月 Microsoft から提供される「累積更新プログラム」や「.NET Frameworks」などと違い、機能改善といくつかの新機能を追加されるものである。

1 年を半期で分け、前期を「H1」、後期を「H2」とし、先頭に西暦の下二桁を組み合わせて提供される。
例えば「2022年後期」に配信するバージョンは「22H2」と表されている。

また、Windows 10 や Windows 11 といった製品名とは別にバージョンが存在しており、22H2 はバージョンを示している。
バージョンごとにサポート期限が定められているため、長くパソコンを利用したい場合は定期的に大型アップデートが行ったほうよい。

Windows10 のバージョンごとのサポート期限の様子

上図は Windows10 のバージョンごとのサポート期限が Microsoft 社が示されたもので、21H2 は既に2023年06月13日にサポートが終了しているため脆弱性に対応した新しい更新プログラムが提供されることがない。

そのため、Windows10 を安全に利用するためには 22H2 にアップデートする必要があり、22H2 にすることで2025年10月14日までサポートを受けることが可能になる。

2.Windows の大型アップデート(22H2)が完了しない様子

Windows の大型アップデート(22H2)は毎月提供される更新プログラムとは違い、ダウンロードするデータ量が多く、インストールにも時間がかかる。
そのため、さまざま原因で大型アップデートが完了しないことがあり、その様子が次の通りである。

  1. 画面「Windows Update」でアップデートしても途中で失敗する
  2. ダウンロード、インストール、再起動してもバージョンが 22H2 にならない
  3. タスクバーの通知欄に「失敗しました」しか表示されず原因がわからない

3.Windows の大型アップデート(22H2)が完了しない原因

Windows の大型アップデート(22H2)が完了しない原因は、大型アップデートに必要なデータや構成になっておらず、インストール途中で失敗することが主な原因である。

特に長期間 Windows アップデートしていなかったり、リカバリして工場出荷時に戻して最新の Windows のバージョンにしようとした際などに正常に完了しないことが多い。

4.Windows を 22H2 にアップデートできない場合の対応方法

Windows を 22H2 にアップデートできない場合の対応方法としては、ストレージの容量不足など簡単なものからシステムファイルの破損を修復など状況に応じて対応方法が異なる。

主な対応方法が次の通りである。

4-1.空き容量を増やす

Windows の大型アップデートのファイルサイズは数 GB に及ぶこともあり、パソコンのストレージ内の容量が少ないとインストールできなことある。

また、ダウンロードしたファイルサイズとは別にアップデートに必要なデータを一時的に複製するため、OS と同等程度の空き容量を必要とする場合もある。

4-2.インターネット接続を確認する

Windows の大型アップデートはインターネット上から入手するため、インターネット接続は必須となる。
ダウンロード中に通信が途切れたり、不安定な状態だとアップデートファイルが破損してインストールに失敗することがあるので、安定して通信が行える場所で大型アップデートを行うのがよい。

4-3.トラブルシューティングツールを使用する

Windows にはアップデートが正常に動作しない場合に向けてトラブルシューティングツールが用意されているため、検査して修復することで Windows アップデートが進むことがある。

まず Windows の設定画面より「更新とセキュリティ -> トラブルシューティング」を選択して、下図のトラブルシューティングの画面を表示する。

「更新とセキュリティ → トラブルシューティング」を選択

次にトラブルシューティングの画面内のリンク「追加のトラブルシューティングツール」をクリックする。
トラブルシューティングツールの画面が表示されれば、下図の「Windows Update」をクリックしてボタン「トラブルシューティングツールの実行」をクリックする。

ボタン「トラブルシューティングツールの実行」

トラブルシューティングツールが実行中は問題をスキャンした結果が表示される。

トラブルシューティングツールの実行結果の様子

もしトラブルシューティングツールのスキャンで問題があれば修復するかのボタンが表示されるため、画面に沿って操作して問題を解決させると Windows アップデートが正常動作することがある。

4-4.Windows Update のデータベースを修復する

Windows Update を行うとダウンロードした修正プログラムのパッケージや適用履歴のデータベース、実行時のログファイルなど、重要なデータを SoftwareDistribution などに集積している。
しかし、何等かの理由で SoftwareDistribution らデータベースが破損して Windows Update ができなくなることがあるため、修復させることで正常化することがある。

修復にはまず、スタートボタン(タスクバー左下の Windows アイコン)を右クリックして「Windows PowerShell(管理者)」または「コマンドプロンプト」を起動させ、次のコマンドを実行する。
コマンドは一行ずつ入力してエンターキーを押す。

net stop wuauserv
net stop cryptSvc
net stop bits
net stop msiserver
ren C:\Windows\SoftwareDistribution SoftwareDistribution.old
ren C:\Windows\System32\catroot2 catroot2.old
net start wuauserv
net start cryptSvc
net start bits
net start msiserve

上記コマンドの流れとしては Windows Update に関連するサービスを停止させたのち、データベースを ren コマンドで違う名前にバックアップさせている。
バックアップ後に停止させた各サービスを手動で起動させることでデータベースの修復が行われる。

  • wuauserv – Windows Update のサービス
  • cryptSvc – ストレージデバイス上のデータを暗号化および復号化する正当な Windows プロセス
  • bits – Windows Update クライアントの情報
  • msiserve – Windows Installer サービス

4-5.システムファイルチェッカーを実行する

Windows OS はアップデート以外にも動作に必要な情報をシステムファイルとして管理されている。
そのため、日常的にパソコンを利用していても何らか理由でシステムファイルが破損することがあるため、sfc コマンドチェックと修復を行うことで Windows アップデートが正常化することがある。

修復にはまず、スタートボタン(左下の Windows アイコン)のアプリ一覧から「Windows システムツール」をクリックする。
次に「コマンドプロンプト」を右クリックして「管理者として実行」で起動する。
最後に下記のコマンドを入力してエンターキーを押すことでシステムスキャンが実行され、問題があれば修復も実行してくれる。

sfc /scannow

4-6.22H2 アップデート用のインストーラーを利用する

Windows 22H2 など大型アップデートは毎月の Windows Update と同じように更新チェックしてインストールするのが一般的だが、パソコンをリストアして工場出荷時に戻した後に、急に最新バージョンにアップデートできないことがある。

そのため、Microsoft の公式サイトから大型アップデート用のインストーラーをダウンロードして実行することで 22H2 にすることができる。

「Windows 10 のダウンロード」の画面の様子

まず、Microsoft Edge などブラウザを起動し、Microsoft 社の「Windows 10 のダウンロード」のウェブサイトにアクセスする。
Windows 10 のダウンロード

ウェブサイトが表示されれば、画面内にあるボタン「今すぐアップデート」をクリックするとインストーラーが入手できるので、インストーラーを実行することで大型アップデートに必要なデータの入手をインストールが実行される。

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