[初回公開] 2021年06月23日
乳児・幼児といった子どもが小さい時期はよく熱を出すもので稀に体全身が跳ねるように熱性によるけいれんを起こすことがあり、私自身もその場を目の当たりにして非常に動揺したが、小さな子どもを持つ保護者向けに熱性けいれんを起こす原因とけいれんを起こした場合の対応方法について紹介する。

このページの目次
1.乳児・幼児がけいれんを起こす原因
乳児・幼児がけいれんを起こす原因は、主に「てんかん」など病気に起因する場合と高熱が起因する場合の 2 通りが考えられる。
前者の「てんかん」など病気に起因する場合は、大脳の神経細胞に異常な電気信号が発生して自分の意思とは関係なく体が勝手に発作的な骨格筋の収縮をきたす。

また、後者の高熱が起因する場合は、乳児・幼児の脳が未成熟なため、熱を下げようとする代謝時に誤った信号が脳内を走り、けいれんすることがある。
一般的には 39℃ 以上の熱が出ていると熱性のけいれんが出やすい状況となる。
そのためインフルエンザだけでなく普通の風邪でも高熱になるとけいれんを起こす可能性が高い。
同じく発熱の症状がある新型コロナウィルスでも熱性けいれんが起こる可能性はあるものの、熱性けいれんが起きやすい年齢とされるのは 1 歳から 4 歳が多い。
2.乳児・幼児が熱性けいれんを起こした時の症状
乳児・幼児が熱性けいれんを起こした時の症状としては、体全身が硬直して激しく体を上下させる。
ほとんどは数秒から数分以内でおさまるが、てんかんの場合はけいれんが 5 分以上続いたり、口から泡を吹いたりすることがある。
3.熱性けいれんを起こした時の対応方法
乳児・幼児が熱性けいれんを起こすと、子どもを抱っこしていても腕から落ちそうなほど体を跳ね上げるようにして動く。
その様子を間近で見ている親は大変驚くが、けいれん時に取る行動としては、まずは子どもに心身ともに刺激を与えないように保護者は落ち着き、子どもの体を安静にすることである。
子どもの意識が朦朧としていても無理に体を揺らしたり、呼びかけるのは避けたほうがよい。
食事直後でけいれんにより吐くようであれば、吐しゃ物が器官に入り窒息しないように横向きに寝かせるようにする。
次に、すぐにけいれんが止まってもそのまま様子を見るのではなく、すぐに救急車を呼び受診する。
夜間休日であれば救急外来診療を行っている医療機関に自家用車で連れて行き、医師の診察を受けたほうがよい。
けいれんが 5 分以上続いたり、断続的に発生するようであれば迷わず救急車を呼ぶことをお勧めする。
救急車を呼ぶ、もしくは保護者自身で救急外来窓口に行く場合のどちらでも、診察する医師と看護師が既往歴を把握してスムーズに対応できるように母子手帳は必ず持参するようにする。
救急外来での診察でも問題なければ通常の診察と同じく診察料金を支払うため、財布と保険証も忘れずに持参しておけば、その日の内に手続きが済むの一安心である。
私の場合は熱性けいれんがすぐに収まったものの、夜中だったため夜間休日診療を行っている病院に子どもを連れて自家用車で向かった。
ちょうどインフルエンザが流行っている時期で救急外来にも関わらず診察を待っている人が大勢いたが、看護師に事情を説明するとすぐに診察してもえることになった。
受診に際してはけいれんの直前までに熱があったかや、けいれんを起こしていた時間を伝えるとよい。
4.熱性けいれんを起こした後の検査
熱性けいれんを起こしてもすぐにおさまり、医師の診断で経過観察となっても念のため脳波の検査を勧められることがある。
日中の小児科であれば詳しく検査できる場合もがあるが、夜間休日の救急外来の場合はあくまで急を要する患者の処置までとなるため、その場で脳波の検査までは行わない。
そのため、精密検査は後日、検査機器のある総合病院等で実施することになる。
けいれん後の脳はの検査の流れは次の通りである。
4-1.かかりつけ医で紹介状をもらう
高度な検査機器がある総合病院は、かかりつけ医からの紹介状が必要になることが多いため、事前にかかりつけの小児科で事情を説明し、紹介状を書いてもらうとよい。
もし総合病院と連携が取れている小児科医であればその場で検査の予約の手配も行ってくれる。
4-2.総合病院で精密検査を受ける
総合病院での脳波の検査は患者(今回であれば熱性けいれんを起こした子ども)の頭部にヘルメット状の検査機器を装着して測定を行う。
脳波の検査にあたっては睡眠状態である必要があり、乳児・幼児を抱っこして寝られる環境を作り、子どもが眠りについたところで検査が開始される。
なかなか寝付かない場合は睡眠導入剤を使うこともあるので検査技師または看護師にその場で相談するとよい。
熱性けいれんは寒い時などに体をビクッと震わすような一瞬の動作ではなく、非常に激しく動くため初めて見ると驚いて保護者は冷静さを欠いてしまいがちだが、もしその場面に出くわしたらこの記事を思い出して冷静に対応してほしい。
また、乳児・幼児といった小さな子どもが熱を出したときはいつけいれんを起こすかわからず、けいれん後に脳に後遺症が残る恐れもあることから、目の届くところにいて体に異常が無いか観察してあげてほしい。
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